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京太郎(さてと。とりあえず、小蒔さんを迎えにいかなくちゃなー) 京太郎(何だかすごくうきうきしていたしなぁ。やっぱり、外に出るって嬉しいことなのかな) 京太郎(それにしては、霞さん達と出かける時は普通だったし) 京太郎(どうなんだろうな……あー、女の子の心はわかんねーな) 京太郎(ま、喜んでくれるなら一向にかまわないけどさ) 京太郎(どうせだし、ちょっとからかってみるのもありかも) 京太郎(小蒔さんってどこか弄られキャラっていうか、わたわたしているのが可愛いっていうか) 京太郎(うーん、俺ってば意外とSなのかもしれん) 京太郎(わざとそっけなくしてみるか) 京太郎(いや、でもかわいそうじゃないか?) 京太郎(いやいや、ここはそっけなくスべきだ!) 京太郎(どうも、最近小蒔さんといい皆スキンシップが激しい気がするんだ!) 京太郎(お風呂で鉢合わせとかねーよ!何で毎回あるんだよ!) 京太郎(おかげで小蒔父さんといつも一緒だよ!) 京太郎(すごい仲良くなっちゃったよ、畜生!) 京太郎(ということで、心を鬼にするぞ!俺は!) 京太郎(順にそういう態度を取っていけば皆もちょっとは離れてくれるだろ) 小蒔「あ、京太郎さん」 小蒔「すいません、わざわざ迎えに来てくれて」 京太郎「……いえ」 京太郎「それじゃ、行きましょう」 小蒔「あ、はい……」ショボーン 小蒔「きょ、京太郎さん?」 京太郎「なんすか、早く行きましょう」 小蒔「はい……」ウルウル 小蒔「…………」 京太郎「…………」 小蒔「……」チラッ 京太郎「……」プイッ 小蒔「……っ」ウルウルウル 京太郎「……はぁ」 小蒔「っ!」ビクン 京太郎(ヤバい、ヤバい) 京太郎(超罪悪感湧くんだけど!これ、何!こんなに辛いことなの!?) 京太郎(どうして、これだけで泣きそうになっているの、ねぇ!) 京太郎(おかしい、こんなことになるはずじゃ) 小蒔(京太郎さん、さっきから私と話してくれない……) 小蒔(嫌われちゃったのでしょうか、何か至らないことをしてしまったのでしょうか) 小蒔(あ、謝らなくちゃ。私が悪いのなら……) 小蒔「あ、あの」 京太郎「…………」スルー 小蒔「………っく」ウルウルウルウル 小蒔(無視、されちゃいました。話しかけても、聞いてくれません……) 小蒔(が、頑張って仲直りしなくちゃ。怖いけど、私が声をかけないと……) 京太郎「……」 小蒔「……ぅぅ」 小蒔(結局、何度話しかけても無視されました……) 小蒔(どうしたらいいんでしょう?) 京太郎(ど、どうしよう……?) 京太郎(このまま無視していいんだろうか?) 京太郎(心を鬼にしなくちゃって決めてはいるけど) 京太郎(小蒔さんの顔を見ていると、悪いことしてる感が強くて強くて!) 京太郎(でも、今更やめるってのも……ぁぁあああ!!) 小蒔「……っ、うっ……」グスグス 京太郎(な、泣き始めてしまったぁ!これは無理、これ以上やったら俺が死ぬ!) 小蒔「ごめんなさい、ごめんなさいっ。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」 京太郎「こ、小蒔さん?」 小蒔「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 京太郎「ど、どうしたんです?め、目が怖いっすよ?」 小蒔「私が悪いんです、私が至らぬばっかりに京太郎さんの嫌がることをしてしまったんです、 ごめんなさい京太郎さん、わたしがいるから毎日が辛いんですよね、ごめんなさい」 京太郎「え、えっ」 小蒔「大丈夫です。京太郎さんにはもう話しかけませんから、私の声を聞いているだけでも耳障りなんですよね すいませんでした、ごめんなさい、私の存在があるのが悪いんです」 京太郎「あ、はい」 小蒔「謝ってすむものではないとわかっています、それでも謝らせてください。 この身体を幾らでも好きにしてくれて構いません。 ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」 京太郎「す、」 小蒔「ごめんなさいごめんなさい」 京太郎「すいませんでしたーーーーーー-!!!!」ドゲザーッ 小蒔「ふぇ……?」 ――少年、説明中―― 京太郎「ほんっとうに、すいませんっしたーーーー!!!」 小蒔「…………ょ」 京太郎(あ、これかなり怒ってる) 小蒔「よ、かったです……嫌われてなくて……」ヘタリコミー 京太郎「へ?」 小蒔「……ご、ごめんなさい。安心しすぎて、力が」 京太郎(す、すごく俺が悪いみたい……いや、俺悪いよ!ど、どうする?) 京太郎「許して下さい!何でもしますから!」 小蒔「……なんでも、ですか?」キョトン 京太郎「あ、金銭面的なことは出来れば勘弁して欲しいかな-って。いやいや、謝る気が全くないわけじゃないんですよ!?」 京太郎「俺の財布の中身はいつもぼろぼろでして……!」 小蒔「……えっと、京太郎さん。私は京太郎さんのお財布を取ったりはしませんよ?」 京太郎「とはいっても、それなりには出す覚悟は在るといいますか!俺悪いですし!」 小蒔「は、はぁ……」 小蒔(どうしましょう、何でもするとは言われましたけど) 小蒔「今日は1日中私と京太郎さんは大の仲良しです。ですから1日中一緒に過ごしましょう」 京太郎「………えっ」 小蒔「えっ、駄目ですか……?」 京太郎「いや、駄目とかじゃなくて!そんなことでいいんですか?てっきり、もっと……こう」 小蒔「私にはこれで十分です。京太郎さんと一日一緒に過ごせる、それだけで素晴らしいことだって」 京太郎「小蒔さん……」 小蒔「そういうことにします!ですので、明日はずっと一緒ですよ?」 京太郎「でも、俺仕事が」 小蒔「投げ捨てちゃいましょう!」 京太郎「えー……」 小蒔「大丈夫です、お父様に言えばなんとかしてくれます!」フンス 京太郎「いや、まあ……俺はいいんですけど」 京太郎(何か、寒気が……背筋が凍るような、そんな寒さが来たような) 京太郎(風邪でも引いたのか?うーん、取り憑かれたりしてないよな?)フラフラ 小蒔「京太郎さん。そっちは高台ですよ?家はこっちです」 京太郎「あ、ああ……はい。すいません、ちょっとぼーっとしていて」 小蒔「もう、危ないですよ。車にでも轢かれたらどうするんです」メッ 京太郎「あはは……そんなことありえませんって。だって――」 小蒔「だって?」 京太郎「――死にませんから?」 小蒔「どうしてハッキリじゃないんですか……」 京太郎「何となく?」 小蒔「…………えいっ」 京太郎「わわっ」 小蒔「危ない人はこうして、手を繋がないと駄目ですっ」 京太郎「は、はずか」 小蒔「??」 京太郎「……何でもありません」 小蒔「ふふふっ」ニコニコ 京太郎(まっ、いいか。小蒔さんが喜んでくれるなら) 【自部屋】 京太郎「はー、美味しかった」 京太郎(今日も楽しくご飯を食べた食べた) 京太郎(サバ味噌と御飯だけでしばらくは生きていける……そう言ってもいいぐらい、やばかった) 京太郎(……こんな毎日も、もうすぐ“終わり”か) 京太郎(いいや、終わらないといけない、か) 京太郎(いつまでも続ける訳にはいかないんだ) 京太郎「……寝れね」ブルッ 京太郎「きもち、わりぃ」 京太郎「…………………」 ふらふらと。 夢遊病者のように、覚束ない足で外に出る。 何故か、自分の意識が薄れているような、世界に溶けているみたいだ。 それなのに、しっかりと靴を履けるのは? 考えてもしょうがないか。わからないものはわからない。 それでいいじゃないか。 歩く。こつこつと、弱い足音が無音の街に少し響く。 やっぱり、力が入らない。何かのはずみで転んでしまいそうなぐらいに、ふにゃふにゃだ。 殆ど無意識だから?仕方ないっていうか? アホらし……。それで、俺は何の目的で高いところに登っているんだっけ? 思えば、鹿児島にいる間もよく高いところに登ったっけ。 “普通”は、登るはずのない、高台/■■に。 登って、登って。見上げた空は綺麗で。 星屑が散らばった綺麗な夜空/雲一つないどこまでも続く青空。 うーん、気持ちいいな。絶好の日だ。 伸びすぎた前髪が風で揺れる。 あー、今度切らなくちゃな。 あれ、今度っていつだっけ?ま、いいか。 さてと、俺はどうして高台にいるんだろう。 咲とまた、出会った時も、姉帯さんとオフ会した時も……俺は最後に高台を選んだ。 はるるがあんな目にあった場所を、選んだ。 どうしてだろう。何か、深い理由があるんだろうか。 何か、大切なことを忘れてる気がする。 絶対に忘れてはいけない、俺がここにいる理由に関わる、とても大事なこと。 俺は、俺は――何かが、弾ける音が聞こえた気がした。 京太郎「……ぁぅ」 京太郎(あれ、俺……いつの間にかに寝ていたんだな) 京太郎(何か、どっか行ったような。気のせいだろうけど) 京太郎(それよりも、さっさと起きないと)ムニュ 京太郎(そうそう、このおもちは小蒔さんだ。今日は小蒔さんと一日一緒なんだ)ムニュムニュ 京太郎(じつにいい揉み心地、ジャストフィット巨乳!)ムニュムニュ 京太郎「って!何でここにいるんですかーーーーー!!!!」 小蒔「ふぁあわ!な、何なんですか!」 京太郎「それはこっちのセリフですよ!どうしてここにいるんです!」 小蒔「……昨日約束したじゃないですか」 京太郎「いや、それはわかってますけど!」 小蒔「だから、部屋を抜けだして京太郎さんと一緒に寝ていました!」ドヤッ 京太郎「ドヤ顔する場面じゃないですよ!」 小蒔「それよりも、今日は一日よろしくお願いしますね」ペッコリン 京太郎「ああ、これはご丁寧に……って違いますって!」 小蒔「わわっ。京太郎さん、朝から元気ですね」 京太郎「起きたら隣に小蒔さんがいたら誰でもびっくりしますって!」 京太郎(そうでなくても、朝は息子が元気だとかあるのに) 京太郎(うまく隠したけどさ、本当に勘弁してくれよ……) 小蒔「ということですので、お休みなさい」 京太郎「せめて布団は分けてくださいよ!」 小蒔「京太郎さんのぬくもりが染みます……あったかいです」 京太郎「聞いちゃいねぇ、マイペース過ぎるでしょう!」 小蒔「……」 京太郎「だきつかないでくださいって!」 小蒔(胸が当たるのに慣れてきた自分が憎い……!息子は慣れてないのに!) 小蒔「……郎さん、……す、……き……ふふっ……」 京太郎「こんなトコロ、見られたらヤバいってのに」 小蒔「………にゅふふ」 京太郎(……ま、いいか。こんなにいい寝顔をしてるのを剥がすのはどうかしてる) 京太郎(こうしてると、彼氏彼女みたいなんだけどな。はぁ、本物の彼女欲しい……) 京太郎(こうして見ると、小蒔さんって可愛いよなあ) 京太郎(顔立ちの幼さとスタイルの良さが合わさって絶大な破壊力を生んでいる……!) 小蒔「…………」 京太郎(こうして、ゆっくりと顔を見たことなんてなかったからな、改めて見るとはずっ) 小蒔「……」ゴロン 京太郎(って、何でこっちにますます寄ってくるかなあ!) 小蒔「……」スリスリ 京太郎(こ、ここまで無防備になられると俺としても困るっていうか!9 小蒔「……ぁ」ビッタン 京太郎(あ、戻った。ちょっと、痛そうにしてるけど……) 小蒔「……すぅ」 京太郎(大丈夫か。よかったよかった) 京太郎(……あー、やっぱ可愛いな、小蒔さん)ギュッ 小蒔「……ん」ギュッ 京太郎(こうして手を繋いでると、落ち着くし) 小蒔「…………」スヤスヤ 京太郎(はぁ、彼女でもない女の子の手を握って落ち着くとか、俺は変態かっての) 京太郎(でも、しばらくはこうしていたい) 京太郎(……いい気分だ) 【しょくたく!】 京太郎「……」 小蒔「……」ニコニコ 京太郎「…………あの」 小蒔「はい?」ニコニコ 京太郎「すごい、いい笑顔ですね」 小蒔「ありがとうございます」ニッコニッコニコーーーー 京太郎(ああ、笑顔なのはいいんだけど……) その他の人達「……………」 京太郎(視線が、視線が冷たい!) 霞「…………」ニッコーリ 京太郎(逆に笑顔が怖いよ!) 京太郎(やばいやばい、何か言わないといけない雰囲気!) 京太郎(やめよう!俺には小蒔さんしか見えない!) 小蒔「京太郎さんと一緒に御飯を食べるなんて久し振りですね」 京太郎「そうですか?割と一緒な時も……」 小蒔「言う程、ありませんよ?」 京太郎「んー、自分ではそう思っていなかったんですがね。ま、一緒にご飯を食べるって悪いことじゃないですからね!」 小蒔「そうですよ。こうしていると、その……」 京太郎「その?」 小蒔「なんでもありませんっ。た、食べましょう早く!」 京太郎「小蒔さんがそう言うなら……」 京太郎(どんよりとした空気なんてないない。俺には見えない、聞こえない) 京太郎「いただきまーす」 京太郎「ああ、おいしい。おいしいなあ」 京太郎(聞こえない聞こえない、箸が折れる音なんて聞こえない) 小蒔「…………」ピコーン 小蒔「京太郎さんっ」 京太郎「はい?」 小蒔「えっと、いつも京太郎さんにはお世話になっていますよね」 京太郎「そうでし」 小蒔「なってますよね」 京太郎「そんな、言う程」 小蒔「なってることにしてくださいっ」 小蒔「そういうことですので、そのですね……」 京太郎「???」 小蒔「あ、あーん」プルプル 京太郎「あ、食べさせてくれるんですか?恥ずかしいならやらなくても……」 小蒔「いいんです!約束を守ってくれてるんですからこれぐらいはお礼をしないと」 京太郎「えっと……」 京太郎(食卓の向こうから出てる邪気がなければ即座に頷くんだけどなぁ!!!) 京太郎「それじゃあ、お願い出来ますか?」 京太郎(もう、どうにでもなればいいや……。 怖いけど、ここで断って小蒔さんがうるうるしたらもっとひどいことになりそうだし) 小蒔「それじゃあ、あーん」 京太郎「んぐ、小蒔さんに食べさせてもらったから料理の美味しさも二倍ですよ!」 小蒔「うふふ……そう言ってもらえるとこちらもやりがいが出てきます」プルプル 京太郎「……恥ずかしいなら」 小蒔「恥ずかしくありません!」 京太郎「顔が赤いのは気のせいですか?」 小蒔「きのせいですよ、窓からの光です」 京太郎「今日は曇りなんですけど、それは」 小蒔「ううっ……」 小蒔「意地悪です、京太郎さんは……」 京太郎「思ったことを素直に言ってるだけです」 小蒔「…………むぅ」 京太郎「そうやって膨れても駄目ですよ。はい、あーん」 小蒔「んむむ、おいひいです……って、私がやる方ですよ!?」 京太郎「やられっぱなしは嫌なんで。それとも、駄目でしたか?」 小蒔「駄目じゃありませんけど……その、恥ずかしいです」 京太郎「それを言うなら俺だって恥ずかしいですよ」 小蒔「…………」 京太郎「…………」 小蒔「ふふっ」 京太郎「ははっ」 小蒔「似たもの同士ですね」 京太郎「俺は小蒔さんみたいに純粋ではありませんって」 小蒔「そうですか?私から見ると京太郎さんは純粋ですよ?」 京太郎「まさか。それは言いすぎですって」 キャッキャウフフ 霞「今日のご飯はいつもより美味しくないわね……」 初美「同感ですよー」 巴「……はぁ、全く困ったものですね」 春「……爆発してしまえばいいのに」 京太郎「ふぅ、何だかすっげー疲れた気が……」 小蒔「そうですか?」 京太郎「ええ。肩に力が入りすぎてたっていうか」 京太郎(今度、霞さん達にはフォローを入れておこう) 京太郎「それよりも、一日一緒って言ってもそんなにやることなんてないですよ?」 小蒔「そんなことないですよ、例えば……」 小蒔「でで、デートとか?」 京太郎「デートですか、へー……ってええっ!」 小蒔「駄目、ですか?」ウワメヅカイッ 京太郎「いや、駄目じゃないですけどっ!いいんすか、俺と……デートだなんて」 小蒔「はいっ!京太郎さんとがいいんです」 京太郎「……っ」 京太郎(はずっ、こうしてストレートに言われるとすっげぇ恥ずかしいな!) 京太郎「それで、デートとは言っても、どこか行く場所とか予定とか決まっているんですか?」 小蒔「和菓子屋さんとか……」 京太郎「いいですね、それ。まったりできそうですし」 小蒔「……」パアアアッ 京太郎(すごい、嬉しそうだ……っ!) 小蒔「それじゃあ、早速ですが行きましょう!」グイグイ 京太郎「ちょ、服を引っ張らないでくださいって! どうせなら着替えてから行きましょうよ!」 小蒔「???」 京太郎「いやいやいや。デートなんですから着替えましょうよ」 小蒔「……っ!正論ですね」 京太郎「でしょうでしょう。ということで、少ししたら家の前で待ち合わせということで」 京太郎「うん、こんなもんだろ」 京太郎(ちょっとおしゃれ頑張ってみました的な感じだけど!) 京太郎(変じゃないよな、まともだよな!?) 京太郎(これで、小蒔さんに笑われでもしたら……!) 京太郎(泣くまでは行かなくてもショックをうけるよ、俺!?) ???「あ。あの……」 京太郎「ん?小蒔さん、もう準備できたんです……か……」 小蒔「その、変ですよね?」 京太郎「へ、へへ変じゃないですよ!」 京太郎(おいおい、洋服だと……!?これは予想外、想定の範囲外!!!) 京太郎(今の小蒔さんの格好……白のワンピースと麦わら帽子……っ!) 京太郎(シンプルかつ清楚……飾らない真っ直ぐな可愛さ……!) 京太郎(素晴らしい、素晴らしい!喝采せよ!俺、今日のデートは幸せだぁ!!!) 小蒔「……やっぱり、変でしたよね」 京太郎「はっ。違いますって!!!ただ、見とれていただけです!」 京太郎「あんまり、うまく言えないんすけど……似合っています」 京太郎「変だなんて言わないでください。見とれていた俺がばかみたいじゃないですか」 小蒔「そ、そこまで言われると恥ずかしいです……」 京太郎「世辞なんかじゃありませんよ」 京太郎「俺の本心から、小蒔さんのこと……可愛いって思ったんで」 京太郎「だから、嘘になんてさせないでください」 小蒔「はい……」 京太郎「それじゃ、行きましょうか!」ギュッ 小蒔「あ……っ」 京太郎「デートですから、手を繋がないと」 京太郎(やべーやべーーー!調子に乗ってる感がやべーーーよ!) 京太郎「嫌ならやめますけど……」 小蒔「このままがいいです。京太郎さんと繋いだままが」ギュッ 京太郎「そうですか、それなら行きましょうか」ニコッ 京太郎(ああ、もう!何やってんだ、俺は……) 京太郎(まだ、付き合ってもいないのにこんなことして。さすがに軽すぎだろ) 京太郎(……いくら身近にいて惹かれているからって) 京太郎(惹かれている?……??) 京太郎(あれ、俺って……小蒔さんのこと――) 京太郎(んー、手を繋いで歩くって何か落ち着かないな) 小蒔「~~♪」 京太郎(小蒔さんの方は喜んでくれて何よりだけどさ) 京太郎(こうしてると彼氏彼女……ってそりゃあ言い過ぎかな) 京太郎(こんな風に楽しく過ごして、いいのかな、俺……) 京太郎(よくはわかんねーけど、どうも考え過ぎちまう) 小蒔「???どうかしました?」 京太郎「なんでもありませんよ。つーか、ほんわかな温かさっすね」 小蒔「そうですか?汗ばんだ手で申し訳ありません」 京太郎「んなこと気にしないでくださいよ。俺の方こそ、野郎のごつい手で」 小蒔「それがいいんです!」プンスカ 京太郎「ええっ」 小蒔(この方が京太郎さんと繋がっている感じがして、嬉しい) 小蒔(そんなこと恥ずかしくて言えませんけど……っ) 小蒔(それに、男の人と手を繋ぐなんてお父様以外ではいませんでしたし) 小蒔(き、緊張しますね!) 京太郎(何か、すげー気合入ってるみたいだけど大丈夫なんだろうか) 京太郎(まあ、気にしてもしょうがないか。さてと、和菓子屋は……) 京太郎「到着しましたね」 小蒔「はい!お父様からここのあんみつは美味しいって聞いて!」 京太郎「それじゃあ、あんみつにしましょうか。二人分ってことでいいですか」 小蒔「……」チラッ 京太郎(ん……小蒔さんの視線が) 『カップル限定!愛を込めてあんみつ!やったねたえちゃん!家族が増えるよ!』 京太郎(う、うさんくせ~~~~~~!!! 何だよ、この明らかに地雷だけどカップルさんならこれをやって当然よね的な空気は!) 小蒔「……」チラチラッ 京太郎(小蒔さんがすっげー見てるよ!明らかにこれ食べたそうだよ!) 京太郎(でも、カップルなぁ……俺達違うしなぁ……) 京太郎(勝手にカップル認定って申し訳ないんじゃねぇのか?) 京太郎(もし、全然違うことを考えていて断られたら……俺は立ち直れない) 京太郎(どうするよ、俺!) 背が小さいけれど巨乳の女の子の店員「ご注文よろしいですかー?」 京太郎「それじゃあ、このカップル限定のやつお願いします」 背がry「うわわっ!お二人さんは彼氏彼女ですか!!」 京太郎(ここは……カップルでいいか。注文するものもあれだし) 京太郎「はい!」 小蒔「ふぇぇ!!」キュピーン 京太郎「いやぁ、そういうことでこのセットを頼もうかと思ったんですよ~」 背ry「そうなんですかー。あっ、これ以上話すと怒られちゃうんで失礼しますねっ」 京太郎(小さいけれど、おもちがすばらしい……ロリ巨乳ってやつか!) 京太郎(ロリ巨乳については正道か、邪道かで判断が分かれるけど今はいいや) 京太郎「それよりも」 小蒔「あわわ、わわわわあわあわわ」 京太郎「小蒔さん、どうしたんです?」 小蒔「わわ、あわわわわわわわわたい」 京太郎「落ち着いてください、ちゃんと喋れてないですよ」 小蒔「わた、わたわたわわわわたみ!」 京太郎「それは違いますよ、とりあえず深呼吸しましょうか」 京太郎「はい、息を吸ってー吐いて-」 小蒔「すーはーすーはー」 京太郎「はい、これで落ち着いたはずです」 小蒔「わわわわわわたあめ!」 京太郎「…………」ポカーン 小蒔「…………」 小蒔「すいません、冗談です」テヘッ 京太郎「……」 小蒔「ううっ、私だって冗談くらい言いますよぉ……」 京太郎「いや、すいません。まさか小蒔さんが冗談を言うなんて思ってもいなくて」 小蒔「むっ、それはひどいですっ」プックー 京太郎(頬を膨らました小蒔さん、可愛いなあ) 小蒔「それよりも、か、彼女って」 京太郎「ああ、すいません……何か、小蒔さんがあのチラシを真剣に見ていたもので」 京太郎「食べたいのかなぁってちょっと……おせっかいでしたらすいません!」 小蒔「……そんなことありませんけど」ボソボソッ 京太郎「とりあえず、頼んでしまったものは頼んでしまったので勘弁して下さい!」 小蒔「それじゃあ、ここにいる間は京太郎さんと私は」 京太郎「カップルということになりますね。すいませんっした!」 小蒔「あわわわわ、そんな……元々は私が原因ですから!」 京太郎「いや、そんな。でてきたものは小蒔さんが全部食べていいんで」 小蒔「それは駄目です!だって、カップルですから……二人で食べないと」 京太郎「……いいんですか」 小蒔「いいに決まってます。そもそもですね、京太郎さん」 小蒔「嫌だったら、デートになんて誘いませんよ?」ニコッ 京太郎「……っ!そ、そそうですか」 京太郎(やべーーー!今の俺、絶対顔赤いって!) 京太郎(こうやってストレートに言われると恥ずかしいってレベルじゃねーよ!) 京太郎(ああ、調子に乗ったのがまずかった!畜生、恨むぜたえちゃん!) 背ry「お待たせしました!やったねたえちゃんのお客様ー」 京太郎「あ、はい」 京太郎(うーん、大きい胸は正義だな。今度は小蒔父さんを誘って来よう) 京太郎「あの、スプーンがひとつしかないんですけど」 背ry「カップルですから!」 京太郎「あ、はい」 京太郎(ですよねー、つーことは小蒔さんに全部食べさせないと) 背ry「あ、カップルセットなんで交互に食べてくださいね~」 京太郎「えっ」 京太郎「…………まじですか?」 背ry「まじですっ!」フンスッ 京太郎(可愛いなあ、頭なでたくなる可愛さだなあ) 背ry「それじゃあ失礼しますね~」 京太郎「ど、どうします?」 小蒔「二人で交互に食べないと行けないんですよね?」 京太郎「そういうことらしいっすね……ほんと、大丈夫ですか?」 小蒔「大丈夫です、頑張りますっ!」 京太郎「いや、頑張る所じゃないんですけどね……」 小蒔「それじゃあ、京太郎さん食べましょう」 京太郎「はい。どっちからいきます?」 小蒔「それじゃあ、私からで」 小蒔「あ、あ~ん」 京太郎「」 小蒔「あーん」 京太郎(――――――!!!!?!??!?!?!?!?!) 小蒔「……口を開けてくれませんか?」カアアッ 京太郎(な、何が起こってるのか理解できない) 京太郎(夢でも見ているのだろうか) 京太郎(まさか、こんなことって) 京太郎(小蒔さんから、自発的にあーんしてくるとは……思わなかった) 京太郎(霞さん達みたいにからかいの意味も込めてやってくる人はわかる、まだわかる) 京太郎(でも、小蒔さんだ。こういう時は生真面目な小蒔さんだ) 京太郎(その、小蒔さんがちょっと顔を赤くしながらもスプーンを差し出してくる) 京太郎(これは、ひょっとしなくてもすごいことなんじゃないか!) 京太郎(あ、あ、あっ、俺は――!!!) 小蒔「あーん……」 京太郎(ええい、悩んでいても仕方ねー!第一、カップルの為のあんみつなんだから避けられないんだよ! 畜生!まさか、こんな事になるなんて思ってもいなかった!) 京太郎「じゃ、い、頂きます……」ングング 小蒔「美味しいですか?」 京太郎(緊張で味なんてわかんないっすよォォォ!!!!甘いってことしかいえねぇ!!) 京太郎「あ、あまくて、」 小蒔「甘くて?」 京太郎「美味しいで、すっ!」 京太郎(言えた--!言えたよ、俺!よくやったよ!) 小蒔「ホッとしました……っ。もし、お口に合わないのでしたらどうしようかと」 京太郎「んなことないですって。小蒔さんが、」 小蒔「私がどうかしました?」 京太郎(小蒔さんが食べさせてくれたら何でも美味しいですよ、なんて……!) 京太郎(なんなんだよ、いつもみたいに軽口回せよ、俺の口!) 京太郎「い、いえ、小蒔さんはいつも通りだなあって」 小蒔「私はいつも通りですよ?」 京太郎「そうですね……」 小蒔「変な京太郎さん。それでは、今度は逆ですね」 京太郎「えっ」 小蒔「おねがいしますね」ニコッ 京太郎「」 京太郎「あ、ああああ」 小蒔「京太郎さんどうしたんですか!震えてますけど、どこか体調が」 京太郎「体調はバッチシです!ただ、ちょっと緊張して。ほんと、ちょびっとだけですよ!」 小蒔「??そうなんですか???」 京太郎「はい!全ッ然体調は健康でっす!」 小蒔「そうでしたか。それなら、あーん」 京太郎「………………ぁーん」カオマッカー 小蒔「はむっ、んむ。美味しい!」 京太郎「ソウデスネー」 小蒔「それじゃあ、今度は私です!」 京太郎「ア、ハイ」 小蒔「はい、京太郎さん口を開けてくださいねー」 京太郎「はい、あー……ってこれじゃあ赤ちゃんみたいじゃないですか」 小蒔「ふふ、でしたら……私がお母さんですね」 京太郎「勘弁して下さいよ、こんな若くて可愛らしい母親がいますかって」 小蒔「…………」カアアアッ 京太郎「…………」カアアアッ 小蒔「……あの」 京太郎「……すいません」 小蒔「どうして、謝るんです?」 京太郎「いや、何か変なこと言ったみたいで」 小蒔「そんなことありませんよ、可愛らしいって褒め言葉じゃないですか」ニコッ 小蒔(それに、京太郎さんから可愛いって、ふふっ、えへへへっ) 京太郎(すっごく嬉しそうだけど……うーん、結果オーライ?) 京太郎「それじゃあ、今度は俺ですね?」 小蒔「はい。では、京太郎さん、口を開けてくださいね」 京太郎「んー、うまいっすね……。冷たくて暑い夏にピッタリといいますか」 小蒔「そうですね。…………ぁ」 京太郎「どうかしました?」 小蒔「い、いえ!」 京太郎「??」 小蒔(これって間接キスじゃないですか!?霞ちゃんがよく貸してくれる漫画にありました!) 小蒔(霞ちゃん……私、は、初めて、奪われちゃいました……。どうしましょう?) 京太郎(もうなんか、吹っ切れるもんだな!よく考えると食べさせ合いぐらいで怯えてどうする!) 京太郎「それじゃあ、次は俺の番ですね」 小蒔「……あーん」 京太郎(心なしか、ちょっとニヤけてるような……) 小蒔「ご馳走様でした」 京太郎「何だかんだですぐ食べちゃいましたね」 小蒔「美味しかったので」 京太郎「そうですね。そういえば、次はどこに行くんです?」 小蒔「…………」 京太郎「まさか、決めてなかったり?」 小蒔「…………」コクン 京太郎「それじゃ、次は何処にしますか?もう、お昼も過ぎましたし」 小蒔「桜島に行きましょう!」 京太郎「何寝ぼけたこと言ってるんですか」ペシッ 小蒔「あいたっ」 京太郎「今から行って帰ってこれるんですか?」 小蒔「大丈夫です!」 京太郎「どこからその自信は来るんですか……そもそも、島って付くぐらいだから海渡るんですよね?」 小蒔「桜島は陸続きですよ?」 京太郎「島なのに?」 小蒔「島なのに、です!」 京太郎「でも、遠くないですか?もし終電乗り過ごしたら……」 小蒔「京太郎さんは一緒にいてくれますよね?」ニコッ 京太郎「いますけど!朝帰りなんてしたら、あとが怖いと言いますか」 京太郎(絶対、正座でお説教確定なんだよなぁ……お父さんの方は喜びそうだけど) 小蒔「大丈夫です!霞ちゃん達はわかってくれますよ!」 京太郎「わかってくれませんって!第一、何処で一晩泊まるんですか!」 小蒔「???」 京太郎「考えといてくださいよォ!」 京太郎(どうすっかな……よくはわからんけど、行ったら夜帰りになりそうだし) 京太郎(もし、終電逃したら……泊まる場所どうすんの!?) 京太郎(ネカフェでもいいならそうするけど、小蒔さんが気に入るかどうか) 京太郎(そもそも財布は大丈夫なのか?幾らかは小蒔さんも持っているだろうけど) 京太郎(あーーー!そんなんわかるカーーーー!!!) 京太郎「……小蒔さん」 小蒔「はい!」 京太郎「桜島、行きたいですか?」 小蒔「すごく行きたいです!」 京太郎「もし、帰りが遅くなったりして霞さん達が襲いかかってきてもかばってくれますか?」 小蒔「大丈夫です、霞ちゃん達は、話せばわかってくれますよ!」 京太郎「……そうですか」 京太郎「じゃあ、逝きましょう!」 小蒔「……!」パアアッ 京太郎「……ぁぁあああああ!!!」 小蒔「……終電、行っちゃいましたね」 京太郎「やばい、マジでヤバいっすよ!!!!」 京太郎「殺される……全身全霊で殺される……!」 京太郎(俺の股間が危険だ……!小蒔さんと一晩を過ごすってそれだけやべぇことだよ!) 小蒔「大丈夫ですよ、お金もちゃんとありますし……」 京太郎「そういう問題じゃなくてですね」 京太郎「……携帯の電池が切れて連絡もしていないんです」 小蒔「ふぇっ?」 京太郎「こんな時間に電話をかけてもいいものなんすかね……」 小蒔「大丈夫ですよ、誰か起きています」 小蒔「京太郎さんは信用されているんですから、誠心誠意話せばわかってくれるはずです」 京太郎「そうだといいんですが……」 京太郎(とりあえず、公衆電話があったことだしかけてみよう) 京太郎「……できれば。出ないでほしいなあ」プルッルルル 霞「はい、もしもし」 京太郎「あ、霞さんですか。俺です、京太郎です」 霞「あらぁ……京君?」 京太郎「ひっ」 霞「こんな時間に電話だなんて……うふふ」 京太郎(あ、これ死んだ) 霞「朝早く、二人で出かけて楽しかったかしら?一言ぐらい言伝を言い残してもよかったんじゃない?」ゴゴゴゴゴゴッ 京太郎「」 霞「……うふふ」 京太郎「か、霞、さん?」 霞「それで、今は何処かしら?」 京太郎「そのことなんですが、ちょっと伝えなくてはいけないことがありまして」 霞「……」 京太郎「終電逃しちゃって帰れません、メンゴッ☆」 霞「――――――へぇ」 京太郎「」ブツッ 京太郎(あ、あわわわ。何故か、俺の手が勝手に電話を戻していた) 京太郎(これは、相当に、ほんっっとうの本当に……ヤバい) 小蒔「どうでしたか?」 京太郎「小蒔さんと駆け落ちしたいです、帰りたくないです」 小蒔「ええっ!」 京太郎「嫌だ、嫌だ……もう、おしまいだ……!」ガクガク 小蒔「京太郎さん、落ち着いてください!」ダキツキー 京太郎「死にたくない、死にたくない」 京太郎「落ち着きました」 小蒔「結局、どうするんですか?」 京太郎「電話は、何故か繋がらなかったので……とりあえず、宿を探しましょう」 京太郎「ホテルで一泊……はさすがに高いでしょうから」 京太郎(ネカフェしかないよなぁ……) 京太郎(でも、それでいいのか) 京太郎(俺は小蒔さんをそんな所に連れて行っていいのか) 京太郎(違うだろう!俺は気配りの達人ッ!ハギヨシさんからのお墨付き!) 京太郎(考えろっ、俺の頭脳は最適の結論を導き出すはずだ!) 京太郎(逆に考えるんだ。そう、逆転の発想……ッ) 京太郎(別にいやらしいことをするわけじゃないんだ、寝れれば問題ないんだ) 京太郎(なら、ラブホでも問題ないはずだ!!!!) 京太郎(男女二人なら安いって噂もあるし完璧……!) 京太郎「小蒔さん、泊まる場所が思いつきました!」 小蒔「本当ですか!」 京太郎「はい、ちょっと内装が変わっていますが大丈夫ですか?」 小蒔「そんな、京太郎さんが決めてくれたんですから、私は委ねます」キラキラ 京太郎(言えない、色々とヤる場所だなんて、言えない!) 京太郎「ということで、来た訳ですが」 小蒔「疲れましたね……汗もかいちゃいましたし」 京太郎「ここにはシャワーもついていますし浴びたらいいと思います」 小蒔「そうですね……それに、汗の匂いも気になりますし」 京太郎「俺はここで待ってるんで、お先にどうぞ」 小蒔「わかりました、すぐに上がってきますね」タッタッタッ 京太郎(…………) 京太郎(やっちまったなぁーーーーーーっ!!!) 京太郎(よく考えると、どう説明するんだよ!寝る場所に困ったのでラブホ行きましたなんて言えるかーーー!!!) 京太郎(やだーーーー!俺本当に危険じゃないですかーーー-!) 京太郎「ここで、もう一度電話するか?いや、駄目だ。霞さんがあんな状態じゃあ他の人達もきっとヤバい」ヨンダ? 京太郎「こんなことなら面倒臭がってないで携帯の電話番号聞いておけばよかった……」ムスコムクムク 京太郎「巴さんとお父さん辺なら理解してくれそうだし」ムスコビッキーン 京太郎(そして、股間がいきり立ち過ぎてよォ!ラブホ+シャワー音ってこんなにも性欲掻き立てるのかぁ!) 京太郎(今頃、小蒔さんは裸……!ドアの向こうでは一糸まとわぬ姿!) 京太郎(お前、そりゃ興奮するだろ!) 京太郎(……いや、それよりもだ。どうしよう……ほんと、どうしよう) 京太郎(戒能さんとかに電話して口裏合わせるよう頼むべきか?いや、見返りに何をされるかわかったものじゃない) 京太郎(こんなことなら、言うこと聞いてくれる権利を使うべきじゃなかったな……) 小蒔「京太郎さん、すいません、バスタオル取ってもらえますか~」 京太郎「は、はいぃ!」 京太郎「ど、どうぞっ!」 小蒔「ありがとうございますっ」 京太郎(いやあああああああああ!興奮するよ!超このシチュエーション最高だよ!!) 小蒔「お待たせいたしました。それじゃあ、次は京太郎さんが使ってください」ホカホカ 京太郎「は、はい!」 小蒔「どうして、声がうわずってるんですか?」 京太郎「色々と気合を入れてるからです!」 小蒔「ふふっ、変な京太郎さんですね」 京太郎(破壊力すごいなぁ……しっとりと濡れた髪、ほんのりと赤い肌) 小蒔「??」 京太郎(純粋そのものな瞳、シャンプーのいい匂いも、すごくそそる) 京太郎(この人を前にして、俺は大丈夫か?一夜を共に過ごせるか?) 京太郎(シャワー内で一発抜いておくべきか?) 京太郎(いや、俺は声を割と上げる派だ。もし、小蒔さんに聞こえたら……) 京太郎(……死んじゃうな、そのまま襲いかかりかねない) 京太郎(ほんと、戒能さん家にしとくべきだったか……) 京太郎(ホテルの予約は事前に電話したおかげで完璧) 京太郎(冷蔵庫には予め買っておいた飲み物とスナック菓子をぶちこんである) 京太郎(気前のいい事に近藤さんは用意してくれてる!ああくっそ!!!!) 京太郎(とりあえず、シャワーを浴びてるけどさ) 京太郎(落ち着かない、股間が落ち着かない!!) 京太郎(そうだ、こういう時こそ、他の誰かのことを考えるんだ!) 京太郎(きっと、股間も落ち着いてくれるさ!) 京太郎(そうだ、こういう時こそ霞さんだ) 霞『ふふふ……帰ったら、わかっているわよねェ?」 霞『ちょっきん、ちょっきん、うふふふっふふ』 京太郎「……っ」 霞『股間をぐっしゃり、ぐしゃぐしゃ、うふふふっふふ』 霞『そっと、触って――握りつぶす!』 京太郎「あ、ああっ……」 京太郎(やった、勢いが急速に落ちていく……!) 京太郎(ありがとう、霞さん!でも、帰ったらお説教は勘弁して下さいね!) 霞「くしゅんっ」 巴「どうかしたんですか?風邪なら早く寝た方がいいですよ」 霞「違うわ。きっと、誰かが噂しているのよ」 巴「それならいいんですけど」 霞「ふふふ……朝帰りなんていい度胸してるわ」 巴「まあまあ。とりあえず、落ち着きましょう」 霞「いいえ、これは戦争よ。乙女の戦争」 巴「乙女って歳じゃ……いたたたたっっ!」 霞「同い年よ」ニッコリ 巴「そういう設定でし……あだだだだだだ!」 京太郎「という訳であがってきました」 小蒔「お疲れ様です。買ってきた飲み物は冷えてますよ」 京太郎「どもっす。うーん、風呂あがりはオラ……いえ、三ツ矢サイダーに限りますね」 小蒔「そうなんですか?私は冷えたお茶をよく飲みますよ」 京太郎「牛乳じゃないんですか?」 小蒔「違いますけど……」 京太郎「天然素材っ!」 小蒔「???」 京太郎「何でもありませんよ、ええ」 京太郎(それよりも、朝までどうするかな) 京太郎(寝ようにも二人一緒にって結構やばくね?) 京太郎(ラブホに連れてきてる時点でそんなこと言えるわけもないけどさ) 京太郎(さってと、どうすっかな) 京太郎「そういえば、小蒔さんって好きな人いないんですか?」 小蒔「ふぇ!!!?」 京太郎「いや、そんなに驚かなくても」 小蒔「そ、そ、そその話は今するべきことなのでしゅか!」 小蒔「……舌が、痛いです」 京太郎「急いで喋るからですよ」 小蒔「京太郎さんが変なこと聞くからです」プンスカ 京太郎「すんません、こういう夜の会話には必須かなって」 小蒔「もうっ、京太郎さんは!」 京太郎「あはは……」 小蒔「私は、そのような経験は今までありませんでした」 小蒔「恋愛というのは漫画でしか見られないものとして捉えていて」 小蒔「きっと、私には縁がないことだと考えていたんです」 京太郎「……」 小蒔「でも、最近は少し変わってきて」 小蒔「その人のことを考えると、胸がポカポカするんです」 小蒔「いつまでも、その人のそばで寄り添っていたい」 小蒔「その人の笑顔が見ていて温かい」 小蒔「手を握ったら握り返してくれる力強さが、嬉しいんです」 京太郎「……ふんふむ」 小蒔「初恋ではないんですけどね」 京太郎「そうなんですか?」 小蒔「ええ。でも、今はもういいんです」 京太郎「……恋、か」 京太郎「正直、俺の方は全く縁がないですからね」 京太郎「それが、恋愛か、友情か。全く区別がつかなくて」 京太郎「振られた時のことを考えると怖くて」タハハ 京太郎「それに、俺を好きでいてくれる人は……いるかどうか」 小蒔「…………むー」 京太郎「小蒔さん?」 小蒔「…………」プイッ 小蒔「……」ツーン 京太郎「いい加減機嫌治してくださいよ……」 小蒔「知りませんっ」 京太郎(困った……同したもんかな……?) 京太郎「そういえば、小蒔さん」 小蒔「……何ですか」 京太郎「明日の言い訳、どうしましょう」 京太郎「正直、霞さん達ヤバいです。キレッキレです」 小蒔「話せば」 京太郎「わかってくれません。最悪、死を覚悟します」 小蒔「そこまでですか?」 京太郎「はい。ということで、言い訳しましょう!」 小蒔「駄目ですよ、正直に謝るのが筋です!」ピシッ 京太郎「それで済むならいいんですよ……ただ、正座でお説教ならまだマシで」 京太郎(俺の股間が潰れでもしたら……立ち直れない) 京太郎(4人とも、小蒔さんのことを大事に思ってるからなぁ) 京太郎(ラブホに一緒に入りました!なんて言ったら殺される……!) 京太郎「お願いします、助けてください!」 小蒔「……仕方ないですね。京太郎さんは怖がりなんですから」ナデナデ 京太郎「面目ない」 小蒔「とりあえず、どういった言い訳をするんですか?」 京太郎「それはゴニョゴニョ」 小蒔「はい、はい……それでいいんですか?」 京太郎「大丈夫です」 小蒔「それでは、そのように言いますね」 京太郎「さすが、小蒔さん!」 京太郎「これで、朝帰りでも怖くないですね」 小蒔「京太郎さんは心配しすぎだと思いますけど……」 京太郎「いやいや。ちゃんと策は練っておかないと」 小蒔「よく、わかりません」 京太郎「わからないならわからないでいいんで」 小蒔「は、はぁ」 京太郎「それじゃあ――」 小蒔「待って下さい。今度は私の方から話題を振ってもよろしいですか?」 京太郎「へっ?」 小蒔「……駄目、ですか?」 京太郎「いや、構いませんよ。全ッ然何でも話しちゃって下さい!」 小蒔「そうですか。なら、私も遠慮なく聞きますね」 京太郎(そういえば、小蒔からこんな風に積極的に話すのって――珍しくね?) 京太郎(心なしか、いつもよりはキリってしてるし) 小蒔「京太郎さんは――」 京太郎(まあ、小蒔さんのことだから明日の朝ご飯はどうしましょうとかだと――) 小蒔「今、お慕いしている人などは、いらっしゃいますか?」 ■■■ 正直、予想にも上げていなかった話題だった。 まさか、聞き返されるなんて、思ってもいなかったから。 「もし、いないのでしたら」 その先を聞いてしまうと、戻れない。 きっと、このぬるま湯の関係が終わってしまう。 「私と……」 楽しいのだ、霞さんがいて、巴さんがいて、はっちゃんがいて、はるるがいて、小蒔さんがいて。 全員でワイワイ騒いで、バカみたいなことを言い合って。 時たま、俺がやらかして。霞さんが説教して。はっちゃんがそれをからかって。 はるるは黒糖を食べながら無関心を装って。巴さんは、呆れた風に仲裁に入ってくれる。 それを、小蒔さんがニコニコと見つめている。 そんな、だらけていながらも温かい空間が、俺は何よりも好きなのだ。 強くなろうと願うよりも、いつまでも変わらないものが好きなのだ。 はっちゃんに告白されても、俺は断った。 嫌いでもない、むしろ、好きな部類に入る女の子の告白を――受け入れられなかった。 今の関係が壊れるのが嫌だから。変わりたくない、いつまでもこの関係が心地いいから。 だからこそ、断るのが正しいのだ。誰からの告白も、全て突っぱねる。 そもそも、ここにいること自体が奇跡の複合体のようなものだ。 俺が鹿児島にいる事自体が。俺が、―――――こと自体が。 「付き合って、くださいっ」 精一杯の勇気を振り絞ってぶつけてきた告白を、俺は。 「京太郎さんのことが、好きです」 京太郎「…………」 小蒔「…………」 京太郎「………………」 小蒔「…………そうですか」 小蒔「でも、否定されなかったってことは。まだ、私にも機会があるということですよね」ニコッ 京太郎「…………」 小蒔「京太郎さん」 小蒔「貴方が何を怖がっているのか、隠しているのか。わたしにはわかりませんけど」 小蒔「困った時は、話してくれると嬉しいです」 小蒔「……私に話しにくいことでしたら、他の人でもよろしいので」 小蒔(できれば、私がいいんですけどね) 京太郎(――――) 京太郎(一回目は断った。さすがに、いきなりでびっくりしたのも含めて) 京太郎(二回目は保留にした。ちょっと気になっている人からの告白。 普通は受けるべきなんだけど。やっぱり答えは返せなかった) 京太郎(何がたりない、何に気づいていない?) 京太郎(俺がモモの姿を見えなくなったことか?俺が高台によく行くことか?) 京太郎(俺が照さんと出会ったことか?俺が鹿児島に来たことで何かあったのか?) 京太郎(……?…………) 京太郎(よく考えると、おかしいことがないか?) 京太郎(……もしかして) 京太郎(俺と小蒔さんが実は親戚で) 京太郎(血がつながっていたりするから?だから、なのか?) 京太郎(そもそも神代家に仕事に行ったのだって、婆さんが発端じゃないか) 京太郎(それなら――俺が小蒔さん達に抱いてるのは恋愛的なものじゃねーってことか?) 京太郎(家族だから。なかなか踏み切れないし、答えることができない) 京太郎(うちの家族と神代家って実は分家と本家的な感じなんじゃないか?) 京太郎(だから、親近感も湧くし。恋じゃねぇって、勘違いなんだって) 小蒔「……ん、」 京太郎(それに、こうして見ると手のかかる姉みたいだしな)ナデナデ 小蒔「……えへへ」 京太郎(小さく丸くなって寝るって小動物かよ。可愛いからいいけどさ) 小蒔「きょーたろーさんー」ダキッ 京太郎(……っ!胸が、胸が!!) 京太郎(いくら、家系が近いって言ってもこれは慣れないって!!!) 京太郎(……そうに決まってるよ、な?) 小蒔「うにゅう……」ギュギュギュッ 京太郎(強い、力強いって!小蒔さんってこんなにも抱きつきグセあったのか!?) 京太郎(確かに、寝ながらマージャン打ったり歩いたり平然に話したり) 京太郎(多々おかしい所はあるけれどさぁ!!!) 小蒔「…………くぅ」 京太郎「はぁ、仕方、ないか」 京太郎「……今日だけですからね」ボソッ 小蒔「……」 京太郎(聞こえてるかいないんだか、わからないけど) 京太郎(……、…………俺も寝るか) 京太郎(家族みたいなものだから、俺は受け入れられないのか?) 京太郎(本当はそれ以上の関係を、望んでいるんじゃないのか?) 京太郎(わっかんねーや、わかんねーよ……) それが、正しい答えなら。どんなに救われたんだろうか。 いつだって、現実はシビアで。 ああ、そうだった。 神様は――都合のいいもんじゃ、なかったもんな。 ふらふらと、何も考えず歩いている。 いつも通りの帰り道。いつも通りの時間。 だけど、日に日に視界は霞んでいく。 辛いのか、辛くないのか。 わかんない、わからないけど。 死にたいなって思ったのは確かだった。 真綿で締め付けられるような苦しみをずっと味わうのは嫌だった。 雨の日は止められた。あの時は、まだ踏ん張れた。 照さんは俺に言ってくれた。 「逃げるのは簡単だよって」 でも、俺にとって。その答えは、地雷だった。 前を向いても、暗くて。 誰も認めてくれなくて。 自分が悪いってわかっていても、割り切れなくて。 だから、俺は照さんの制止を振りきって。 車線に飛び出したんだ。 あの時、見た夢は。 血まみれで、頭を抱えて。泣いている、叫んでいる人は――俺じゃなかった。 歯車が噛み合わさる。カチカチと俺の中で動いていく。 忘れてる、ことは。照さんが心底後悔していることは。 咲じゃない、清澄のことじゃない。 俺が、死んでることだったんだ。 【朝】 小蒔「おはようございます!京太郎さん!」 京太郎「おはようございます……朝から元気っすね」 小蒔「昨日は早く寝れましたから……京太郎さんどうしたんです?」 京太郎「それよりも、ですね。近いです、顔が」 小蒔「ふぇ?」 京太郎「いや、近いんですって。すっごく。そんなに覗かなくても起きてますから」 小蒔「そういうことを言っていつも寝坊をするのは誰ですか」 京太郎「小蒔さんの方がよく寝てるじゃないですか……」 小蒔「そ、そうでしたっけ」 京太郎「そうですよ」 京太郎(それにしても、さっきまで見てた夢、変だったな……悪夢にもほどがあるぜ) 京太郎(俺が死んでる……だって?) 京太郎(気味悪い……、さっさと忘れよう。何が死んでいるだ、ありえねーって) 京太郎「それじゃ、小蒔さん。朝なんで出ましょう」 小蒔「はい!」 京太郎(何か、身体が重いし、目も霞むけど) 京太郎(気のせい気のせいっと) 京太郎「そういえば、小蒔さん」 小蒔「はい?」 京太郎「あの倉庫って色々とヤバゲなものがありますよね」 小蒔「そうですね、すっごいビビビってきます」 京太郎「ビビビ、ですか」 小蒔「ビビビ、です」 京太郎「……」 小蒔「……」 京太郎「くくっ」 小蒔「ふふっ」 京太郎「ビビビはないでしょ、ビビビは」 小蒔「的確な効果音だと思ったんですけど」 京太郎(天然なのか、作ってやってるのか) 京太郎(いや、小蒔さんの顔を見てると素でやってるんだろうけどさ!) 京太郎(つーか、ナチュラルに手を繋いでるけどいいの、俺!?) 小蒔「……?京太郎さん、手が冷たいですけれど大丈夫ですか?」 京太郎「そっすか?普通だと思いますけど」 小蒔「なら、気のせいですね」ギュッ 京太郎「ちょ、小蒔さん?」 小蒔「京太郎さんを暖かくしてるんです、こうして繋いでると冷たくないですよ」 京太郎「いや、気のせいなら繋がなくても」 小蒔「……」ウルウル 京太郎「喜んで繋がせて頂きます、お姫様」 小蒔「はいっ」ニッコニッコ 京太郎(すっごい嬉しそうだな……) 京太郎(まあ、いっか。小蒔さんが喜んでくれるんだし) 京太郎「そういえば、朝ご飯食べてませんね」 小蒔「お腹、空きました……」グーッ 京太郎「家に帰る前に何処かで食べて行きましょうか」 小蒔「!!!」ペッカーーーン! 小蒔「では、行きましょう!早く、ご飯が食べたいです!」 京太郎「お、おっ……!手を引っ張らないでくださいよ」 京太郎「それじゃ、ファミレスにしましょうか」 小蒔「はい、早く行きましょう!」 京太郎(すごい、気迫……っ!) 京太郎(それに、何か自然に手を繋いでるけどいいのかな) 小蒔「京太郎さん!」ニコニコニッコー 京太郎(まあ、いっか) 京太郎「案外近かったですね」 小蒔「ふふっ、道に迷わなかったお陰です!すまーとふぉんの地図が活きましたね!」 京太郎「それ使ったの俺ですけどね……」 小蒔「細かいことはいいっこなしですよ?」 京太郎「は、はい……」 京太郎(さてと、とりあえず入ろうか) 京太郎(……ん、あれは?) 小蒔「どうかしましたか」 京太郎「いや、どっかで見たような制服だなって」 京太郎「というか、あの制服、白糸台じゃないですか-!」 照「プリン食べたい」 誠子「それで、何で私を連れてきたんですか?すっごく眠いんですけど」 照「菫は起きない。起こしたら怒られる」 誠子「それなら尭深を……いや、寝ていましたね。同室、私ですし」 照「早起きなのは誠子だけ」 誠子「まあ、釣りとかで早起きは慣れていますしねぇ。 淡辺りなら無理矢理起こしても良かったんじゃないんです?」 照「そう思ったけど。『うへへ……私はヒロイン……一度結ばれているのだ……』って変な寝言を言って幸せそうで」 誠子「どんな夢を見てるだか。言葉から察するに彼氏彼女でしょうかね」 照「夢の中でしか幸せになれないのは不憫」 誠子「いやいやいや!現実不幸せじゃないですからね!?」 京太郎「…………」 小蒔「お知り合いですか?」 京太郎「い、行きましょう。巻き込まれたら面倒そうです」 小蒔「は、はぁ」 照「……あ」スタスタスタ 誠子「ちょ、宮永先輩!?」 照「おはよう」 京太郎「おはようございます。それじゃあ、俺達はこれで」グイッ 照「そういうことは言わない。旅も道連れ世は情けって言う」ガシッ 京太郎「別に、俺達旅してるわけじゃないんで」 照「と思うけど実際は」 京太郎「実際も何もないですって!!!」 照「それよりも、須賀君はこんな朝からどうしたの」 京太郎「見ての通り、朝ご飯を食べにです」 小蒔「お腹すきました!」フンスッ 照「……」 小蒔「どうかしましたか、そんなにじっと見つめられたら照れちゃいます」 照「…………」フイッ 誠子「ちょ、どうしてそこで私を見るんですか!」 照「うん、これが普通」 誠子「…………帰りますよ」 照「と思ったけどそんなことはなかった」 京太郎「……さてと。行きましょうか小蒔さん」 小蒔「いいんですか、この人達は……」 京太郎「いいんです」 照「そうやって年上を蔑ろにするのは良くない。私は君にそう教えたはず」 京太郎「そうでしたっけ?」 照「そうだよ。うん、きっと」 京太郎「ほんとの所は?」 照「本当だから」 京太郎「……はぁ、そういうことにしておきます」 照「それじゃあ行こう」ガシッ 京太郎「へ?」 照「一緒に朝ご飯。須賀君との時間は貴重だから大切にしないと」 京太郎「ちょ、照さん!?」ズルズルズル 誠子「……すいません、うちの先輩が」 小蒔「いえ、御飯は皆で食べた方が美味しいですし」 誠子「そう言ってもらえると助かります」 誠子(というか、この人どっかで見たことあるような……) 小蒔(仲良さそうで羨ましいなぁ、私も京太郎さんとあんな風に) 京太郎「どうして、こんなことに……」 誠子「すいません、宮永先輩が無理を言ったようで」ペコペコ 京太郎「いえ、嫌な訳ではないんで」 京太郎(うーん、礼儀正しい人だなぁ) 照「それよりも、プリン」 小蒔「私も食べたいです!」 京太郎「食い意地がある人が二人に……」ガックシ 誠子「お互い苦労するね……」ガックシ 照「それじゃあ注文するよ」 小蒔「この呼び鈴みたいなのを押せばいいんですね!」 京太郎「そういえば、亦野さん」 誠子「誠子でいいよ。もしくは亦野院さん」 京太郎「全然関係ないでしょう!ともかく、誠子さん」 誠子「呼び捨てでも構わないんだけどね、なんだい京太郎君」 照(……ナチュラルに呼び捨て。何か、私の時と違う)ピキッ 小蒔(私は名前呼びに時間がかかったのに……)ムーッ 京太郎「誠子さんって釣りが好きなんですよね?照さんと話していた時に聞こえたんですけど」 誠子「ああ、そうさ。いやぁ、麻雀部ってインドア系ばっかだからさ。この趣味が合う人ってなかなかいないんだ」 京太郎「そうですか?俺は興味がありますよ。渓流でのんびり釣りをするっていいじゃないですか」 誠子「!?わかってくれるか!さすが京太郎君だ、見どころがある」 キャッキャハハハ 小蒔(すごく、楽しそうです……何だか、いつもより京太郎さんが元気で) 照(…………)ギュルルル 小蒔「あ、あの……」 照「何?」ギュルッルルルル 照「今の私はプリン一個では収まらない。追加注文をしたいぐらいに」 小蒔「私も、今ならいくらでも食べれる気がします」 小蒔(京太郎さんの馬鹿……) 照「やっぱり、淡を連れてきた方が……でも、それじゃあ何だか仲良くなりそう」ムムム 京太郎「そういえば、誠子さんも虎姫なんですよね」 誠子「まぁね。でも、私だけどうしても格落ちだと思われてるだろうなー」 京太郎「どうしてです?」 誠子「いや、他の娘達は皆秀でてるもんがあるのさ。さすがに教えられないけど」 京太郎「……」 誠子「それに比べて、私はねぇ」 京太郎「そうは言っても、俺にとっては誠子さんもすごいっすよ。白糸台のレギュラーですよね?」 誠子「ははっ、そう言ってもらえると嬉しいな。いかんせん、周りがすごすぎてね……」 京太郎(んー、ここはどうするべきか?) 京太郎「……俺もそうだったんでわかります」 誠子「天才の中に放り込まれるのは辛いからねぇ。無論、努力はしてんだけどさ」 誠子「やっぱ、違うよ。天才は……って愚痴っぽくなっちゃったね。ごめん」 京太郎「いえ。俺なんかで良ければいつでも聞きますよ。……これはちょっと馴れ馴れしすぎですね」 誠子「そんなことはないさ。話を聞いてもらえるだけでも嬉しいから」 京太郎「そう言ってもらえると光栄です」 誠子「ははっ。そうだ、今度東京に来たら釣りに行こうじゃないか。私のフィッシング技術をお見せしよう!」 京太郎「本当っすか!ぜひ!」 誠子「釣りはいいよ、心が洗われる。麻雀部ってインドア系だから誘っても変な目で見られそうで……。悲しい現実だよ」 京太郎「いいと思うんですけどね、釣り。やったことないんでわからないんですけど」 誠子「最初はだれだってそんなもんさ。私も教えるしね」 ハハハククッ 照(会話に入れない……) 小蒔(何だか、凄く仲良くなってます) 小蒔(……いいなぁ。何か、長年の親友みたいな雰囲気で) 照(私のほうが年上なのに複雑。頼りないのかな、私)ググッ 小蒔(手がぷるぷるしてますけど大丈夫なのでしょうか?) 京太郎「どうでもいいっすけど朝ご飯を食べるくらいなら寝ていたいって思うのは常識だと思います」 誠子「朝は辛いからね……」 照「朝はプリン、昼もプリン」 誠子「先輩は甘いものから離れましょうね」 小蒔「わわっ、ファミレスで朝食は初めてなので緊張します……っ」 オマタセイタシマシターーーゴユックリドウゾー 誠子「さてと、皆揃ったことだし食べましょう。宮永先輩は目を血走らせないで下さい」 照「お腹が空いてるから仕方ない。須賀君、食べさせて」 小蒔「な、なら私も食べさせて欲しいです!」 京太郎「やりませんよ、というか何アホなこと言ってるんですか」キッパリ 誠子「そもそも、食べさせてもらうより自分で食べたほうが楽なんじゃ」 照「わかっていない。誠子は全然わかっていない」 誠子「あまり、分かりたくもないんですけどね……」 京太郎「ともかく、いっせーので」 「「「「いただきます」」」」
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【夜・縁側】 京太郎「……気分が悪い」 京太郎(あんなメールを見たせいか目が冴えている。寝れない……) 京太郎(月はこんなに綺麗なのにな……はぁ) 京太郎「縁側で涼んでいよう……」 初美「京太郎?」 京太郎「うす、ずみさん?」 初美「イエースっ!はっちゃんなのですよー!」 京太郎「どうしてこんな夜にテンションが高いんですか……」 初美「そういうことは気にしたら駄目ですよー」 京太郎「は、はい」 初美「それよりも元気がありませんねー、どうかしたんですか?」 京太郎「えっと……」 京太郎(もう、いいか……言ってしまっても) 京太郎(幻滅されるなら勝手にすればいい) 京太郎(いい機会じゃないか。信じれるか、信じられないかを試す) 京太郎「……長い話になりますよ」 初美「どんとこいですよー」 初美「それに、こんななりでも私は京太郎よりも年上ですからねー」 初美「年下の舎弟が悩んでる時に聞いてあげるのも役目っ」 京太郎「舎弟になった覚えはないんですけどね……まあ、いいですけど」 初美「長くなるんだったら、私の部屋に来てくださいー。お茶ぐらい出しますよー」 京太郎「あ、はい」 京太郎「……そういえば、薄墨さん」 初美「はい?」 京太郎「……ありがとうございます」 初美「よく言えましたー」ヨシヨシ 【初美の部屋】 京太郎「という訳です」 京太郎「だから、俺は……小蒔さんの言っていることを素直に聞けません」 初美「……」 京太郎「すいませんね、こんな辛気臭い話をして」 初美「…………」 京太郎「薄墨さん?」 初美「京太郎」ニコッ 京太郎「はい?」 初美「まずは歯を食いしばれーっっ!!」バチーン 京太郎「けでぶっ!」 初美「京太郎は馬鹿ですよー!!!大馬鹿ですよーっ!」バチンバチン 京太郎「いた、いたいっ!」 初美「どうしてそんなになる前に周りを頼らなかったんですか!」 初美「苦しい時は苦しいっていうものなのですよ!」 初美「何で、一人で抱え込んだんですか!」 初美「それじゃあ、ただの自滅ですよ!」 京太郎「……っ!俺だって考えたさ!」 京太郎「だけど、巻き込んだら」 初美「そうやって一人で抱えて勝手に壊れる方がよっぽど迷惑ですよっ」 京太郎「薄墨さんになにがわかるってんだ!」 初美「あーもう、イライラしてきましたよー!ネコを被るのはもうやめですっ!」 京太郎「はっ、何を言ってるんだ。さっきからごちゃごちゃと!」 初美「やぞろしよっ!京太郎っ!!」 初美「わかりもはんよ!伝ゆいこともせんのに人の気持なんちわかっわけなかっ!」バチーン 京太郎「じゃあ、伝えたらどうだって言うんですか!」 初美「京太郎のこと、助くいに決まっちょっ!」 初美「口は何の為にあるんじゃっとな?人に言葉を話す為にあっとですよーっ」ベチコーン 京太郎「……だけど」 初美「じゃっどんも何もなかっ! 京太郎が一歩前に進んでいたら誰かが救いの手を差し伸べてくれたかもしれんっ!」 京太郎「そう言っておいて裏切るんだろ、どうせっ!友達なんてそんなもんだよなぁ!!!」 初美「裏切らない!試しっみもすかー?へんこっむん」バチーン 京太郎「この……!」ググッ 京太郎「俺は……!俺だって……!」 京太郎「俺だって、信じたかった!咲達を!友達を! あいつらの友達でいたかった!ずっと、ずっと好きでいたかった! 誰も嫌わずに麻雀を打っていたかった!」 京太郎「胸を晴れるように、真っ直ぐにたっていたい!だけど、もう遅いんだよ! 無理なんだよ!!」 初美「無理じゃなか!」 京太郎「無理だよ!アイツらは俺を騙していた!影で嗤っていた! それなのに、平然と友達面をしやがる!」 京太郎「何だよ、俺は道化かよ……本気の本気で友達だって思ってたのは、俺だけか?」 京太郎「……俺は許さない。騙した奴等を。影でコソコソ嗤っていた奴等を! 強くなるって願ったんだ!誰も彼も見返してやるって誓ったんだ! 真剣に、麻雀をやり始めたっ!」 京太郎「それを踏みにじったのは俺じゃない!周りじゃないかっ! だったら……!だったら、俺も狂っちまってもいいだろ!? 強くなる為に周りを蹴落としてもいいだろっ!」 京太郎「全部、無価値にしてやるって決めたんだ。俺が最強になって……」 京太郎「全員ぶっ飛ばす時まで!俺が望んでるんだ!」 初美「……嘘つき」 京太郎「ああ、嘘つきさ!嘘つきのクズで結構だ!」 京太郎「クズでもいい……俺は力が欲しいんだよ!」 初美「言ごあっこちゃそしこですか」 京太郎「それが、どうしたよ」 京太郎「俺は、迷わない。迷っちゃいけない。その為に……!」 初美(止めんと……!後戻いができなくなる前に!) 初美(私は――。私がやるべきこちゃ何だ!) 京太郎「……あ」 初美「京太郎が重い荷物を背負っててたのはもうわかったから」 初美「はぁ……私としたことが我を忘れて素で喋っちゃったのですよー」 京太郎「あ、ああっ」 初美「言いましたよね、京太郎は一人で抱え込み過ぎだって」 初美「一人で全部背負い込んだから重さに潰れて壊れちゃったんですよー」 京太郎「それでも、今更捨てられませんよ……もう、どうしようもないくらいまでくっついてるんですから」 初美「誰が捨てろと言いましたかー?」 京太郎「……えっ」 初美「京太郎一人じゃあ荷が重すぎる。それなら、私が一緒に持ってあげたら解決じゃないですかー」 初美「その狂気も。苦しみも。分けてしまえば痛くないですよーっ!」 京太郎「それは……駄目です」 京太郎「これは、俺のものです。どんな間違いがあっても責任は俺自身がとるものです」 初美「堅いこといいっこなしですっ、言ったはずですよ、もっと周りを頼れって」 初美「もっと、頼って下さい。周りを。まあ、すぐには無理だと思いますがねー」 京太郎「俺は……」 初美「答えは今すぐに出さなくてもいいですよー」 初美「嫌だって言っても無理矢理付いていきますから」 京太郎「……薄墨さん」 初美「はっちゃん、そう呼んで下さい」 初美「今まで私だけ苗字読みで何だか蚊帳の外だったんですよ?」 京太郎「……はっちゃん」 初美「はい」 京太郎「正直、まだ気持ちの整理はつきません」 京太郎「裏切った咲達は憎いって思ってます」 京太郎「狂気に染まってでも力が欲しいって思ってます」 京太郎「それでも……貴方の言ったことは胸に刻まれました」 京太郎「その、何というか!」 京太郎「はっちゃんなら……信じてもいいかなーって」 京太郎「ああもう!恥ずかしい!」 初美「えへへ、京太郎-!」ギュウッ 京太郎「ちょ、強く抱きつき過ぎですって!!」 初美「気のせいなのですよーっ!」 京太郎「……全く」 京太郎(でも、なんでだろうな。すっげー暖かくて……いい気分だ) 京太郎(何だかはっちゃんのことを考えてたら……) 京太郎(いやいや、だってロリだぜ?あり得ないって) 京太郎(お、俺まだロリコンになった訳じゃねーし!) 初美「京太郎、どうしたんですかー?」キョトン 京太郎「うわああああああああああああ!!!!」 京太郎(違う違う、ありえんありえんっ!) 京太郎(くそっ、初めて過去を自分から打ち明けた人なのか知らねーけどさ!!) 京太郎(静まれ、俺の意識っ!!!!) 初美「はいはい、暴れたら駄目ですよー」ギュウッ 京太郎「いい加減離して下さいよっ!」 初美「駄目ですー。離したら、京太郎が逃げちゃいますしー」 京太郎「逃げませんから、もう!」 京太郎「……すいません、見苦しいところを」 初美「ふっふっふ、京太郎の弱みゲットなのですよー」ニパーッ 京太郎「勘弁して下さいよ、もう」 初美「でも、“二人だけの秘密”って嬉しいですー。何か、乙女心にくるといいますかー」 京太郎「……本当に秘密にしといて下さいよ?」 初美「わかりましたー。でも、姫様達は笑わないで真剣に聞いてくれると思いますよ?」 京太郎「……そうですかね」 初美「ていっ」デコピンッ 京太郎「いてっ」 初美「ダメダメですよー!人は信じる、これ大事っ!」 京太郎「さ、然様ですか……」 初美「そう言えば京太郎ー」 初美「今日は一緒にこの部屋でお泊りですよー!」 京太郎「えっ」 初美「今日は一緒にこの部屋でお泊りですよー!」 京太郎「いや、二度は言わなくてもわかりますから」 初美「むむむ」 京太郎「むむむじゃなくて。それはさすがにやばいでしょう」 京太郎(主に俺の理性とか) 京太郎「誰かに見つかったらどうするんですか?」 初美「……」 京太郎「黙らないで下さいっ!」 初美「な、なるようになりますよー」 京太郎「ならないですって!はっちゃんは女の子なんですから」 初美「えへへ……」 京太郎「じゃあ俺はここで」 初美「ぎゃーー!待って下さいーー!」 京太郎「腰にひっつかないで下さいよ!ズボンがずれ落ちるー!!!」 京太郎「はぁ……はぁ……」 初美「全く、油断も隙もあったもんじゃないですよー」 京太郎「だから自分の部屋に帰りますってば」 初美「だーめーでーすー」 京太郎「どうして?」 初美「今の京太郎を一人になんてできはしませんー」 初美「落ち着いたとはいえ……京太郎は人のぬくもりをもっと味わうべきなのです」 京太郎「それで」 初美「私と一緒の布団で寝るんですよー」 京太郎「ノーチャン」 初美「な、なぜ!」 京太郎「俺男、はっちゃん女。はい、ファイナルアンサー」 初美「そんな細かなことを気にしたら負けですー」 京太郎「そういう問題じゃないと思うんですけどね……」 初美「い・い・か・ら!明日は早いんですから寝ますよー! ここで寝るまではしがみつきますー!」 京太郎「……め、面倒な人だなあ」 初美「京太郎には負けますよー」 京太郎「……今日だけですよ?」 初美「えー」 京太郎「えーじゃないですよ、こんな所見られたら……」 初美「去勢ですねー、チョッキンチョッキンですよー」 京太郎「やめて!」 初美「ふぁぁ……ねむねむ。京太郎、いい加減寝ますよー」 京太郎「な、何かすごい理不尽な気がするぞ」 初美「はいはい。おとなしくしてくださいねー」 京太郎「うわあっ!抱きつかないで下さいっ」 初美「あったかーい……」 京太郎「聞いちゃいねえ!」 初美「zzz」 京太郎「しかも寝るのはやっ!」 京太郎「……ええいままよ!俺は寝るぞーっ!」 【朝・はっちゃんの部屋】 初美「……京太郎、ずっと一緒ですよー」 京太郎(なんつー恥ずかしい寝言、聞いているこっちが恥ずかしいぞ) 京太郎(しかし、何だかんだで押し切られてしまった……お互い抱き合って寝てるとか何処のバカップルだ) 京太郎(こんな所を誰かに見られたら……) 京太郎(朝勃ちがなくてよかった。もしこんな所を見られたら……)ブルブル コツコツコツ 京太郎(げえっ!誰か来るぞ!!) 初美「京太郎ー」 京太郎(まだ寝てるとかちょ、まっ!) 巴「はっちゃんー。朝だよー」ガラッ 京太郎「あ」 巴「え」 京太郎(ヤバい、巴さんの目が店になっているぞ!) 巴「きょ、きょーちん?どうしてはっちゃんの部屋に?」 巴「というか何で二人一緒の布団で寝てるんですかねぇ……」 巴「これは霞さん行きですねぇ」 京太郎「ま、待って下さい!」 巴「見ちゃったものは見ちゃったものですし……」 京太郎(おいおいおいおい!洒落にならねーぞ!このことが他の人達にバレたら……!!) 京太郎(な、何とか言い訳をしないと!!) 京太郎「巴さん!!!」 京太郎「はっちゃんに捕まったんです、許してくださいなんでもしますから!」 巴「ん?」 京太郎「あ、やばっ」 巴「今なんでもするって言ったよね?」 京太郎「イッテマセン」 巴「かす」 京太郎「許して下さい、何でもしますから!」ドゲザーッ 巴「いや、まあ……そこまでしなくてもいいんですけどね」 巴「そんなことだろうとは思っていましたし」 巴「といいますか、私はかすみん達と違ってそういうのにはおおらかですから」 巴「だから、安心して続きをやってもいいんですよ」ニッコリ 京太郎「やりませんってば!というかそういうことはしてませんっ」 巴「はいはい。今日は夕方からデート、するんでしょう?なら浮気はいけないなー」クスリ 京太郎「仰る通りでございます」 巴「で、そのことは私とはるる以外は知ってるの?」 京太郎「知らないデス……」 巴「睾丸……破裂……仕方がなかった……京子ちゃん」 京太郎「わかりました……後でちゃんと伝えておきます」 巴「うん、そういうことは後出しされると嫌だからね」 巴「それにしても、きょーちん、はっちゃんの呼び名変わったよね?」 巴「これまた深い間柄になったんでしょうねー。ひゅー」 京太郎「ま、まあそれなりに」 巴「ややや。正直ですねー。まあ、私には関係ありませんが」 巴「早く部屋に戻った方がいいですよ。かすみん達が来るかもしれませんし」 京太郎「わ、わかりましたっ!」イソイソ 巴「そういえば午前中は誰と仕事なんですか?」 京太郎(今日は霞さんと仕事かー) 霞「……」ウズウズ 京太郎(何かすっごいふるふるしてるけど大丈夫なんだろうか) 霞(京くんと二人きり……久しぶりの二人きり……) 霞(へ、変な所はないはずよ!ちゃんと、朝にお風呂も入ったし!) 霞(髪もとかして服装も整えたわ。完璧よ!!!) 京太郎「あ、あのー……」 霞(!?) 京太郎「仕事終わったら少し時間貰えませんか?話したいことがあるので」 霞「えっ」 京太郎「駄目、でしょうか」 霞「だ、駄目じゃないわ!」 霞(やだ……もしかして、告白!?お、落ち着きなさい、石戸霞。 京くんは見ての通り朴念仁、そういう行動に出るとは思えない) 霞(冷静になって考えてみるとわかることよ。そうすると、彼が話したいことって?) 霞(やっぱり、告白!?や、やだーーー!私心の準備できてないのよーーーー!!)イヤンイヤン 京太郎(だ、大丈夫なのか、この人) 霞(でもでも!すぐに告白を受けてオッケーを出すのは軽い女って見られるんじゃないかしら? それはいけないわ!付き合いには節度を持ってむかわないとっ) 霞(ま、まずはデートから……?) 霞(それとも、文通から?) 京太郎(……返事はまだですか) 霞(も、もう!!!本当にもう!京くんはいつも私を困らせるんだからっ) 霞(それを知らないで君は……!悔しいなぁ) 霞「わ、わかった……仕事が終わってからでいいのかしら?」 京太郎「はい、それで大丈夫です。あ、それと」 霞(でも、女の違いにわからないとこはやっぱし未熟ね……。 せっかく、衣装も整えて髪型も整えたのに) 京太郎「いつもより綺麗ですね。髪型、似合ってます」ニコッ 霞「……えっ」 京太郎「いやぁ、なかなか言い出せなくて……」 霞「も、もうっ!そういうお世辞を言って!」 京太郎「お世辞じゃありませんよ。俺、霞さんのこと綺麗だって本当に思ってるんで」 霞(卑怯よ、京くんっ!卑怯よ……) 霞(そうやって褒められると、期待しちゃうよ……。 私にもチャンスがあるって) 霞(京くんは無意識かもしれないけど、女の子はそういう言葉には弱いのよ?) 霞(……君のこと、ますます好きになっちゃうじゃない!!!) 霞(……京くんの馬鹿) 霞(甘やかしの馬鹿よ、君は) 霞(でも、好きなの) 霞(その馬鹿な所を含めて、全部) 京太郎「あの……」 霞「何かしら?」 京太郎「聞きたいことがあるんです。この家のことなんですけど」 京太郎「この家の裏にあるでっかい神社の本殿はここが管理しているじゃないですか」 霞「ええ、そうね。あの神社は神代家が管理しているわ」 京太郎「俺、一度も入ったことないんですけど大丈夫なんでしょうか? 何か、色々とお参りとしたほうが……」 霞「その心配はいらないわ。あそこは選ばれた人しか入ることができない神境だから」 霞「京くんが無理に入る必要なんてない」 京太郎「なら、いいんですけど」 霞「だから、絶対に入っちゃだめ」 霞「あの先は神様の領域だから。常人にはちょっと厳しい空間だと思うの」 京太郎「わ、わかりました……」 霞「わかってくれたらいいの。それじゃあ仕事を再開しましょう?」 京太郎(霞さんがそこまで言うってことは何かあるのかな……) 京太郎(いや、やめておこう……) 霞「それよりも仕事を早く終わらせないと」 京太郎「しかし、裏方ってこんなにも大変なんですねー」 霞「それはどの仕事でも言えることよ。表では華々しいものも裏ではすごいんだから」 京太郎「そうですね……よし、頑張ろう!」 【昼・霞の部屋】 京太郎「ありのまま起こったことを説明すると霞さんに拉致られていた」 霞「人聞きが悪いわ。ただ、一緒にお食事しましょうって連れてきただけじゃない」 京太郎「ほぼ強制だった気が……いや、いいですけど」 京太郎「ご飯とかどうします?」 霞「その心配はいらないわ!私が朝作っておいたから」 京太郎「よ、用意がいいですね……」 霞(まずは、成功ね。男の人を掴むには胃袋からって本に書いてあったわ。 コカージスッコーヤの恋愛本なだけあって説得力も十分ねっ!) 京太郎「とりあえず、頂きます。他の皆は」 霞「ほ、他の子達は各自食べていると思うわ!」 霞(ステップ一。ライバルよりも先を行け。悪いけど、先に京くんの胃袋をゲットするわ) 京太郎「そうですか。いやー、俺だけ霞さんの料理を味わうのは抜け駆けかなーって」 霞(ううっ……京くんのキラキラした視線が痛い。で、でもこれで勝負をかけないと!) 京太郎「じゃあ、改めて頂きますっと」ングング 京太郎「……うまいっ」テーレッテレー 霞「そう、よかったっ」 霞(ステップニ。彼にあーん。この前は失敗したけど、今回こそは……!) 霞「きょ、京くん」 京太郎「なんでしょう?」 霞「あ、あ、ああっ。あっ」 京太郎「……?」 霞「アーン!!!」ズビシッ 京太郎「ふごっ!スプーンが口に刺さったあ!」 霞「あ、わわわっ」 霞「こ、こういう時の対処法は……!」 霞(本には……確か、ここは優しさをアピールすることで逆に好感度アップって!) 霞(でもどうしたらいいのよぉ!!) 京太郎「……霞さん」 霞「きょ、京くん?、だ、大丈夫?」 京太郎「それについてはご心配なく。それよりも……はい、あーんしてください」 霞「ふぇ?」 京太郎「いや、だって霞さん手が震えて全然できないじゃないですか。だから、俺が代わりに」 京太郎「昨日、はっちゃん達がやってたのを見てやりたかったんですよね?」 京太郎「俺なんかでよければって思ったんですけど……駄目でしたか?」 霞「う、ううん!!全然平気!」 霞(ま、マズイわ……想定外の事態!苦手分野よ、これぇーーーー!!) 霞(どうしてこういうのは麻雀みたいにうまくいかないのよ!) 京太郎「はい、口開けて下さいー」 霞「……あ、あーん」モグモグ 霞「おいしい……」 京太郎「それは霞さんが作ったから当然でしょう」 霞「そうじゃなくて……あーんされたから、おいしいのっ」 京太郎「そうですか?」 霞「そうなのっ!京くんはもうっ!」 霞(無自覚すぎるのよ、やっぱり甘やかしのタラシだわ! ああ、顔が真っ赤よ……!) 京太郎「あはは……そう言ってもらえて光栄です」 京太郎「では、もう一度しますか?」 霞「……うん」コクン 京太郎「俺で良ければ」 霞「……思ってたより恥ずかしいのね」 京太郎「そうですか?こういうのって友達同士やったりしません?」 霞「それは同性の話でしょう?異性になると、その……」 京太郎「まあ、俺はやってて楽しいですけどね」 霞「もうからかって!」 京太郎「だって、今日だけで霞さんのいろんな素顔を見れたんで」 京太郎「それってすっごい嬉しいことだなーって。霞さんって見ていて可愛いですし」 霞「」ボンッ 京太郎「霞さん?」 霞(か、かかかかかかっかく) 霞「そ、そ、そそそっそなんあことおないわわよ」 霞(か、可愛いって!かかくくぁ可愛いって!) 京太郎「ど、どうしたんですか?顔がやばいことになってますよ?」 霞「だ、誰のせいよ、誰の!」 霞(マズイ、そんなこと一度も言われたことなかったから……すごい、嬉しい) 霞(駄目ね……私、完璧に惚れちゃってるみたい) 霞(はぁ……こうも好きになっちゃうなんてね) 霞(それにしても、こうしてるとまるで私と京くんが新婚さん……! ああ、また顔が赤くなってきたわ!) 霞「……うふふ」 京太郎(何か変なことでも言ったのかな?さっきから顔を真っ赤にしてるし) 京太郎(うーん、どうしたものか) 霞(新婚……初夜……愛しあう……きゃーーーーー!!!) 小蒔「霞ちゃん、失礼しますねー」ガラッ 霞(……ね、寝取り!?小蒔ちゃんに寝取られちゃうの!!) 小蒔「あ、京太郎さん!」トテテテ 京太郎「どうしたんですか?お昼なら小蒔父さんと一緒なはずじゃ……」 小蒔「えっと、それでもお腹が空いちゃって……」 霞(な、何で……ラブラブな夫婦なのにいつの間にかに仮面夫婦!) 霞(いやあああああああああああああああ!!!) 京太郎「霞さんはさっきからどうしたんでしょうか?」 小蒔「具合がわるいのでしょうか……そうでしたら早くお医者様へと連れて行かないといけませんっ) 京太郎(たぶん、違うんじゃないかなぁ) 京太郎「落ち着きましたか?」 霞「わ、私は最初から落ち着いていたわ……」 京太郎(全然そんな感じには思えないけど) 霞「……コホン。それで、小蒔ちゃんはどうしてここに?」 小蒔「まだお昼休憩の時間もあるので遊びに来ました」ニコニコ 霞「そ、そう……」 霞(できればもっと遅く来て欲しかったわ……) 京太郎「そうですか」フアア 霞「あら、京くん。眠いのかしら」 京太郎「そうみたいですね。まるで小蒔さんみたいだ」 小蒔「もうっ、私はそんなに寝ていませんっ」 京太郎「あはは……すいません、霞さん。午後の仕事の時間まで後どれくらいありますか」 霞「一時間くらいはあるわ。朝に昼食を作っておいたからいつもより多めね……」 京太郎「そうですか」 京太郎「寝るにしても枕が欲しいですね……」 霞「……」ピコーン 霞「きょ、京くん?」 京太郎「はい、何でしょうか?あ、そうでしたね、寝るなら自分の部屋でってことですよね」 霞「そうじゃなくて!あー、もう……」 霞(恥ずかしくて言えないわよっ、膝枕してあげようかだなんて) 霞(でも、ここで攻めなきゃ……他の娘達に置いてかれちゃうわ) 霞(勇気をだすのよ、石戸霞っ) 霞「その、ね……別にこの部屋で寝てもいいのよ?」 京太郎「お気持ちは嬉しいですが、霞さんの布団を借りる訳には」 霞「だから違うのっ!膝枕、してあげるって言ってるのっ!」 京太郎「えっ?その、いいんですか?」 霞「私がいいって言ってるからいいのよ!」 京太郎「それじゃあ、お言葉に甘えて……」ゴローン 霞「……ひゃっ」 霞(京くんがこんなにも近くにいる……マズイ、緊張して太ももが震えるわ!) 小蒔「いいなー、私もやりたいですー」 霞「こ、小蒔ちゃんはまた今度ね」 霞(この座は渡さないわ……千載一遇の好機っ、いただくわ!) 京太郎「あー、その……意外と恥ずかしいものなんですね、これって」 霞「えっ」 京太郎「だって、霞さん。顔とか真っ赤じゃないですか」 霞「も、もももう!!!これは違うの、あったかいものを食べたからなのっ」 京太郎「……じゃあ、そういうことに」 霞「馬鹿……っ」 京太郎「はは、でも。馬鹿でよかったっす。俺」 京太郎「霞さんのそういう顔、見れたから」 霞「……」ボンッボンッ 京太郎「それに、すっごくきもち、いいし……」グー 霞(いやあああああああ!さっきからそういうことを自然と言わないでよぉ!) 霞(……穴に入って引きこもりたいわ。全く) 小蒔「……いいなぁ」 大切な人が掌からすり抜け、落ちていく夢を見た。 ぐしゃり。何かが破裂した音が聞こえた。 それは、元々は人間。否、人間“だった”ものという表現が正しいだろう。 ごく当たり前の日常を生きて平穏を謳歌していたはずのありふれた人間だ。 だらだらと流れている赤の河。それは生命の象徴たる、血。 明らかに致死量だった。素人から見てもわかる。 最も、それ以前に人としての原型を留めていないのでそんな判断は必要はない。 腕はひしゃげ、足は破裂し、頭は不恰好なスイカのようだ。 気持ち悪い。グロテスクな肉塊を見て、彼、いや彼女だろうか。 ともかく、それは性別の判別ができない程に壊れていた。 吐いた。死体を汚すなど、やってはいけない禁忌の行為なのに。 吐き出すものがなくなるまで、吐き続けた。 「――――」 “誰か”が咆哮を上げている。 怒りか、哀しみか。 両の瞳からは止めどもない涙を流し、視線は宙を穿つ。 見上げた空に落ちていく。 優しい物語は終演のカーテンフォールを告げる。 アンコールなど存在しない。 死んだら終わり。それは人間の摂理なのだから。 助けてください。“誰か”がピンク色の肉を握り締めて周りに乞う。 ぶちゅり。肉が潰れる音が掌から聞こえてくる。 あれ、おかしいな。まだ生きているのに。“誰か”は薄く笑って肉を掻き集める。 それは耳たぶであり。それは折れた腕であり、それは毛ほども残っていない足であり。 それは固い固い歯であり。それはぶにぶにとした脳みそであり。 それは――何の未来を映していない、瞳。 ぐちゅぐちゅとありったけの人間“だった”ものを集めて叫ぶのだ。 助けてください、と。意味もないのに。 “誰か”は立ち上がる。 そうだ、病院に行こう。病院に行けばきっと助かるはずだ。 あはは。ははは。はははははははは。あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっ。 はははははあひゃひはははゃひゃひゃひひゅひゅふはははははひゃひゃひゃひゃひゃっっ。 ひゃはやははyはははははtyはっygっへfらgrhがえwrsがえrsgvdscthdれ! a。あ。ああっ。ああああぁあぁぁああぁああっ!!! 赤い化粧を塗りつけて。“誰か”は笑う。 人間“だった”ものを抱きしめて。 京太郎「うわああああああああっ!!」ガバッ 霞「きゃっ!」ボインッ 京太郎「あ、ああ……ゆ、夢?」 霞「えっと、どうしたの?突然、顔色が悪くなって起こそうかなって思っていたけど」 京太郎「か、霞さん……?」 霞「ええ、そうよ……っきゃあ!」 京太郎「よかった、無事で……本当に、よかった……!!!」 京太郎「…………よかった、よかったぁ」 霞「……はいはい。私はここにいる。ここにいるから」 霞「君の前からいなくなったりしないから」 霞「だから、泣かないで?ねっ」 京太郎「………はい」 京太郎「すいません、仕事の前にちょっと失礼します」ダッ 霞「あ、京くんっ」 京太郎(やばい、やばいやばいやばいっ!あの夢はやばい!何でかわからないけど、やばいんだよっ) 京太郎(何か、護れる武器を。人を護れる武器をっ!) ドン ???「うおっ!おいおい、前はちゃんと見とかないと怪我するぜ?」 京太郎「あ、すいません……」 ???「まあまあ、落ち着けって。何を慌ててるかどうかは知らねえけどよ……巫女さんがお前のこと、呼んでたぜ?」 京太郎「え、えっ」 ???「その巫女さん、すっげー心配してたぞ?戻ってやれって」 京太郎「でも……」 ???「とりあえずだ。お前が急いでる要件は後にしとけ」 京太郎「わかり、ました」 ???「女を泣かすんじゃねえぞ、色男」ニヤッ 京太郎「えっと」 流「流。俺は秋葉流ってんだ。別の宗派なんだが、用事があってね。立ち寄らせてもらったんだわ」 京太郎「流さん、すいませんでした」 流「俺よりも巫女さんに謝ってやれ。ほら、俺のことはいいから行ってこい」 京太郎「はい!」ダダダダッ 京太郎(今は……少し考える時だ。落ち着こう) 流「……あー。そういや、名前聞いておくの忘れてたわ」 流(まあいっか。どうせ――誰も、俺の風を止ませてはくれねぇんだしよぉ) 京太郎「……」 小蒔父「やあ」 京太郎「えっと、俺を呼んでいた巫女というのは」 小蒔父「私だ」 京太郎「すいません、殴っていいですか?」 小蒔父「ぼ、暴力反対っ」 京太郎「はぁ……まあいいですけど。俺になんの用でしょうか?」 小蒔父「メイド喫茶に行きたいから道連れ要因が欲しいんだ」 京太郎「すいま」 小蒔父「いやいやいや!」 京太郎「はぁ……わかりました」 小蒔父「わかってくれて嬉しいよ。それじゃあ、行こうか」 小蒔父「……道中、君の悩み事を聞くよ」 京太郎「ありがとうございます」 京太郎「夢を見たんです……」 小蒔父「夢を、かい?」 京太郎「はい、実は……」 カクカクジカジカ 小蒔父「誰かが死ぬ夢か」 京太郎「……それも、いやにリアルで、鮮明だったんです」 京太郎「もし、夢の人が俺の周りにいる人だと考えたら……」 小蒔父「ふむ……私は夢を見た君ではないから明確な回答は出せん」 小蒔父「ただ、全身バラバラで破裂しているということは大分懸念を絞ることができる」 京太郎「それは……」 京太郎「リンチによる惨殺……?」 小蒔父「君の見解はそれか……本当にそう思うかね?」 京太郎「集団で鉄パイプでボコボコ叩かれたりノコギリで斬られそうになったり」 京太郎「怖いですからね……」ギリッ 京太郎(そうさ、集団でかかられると逃げられない) 京太郎(畜生……!嫌なことを思い出しちまった) 京太郎「狂った奴等は平気でやりますからね……赤信号、皆で渡れば怖くないってよく言うじゃないですか」 小蒔父「まあ、そうだが……いやに詳しいね」 京太郎「ははは、たまたまですよ。たまたま」 京太郎(……はぁ。アイツら、今は全国大会に向けて呑気にやってるんだろうさ) 京太郎(まあ、それもそうだろうな。なんつったって首謀者みてーなもんなんだから、アイツらは) 京太郎(…………ケッ) 小蒔父「どうしたのかね、須賀君。リラックスだよ、リラックス。 あ、すいませーん!メイドさ~ん!」 京太郎(しかし、メイド喫茶で話すことじゃないな、これ) 京太郎(できることなら……この手でアイツらを――) 京太郎(目には目を歯には歯を。同じ目にあわせてやりたい) 京太郎(やられっぱなしで終われるかよっ!) 京太郎(前までは、そう考えていたんだけどな) 京太郎(はっちゃんにいくらかぶちまけたから気が緩んでるのかな) 京太郎(だけど。アイツらが憎いってのはそう簡単には消えねえ) 小蒔父「いやぁ~~~~、理緒ちゃんは今日も可愛いねぇ~~~~。 さすが、爆裂ロリータの異名なだけはあるね!!」 理緒「はうっ!そんなことありませんよ~~~」 京太郎(うーん、相談する人を間違えたかな……) 理緒「そちらのお客さんもそんな顔をしていないで楽しんでいってくださいね~」 京太郎「あ、はいっ!」 京太郎(とりあえず、今は気を休めとくか……) 小蒔父「ほら、須賀君っ!一緒にリオリオダンスを踊ろうっ」 京太郎(巴さんとかに相談したほうが良かったな、うん) 【夕方・小蒔家】 京太郎「何か午後は小蒔父さんと街で遊んでいただけだったような……」 京太郎「まあ、これも仕事の一種だって伝えておいたよ☆って言われたからいいんだろうけど」 京太郎(いいのかなぁ……これで) 京太郎「先に戒能さんに連絡しておこう」 プルルルルルルル 良子「はい、戒能です」 京太郎「あ、須賀です。どうもー」 ガラッキョウク 良子「少年か、約束通りちゃんとかけてきたな」 京太郎「そりゃあそうですよー。戒能さんとのデートを俺が忘れる訳ないじゃないですか」 エッ 良子「全く、よく口が回る奴だ」 京太郎「そりゃあ綺麗な女性の前では王子様を気取りたいものなんですよ、なんちゃって」 良子「…………ぅ」 京太郎「あれ、か、戒能さん?」 良子「……何でもないっ」 ガラガラピシャッ 京太郎「それでですね、仕事が終わったんで電話したんですけどどうしましょう」 京太郎「俺の方はちょっと用事があってまだ外にはでれません」 良子「そう……用事は早く終わるの?」 京太郎「多分……早く終わるかと」 良子「ならいい。女の人をまたせるのはデートに誘った男としてどうかと思ってるから」 京太郎「ははは、遅れませんよ。では、用事が終わったらまた連絡しますね」 良子「オーケー。シーユー少年」ブツッ 京太郎「…うーん、相変わらずクールな人だなあ」 京太郎「さてと……どうしようか」 【霞さんの部屋】 京太郎「霞さーん、いますかー」トントン 霞「……いるわ」 京太郎「失礼しますねー」ガラッ 霞「…………」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「ど、どうも」 京太郎(な、なんだ。この空気!すごく重いぞ!?) 京太郎(色々と話すことはあるけど何から話そう!?) 京太郎「霞さんって嫉妬深くて怖いです」 霞「……えっ」 京太郎「いやあ、何というか……雰囲気が」 霞「ち、違うのっ!こ、これは嫉妬じゃなくて!」 霞「愛情表現よっ!愛情表現っ!」 霞「その、よくあるでしょう?好きな人にはついついいじわるしたくなるって」 霞「それと同じよ。うん、そうに違いないわ」 京太郎「……えー」 京太郎(というか、俺もしかして告白されてる?) 京太郎(おもいっきり愛情って言われてるんだけどなぁ……) 京太郎(霞さんの無言の圧力も愛情表現なのか?) 京太郎(わかんねーよ!!恋愛関係については昔っからからっきしだしよぉ……) 京太郎「つまり、愛情表現だから嫉妬じゃないと」 霞「そ、そうよ。京くんもわかっているじゃない」アセアセ 京太郎「……ひとまずはそういうことにしておきます」 霞「……」ホッ 京太郎(まあ、いいか。今はそうじゃなくて) 京太郎「あの……俺、これから出かけてくるんで」 霞「そ、そうなの?」 京太郎「はい、戒能さんにお礼も兼ねて食事でも」 霞「ふんふむ……」 京太郎「一応、今日は遅くなるって伝えておこうかと。前は連絡もなかったんで」 霞「そうなの、ちゃんと学習しているのね。」ナデナデ 京太郎「……その、こうしてると。まるで俺が霞さんの子供みたいなんですが」 霞「十月十日、頑張ってお腹の中で育てました」 京太郎「何言ってるんですか」 霞「冗談よ、冗談」 京太郎「という訳の約束です」 霞「そう、わかったわ」 霞(本当はわかりたくないけど……今は我慢よっ) 霞(私は寛容な女の子になるのよ、ここで一歩引くことで私に対してのイメージも変わるはず……) 霞(完璧よ、これで京くんをゲットよ!) 京太郎(んー、本当に大丈夫かなぁ……) 京太郎(一回デートを断った手前もあるしなあ) 京太郎(正直、霞さん達は一緒に暮らしているから一緒に出かけても大したことないと思うんだけど) 京太郎(わからん……こればっかりは女の人に聞くしかないのか?) 京太郎(誰か頼りになる人はいないか?) 京太郎「よし、色々あったけどこれで後の心配はなくなったぞ」 京太郎(戒能さんとも待ち合わせ場所も確認したし万事オッケー) 京太郎(服も普段よりはおしゃれにコーディネート、チャラくない程度にアクセもつけて) 京太郎(まあ、何だかんだでこういうデートって初めてじゃないか?) 京太郎(音楽でも聞きながら行くか……) 京太郎(普通のでいいか……) 京太郎(何だか交通事故を起こしそうな曲だしな、アレ) 京太郎(待ち合わせの場所に辿り着いたら戒能さんがぐっちゃりなんて……) 京太郎(あれ……まさか今日見た夢ってこれか?) 京太郎(ということはもう、安全かな。後は安心して遊べるかなっ) 【待ち合わせ場所】 良子「やあ、少年」 京太郎「どうも。いつものスーツ姿なんですね」 良子「うるさいっ、仕事から直帰だから仕方ないだろ」 良子(私だって出来れば、私服のおしゃれな格好で来たかったさ……) 京太郎「そうですか。でも、似合ってますよ。仕事が出来る女って感じで」 良子「褒めても何もでないぞ……」 京太郎「いえいえ。本心からですよ」ニコッ 良子「……っ」 良子(ぐぬぬ……調子が狂う。私の方が年上なのに) 京太郎「それじゃあ立ち話もなんですし、何処か食べに行きましょうか」 良子「ん。あ、そういえばなんだけど」 京太郎「はい、どうしたんですか?」 良子「いや、知り合いから有名なピアニストのリサイタルのチケットを二枚もらったからどうかなーって」 京太郎「時間はどうなんですか?」 良子「まだ余裕があるから大丈夫。先にご飯を食べてもオッケー」 京太郎「わかりました。それじゃあ開演時間に上手くあわせますか」 良子「……それでなんだけど」 京太郎「??」 良子「これって一応デートなんでしょう?」 京太郎「一応はそういう感じですね」 良子「だったら、その……わからないか?」カアアッ 京太郎「俺にはさっぱり……言ってくれなきゃわかりませんよ」 良子「……手を、つなぎたくないのか?」ボソッ 京太郎「へっ?繋ぎたいんですか?」 良子「ち、違う!少年がデートだって言うからしかたな」ギュッ 京太郎「それじゃあ繋ぎましょうか、『良子』さん」 良子「~~~~~~~!!」カアアアアッ 京太郎「デートなんですよね?それじゃあ苗字呼びは失礼ですよね」 良子「あ。あ、あわっ」 京太郎「ですから良子さんも俺のこと、少年じゃなくて京太郎って呼んで下さい」ニコッ 良子「そ、そんな恥ずかしいことできる訳ないだろっ!!」 京太郎「えー、そうですかぁ?ただ、下の名前で呼ぶだけじゃないですかー。 良子さんってもしかしてそういう経験が」 良子「あ、ある。あるに決まってる!わ、私は――」 「しょ、処女じゃないしっ!!!」 シーン 京太郎「……あのぉ」 良子「処女じゃないから下の名前で呼ぶことぐらいできるっ!」 京太郎「……そ、そうですか」ドンビキ 良子「そ、そうだ!すっげーんだからな、何人もの男をちぎっては投げてきた!」 京太郎「表現がおかしいですよ良子さん!」 良子「私が処女という風潮、ノーウエイノーウエイ」 京太郎「ソウデスネー」 京太郎(周りの視線が痛い……帰りたい……!) 良子「きょ。きょっときょきょっ」 京太郎「もう、いいですから……無理しなくていいんですよ」ニッコリ 良子「だ、駄目だ、それじゃあ不公平じゃないか!」 良子「い、意地でも呼ぶからっ」 京太郎「わかりましたわかりました。とりあえず、ここから離れましょうね」 良子「まだ話は終わってないぞっ」 【喫茶・緑屋】 良子「というわけで私は処女じゃないから」 京太郎「分かりましたって。何回目ですか、その言葉」 良子「仕方ないじゃない。きょ、きょっ!『京太郎』が余りにもわからずやだったから」 京太郎(街中で処女じゃないって叫ぶ人よりはましだとおもうけどなぁ……) 良子「それで、京太郎はなぜこの喫茶店に?」 京太郎「ああ、小蒔父さんにここのコーヒーはおいしいって聞いたんですよ」 京太郎(女の子が可愛いから行ってるんだ~と言ってたことは考えないでおこう) 京太郎「それじゃあ何を頼みますか?」 京太郎「すいません、注文いいですかー」 眼鏡の少女「はーい」 京太郎「このラブラブカップルセット一つで」 良子「なっ、な、なっ!」 眼鏡の少女「うわぁ。お二人さん、彼氏彼女の関係ですか?」 京太郎「それに近い関係ですね」 良子「何言ってるんだ、お前はーーー!」 京太郎「だって、これデートですし。それにカップル割で安いですよ?」 良子「そういうことを言ってるんじゃない!その、恥ずかしいだろう!」 京太郎(さっきのアレのほうがもっと恥ずかしいと思うんだけどなぁ……) 京太郎「ともかく、これ一つ」 眼鏡の少女「畏まりましたー」 京太郎「……そんなに睨まないで下さい。俺、何かしましたか?」 良子「自分の胸に手を当てて聞いてみろ」 京太郎「はて、俺の胸は正直者で嬉しいなーって言ってますが」 良子「一回、心臓を止めてやろうか……?」 京太郎「そんな物騒なことを言わないで下さいよ……」 良子「誰のせいだ、誰の」 京太郎「ちょっとした下心だけしかありませんよ?」 良子「それを駄目だって言ってるんだ」 京太郎「いやいや、これが俺の地なんですって。はるる達の前ではあんま見せないんすけどね」 良子「どうして?」 京太郎「何か、違うんですよ。全員がいい人だってことはわかるんですけど」 京太郎「どうしてだかわからないんです、自分でも。ただ、壁を作っているといいますか」 京太郎「一緒の家に暮らしてるとどうも気を使っちゃうんでしょうね」アハハ 良子「ふむ……ハルが聞いたら悲しむぞ。アイツ、お前に懐いてるし」 京太郎「何ででしょうかねえ……」 良子「何かのオーラがあるんじゃないかな?」 京太郎「んなバカな。俺は凡人オブ凡人ですよ?」 良子「嘘。それは、嘘だね」 良子「君の中には何かが眠っている、そんな気がするんだ」 京太郎(貴方も、照さんと同じ事を言うんですね) 京太郎(そういえば、何でか……思い出せないけど) 京太郎(誰かにすっげーことを言われたような) ――姫様を助けて下さい 京太郎「っ!」ズキン 良子「どうした?突然。苦い顔をして」 京太郎「いやぁ、何か突然頭痛がして」 良子「無理をしているなら帰ってもいいんだぞ」 京太郎「冗談言わないで下さいよ。大丈夫ですって」 眼鏡の少女「お待たせしましたー」 京太郎「辛かったらちゃんと言うんで」 良子「なら、いいんだけどね」 京太郎(それにしても、さっき頭に浮かんだ言葉は、何だったんだ?) 京太郎「ということで食べましょうか」 良子「ちょっと待て」 京太郎「はい?」 良子「これはどういうことだ?」 京太郎「いや、至って普通のエビピラフですね」 良子「それはわかる。だが、どうしてスプーンが一つしかないんだ」 京太郎「一つのスプーンで食べろってことじゃないですかB」 良子「そ、それって……間接キス」ボソッ 京太郎「まあ、交互に食べましょうか。俺もお腹すいてますし」 良子「きょ、京太郎が全部食べていいぞ」 京太郎「そういう訳にはいきませんって。一緒に食べましょうよ」 良子「だ、だって、か、間接キス……」 京太郎「えっ、だって処女じゃなかったらキスぐらいしてるんじゃないですか?」 良子「…………っ」カアア 京太郎「はい、良子さん。口開けて下さい」 良子「なっ……んぐ、美味い」 京太郎「小蒔父さんのオススメ店で正解でしたね。ん、美味しい」 良子「……!」 京太郎「はい、二口目をどうぞ」 良子「で、でも……」 京太郎「早く食べないと冷めちゃいますよ?」ニコッ 良子「うっ……で、でも」 京太郎「まあデートなんですし、今回は!」 良子「……わ、わかった」 京太郎「はい、じゃああーんしてください」 良子「私は子供か!……あーん」 良子「……美味しい」 良子(か、間接キスとはいえ、私の初めて……) 良子(う、私の方が年上なのに……) 良子(この年まで恋愛なんて無縁だったよ、なんて言える訳ないし) 良子「そ、そんなに見るな……」 京太郎「いや、良子さんはやっぱり綺麗だなーって」 良子(……ふっ、私も学習する女だ。もうこれぐらいでは) 京太郎「でも、こうして見てると素の方が可愛いなって」 良子「……!?!?!?!?!」 良子「か、可愛いって」 京太郎「いや、俺ってギャップ萌えでして」 京太郎「良子さんっていつもキリッてしてるじゃないですか」 京太郎「そんな人の素顔を見てると何だか嬉しくて」ハハッ 良子「」ボンッ 京太郎「うん。やっぱり、良子さんは笑っている方がずっと素敵ですよ」 良子「」ボンッボンッ 良子(け、結局全部食べさせてもらった……) 良子(これじゃあ、本当のカップルみたいじゃないか) 良子(確かに、京太郎には感謝している。うちのハルもお世話になっているしね) 良子(でも、ハルは京太郎のことを――) 良子「なあ、京太郎」 京太郎「どうかしましたか?」 良子「お前、ハルのことどう思ってる?」 京太郎「どう思ってるって……友人だと思っていますが」 良子「そうか……」 良子(もし、もしもだ。私が京太郎のことを好きになったら、どうするの?) 良子(ハルに譲れるの?一方白に下がれるの?) 良子(ノーウエイノーウエイ。あり得ない、私が恋するなんて) 京太郎「良子さん、ぼーっとしてどうしたんですか?」 良子「な、何でもないっ。それよりも、食べ終わったんだ。早くリサイタルに行くぞ」 良子(私は……私は、君のことが――) 【リサイタル会場】 良子「着いたぞ、時間は……まだ幾分か余裕があるな」 京太郎「そうですね。それにしても、そんなに有名なんですか?アイズ・ラザフォードって」 良子「何を言うか。彼はピアノ界の寵児とまで言われてるくらい有名だ」 ナルミサーンコッチデスヨーヒッパルナ、ソデガノビルダロ 京太郎「へぇ……良子さんはものしりですね」 良子「これぐらい常識だ。その、なんだ……知らないんだったらこれから知っていけばいい」 良子「私が、教えてやるさ」 京太郎「……はい!」 コナンクーンヒトリデハジラナイノゴメンナサイランネーチャン 京太郎「それにしても、人が多いですね」 良子「そりゃあね。大々的なリサイタルだから。それにアイズ目当ての人も多いだろう」 オイミユキー、ナンデヤロウノリサイタルナンテキカナキャイケナインダヨモンクイワナイノッホライコッ スーパーベンゴシノオレニフサワシイオンガクヲキカセテクレルンダロウネゴロウチャンソレダケノジツリョクハアルカト 京太郎「うわぁ……老若男女選り取り見取りですね」 良子「それだけ人気だって証拠。私も知り合いからチケットを貰わなかったらここにいなかっただろうし」 京太郎「まあ、今日は良子さんとのデートなんで。いい雰囲気にしてくれることを祈りますよ」ニシシ 良子「……バカ」 京太郎「ちょ、それはひどすぎやしませんか!」 良子「バカにバカって言って何が悪い。全く、人の気も知らないで」 良子(自然に手を繋いでくるし……もう、君が見るのはハルなんだよ?私じゃない) ユッキーユッキー!ソンナニレンコシナクテモボクハニゲナイヨ 良子(あそこにいるカップルみたいに、ハルには幸せになってほしい) 良子(ちゃんと大切にしてくれる彼氏を見つけて) 良子(私が、京太郎を奪っちゃいけない) 京太郎「ん?」 良子(きっと、君は素でやってるのかもしれないけど) 良子(私にはすっげー大きいんだよ?) 良子(京太郎……) 【リサイタル会場(別視点)】 初美「うわーーー!すごいですよー!!」 巴「さすが世界を股にかけるアーティストのリサイタルですね」 初美「霞達はお留守番で残念ですねー。でも、じゃんけんの結果ですから仕方がないですよー」 巴「それにしても、ラッキーだね。姫様のお父上がチケットを二枚持っていたなんて」 初美「二枚でしたからみんな一緒は無理でした……」シュン 巴「そうしょげこまないの、はっちゃん。お留守番の二人の分までちゃんと聞きましょう」ドンッ 初美「そうですねー!それにしても、京太郎は何処に行ったんでしょうか?」 巴「あはは……はっちゃんは知らない方がいいと思うな」 初美「む!それはどういう意味ですかー!」 巴「はっちゃんには関係ありませんー」 初美「教えてくれたっていいじゃないですかーーー!」 巴「あはは……」 巴(きょーちん、今頃何処にいるんだか……戒能さんを泣かせていなければいいけど) ――皆、死んでしまえばいい。 【第四章前編復活ただし、悪意End】
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【第三章黒糖の巫女――私が壊れた日Start】 どうせ、誰も愛してくれないのに。 それでも、願ってしまうのは罪なのでしょうか。 愛して欲しいと思うのは間違いなのでしょうか。 ――生きてて、いいことなんてなかった。 ――誰も、愛してくれなかった。 それは、■■■■■が■■■でなくなる前の記憶の断片。 流れ星にそっと祈った。全部、壊れてしまえばいいって。 強く、願ってしまったから。 みんな、死んじゃったんだ。 【第三章一節いつか、届く、あの空に。】 春「……久しぶりに嫌な夢を見た」 春(思い出したくもない過去の夢。もう見るはずないって思っていたのに 春(朝から憂鬱。もう引きこもりたい) 春(そういう訳にはいかないから困るんだけど) 春「とりあえず、起きよう」ガバッ 春(眠い。頭がフラフラする) 春「水、飲みに台所まで行こう」タッタッタッ 【廊下】 京太郎「よっ、おはよう」 春「……!?」 京太郎「どうした、そんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして」 春(ど、どうしよう……まさか、こんな朝から会うとは思わなかった) 春(とりあえず、この前のことを謝らないと……!) 春「好き」 京太郎「は?」 春(あ、慌てすぎたせいで。私、何かよくわからないことを言ってる……!) 京太郎「お前……大丈夫か?まだ寝ぼけてるだろ?」 春「あ……そ、その……」 京太郎「いや、眠いなら無理に喋らなくていいから」 春(違うのに。私が言いたいのは京に謝ることなのに) 京太郎「デリカシーないけどさ。トイレ行くんだったら他の人に付いてもらえ。今のお前じゃ寝ぼけて辿り着けそうにねーぞ?」 京太郎「とりあえず、大人しく部屋にいろって。怪我すんなよ」タッタッタッ 春(あ、このままだと行っちゃう……!何か、言わないと!) 春「あ、ああっ。う……」 春「うげぇぇぇぇぇぇぇ(混乱と緊張と無理矢理何かを喉から捻り出そうとしたことによる嘔吐)」 春(あ、終わった。これ、完全に嫌われた) 春「……ううっ」ゲロマミーレ 春(京、びっくりして逃げちゃったよね?) 京太郎「おい、大丈夫かよ!だから、無理すんなって言っただろうが!」 京太郎「ああ、もう!とりあえず、顔だけ拭いとくからな」フキフキ 春(……えっ) 京太郎「さすがに身体拭いたり、服を着替えさせたりは出来ないから人呼んでくるから」 京太郎「少しの間、一人にするけど我慢しとけよ」タッタッタッ 春「……あっ」フクノスソニギッ 春「やだ」 春「やだよ……」 京太郎「何が嫌なんだ?早く拭かないと」 春「行かないで……っ!」 春「一人は……嫌……っ」 京太郎「……ったく。仕方ねえな」 京太郎「とりあえず、誰か通ったら俺は離れるからな」 春「……京」 京太郎「いいから喋るな。黙って寝てろ」 春(……また迷惑をかけたのに) 春(まだ、謝ることすらできていないのに) 春(京は、どうしてそんなに優しいの?) 春(そういうことをされたら、私……期待しちゃうよ?) 春(京のこと、友人じゃなくて……好きな人として見ちゃうよ?) 春(京のことを考えるだけで幸せな気分になれるんだよ?今の関係を壊して一歩、踏み出しそうになるくらい) 春(だから、これ以上……優しくしないで) 春(もう、自分の気持ちに……嘘はつけなくなるから) 春(京のこと、独り占めにしたくなるから……) 【はるるの部屋】 京太郎「……大丈夫か?」 春「うん。ごめんね、迷惑をかけて」 京太郎「いいよ、これぐらい」 春「違う」 京太郎「違うって何が?」 春「それだけじゃないよ……」 春「私だけを見て……おねがい」 京太郎「おい、はるる?」 春「京……あのね」 京太郎「言いたいことがあるんなら後で聞いてやる。今は大人しく寝てろって。霞さんに頼んで今日のお前の仕事はお休み。 俺は午前中はお前の看病をしとけって言われたし」 京太郎「だから、今はさ。休んどけ。はるるが調子悪いのは俺も嫌だからさ」 春「………………い」 京太郎「ん?どうした?」 春「もう、私は自分を抑え切れない」ガバッ 京太郎「はるる……?」 春「京は私のことをどうとも思っていないけど。私は違うんだよ?」 春「私は、京が…………」 京太郎「……違う」 春「えっ」 京太郎「違う。まだ会って間もないかもしれないけれど。俺ははるるのことをダチだと思っている」 京太郎「お前のことを何とも思っていない。それだけは間違いだぜ」 春「……」 京太郎「まっ、気が合うってのもあるけどなー」ケラケラ 京太郎「だから、ゲロ吐いて迷惑かけたことなんて気にすんな」ナデナデ 春「……っ。」ポロポロ 京太郎「うわっ!何で泣くんだよ!?」 春「だって……嬉しくて」 春「京が私のこと、嫌っているかもしれないって思っていたから」 京太郎「はぁ?んな訳ねーだろ。何言ってるんだ」 京太郎「言っただろ、ダチだって。仲良くなった奴嫌ってどうするんだよ?」 春「で、でも……ゲームの時、私っ。京にひどいこと……」 京太郎「ああ、あれか。別にいいよ。俺だって仕返しにやったし。それでおあいこってことで一つ」 春「やっぱり京、優しい」 京太郎「そんなことねーよ。つうか勘違いすんなよ、今回はたまたまだからなっ。もう、ゲロの処理なんてしねーぞ!」 春「うん。でも、また私が調子悪かったりした時、助けてくれる?」 京太郎「あ、当たり前なんだな」 春「なぜ、口ごもる」 京太郎「ちょっと噛んだだけだっつーの。よいしょっと」ガタッ 春「京、もう行っちゃうの?」 京太郎「ちげーよ。お前の朝飯、作ってくるんだ。食べやすいようにお粥にしねぇと」 春「ありがとう、京」 京太郎「だーかーらー!気にすんなって。お前は病人なんだから大人しく看病されてろ」 春「うん……ふふっ」 京太郎「お前今……」 春「不思議と笑えた。いつもは“笑えない”のにね……」 京太郎「いいことじゃん。女の子は笑った方が可愛いんだしさ」 春「……バカ」 京太郎「バカで結構。じゃあ飯持ってくるまでちゃんと寝てるんだぞ」タッタッタ 春「もう、京は甘やかしすぎる」 春「でも、嫌いじゃない。むしろ……嬉しい」 春「もしかすると、京とずっと一緒にいたら……私、笑えるようになるのかな」 春「きっと、いつかは届くのかな」 ――――全てを壊したあの空に。 【廊下】 京太郎「……」 悪霊(おうおう、臭いセリフ言ってんじゃねぇかよ。思わずアソコが濡れちまったってかぁ!) 京太郎(何言ってるんだっての。アホか、お前) 悪霊(んなこと言っててもよ、あの子、お前に惚れてると思うぜ?) 京太郎(“知ってる”さ。だから――アイツが俺に倒れこむ前に割り込んだ) 京太郎(あのままの状態を続けていると、間違いなく俺に告白でもしていただろうな。 今から俺は力を手に入れる為に動くんだ、余計な荷物は背負わない方がいい) 悪霊(じゃあよ、最初から仲良くならなければいいじゃねぇか) 京太郎(それができたら苦労はしねぇよ。この同じ屋根の下で働くんだ、仲良くなるに越したことはねえ。 完全に割り切ることができないヘタレだって言われたら否定はできないけどな) 悪霊(ハッ。色男は辛いねぇ) 京太郎(茶化すなよ、第一……一種の迷いみたいなもんだろ) 京太郎(霞さんも、はるるも。今まで俺みたいな年頃の野郎と話したこと無いんだろう。女子高通いだって聞いたしな) 京太郎(俺なんかを好きになるってことが信じられねぇっての。大方、男性慣れしてねぇとこに俺が登場! 今まで見たことのない珍獣見て珍しがってるだけだと思うぜ。でなきゃ、ありえねえって、俺を好きになるなんて) 悪霊(……前言撤回だ。テメエ、やっぱ自分のこときちんと見てねぇわ) 京太郎(はぁ?どこがだよ?) 悪霊(さあな。自分の胸に聞いてみろ。ともかく、午前中はあの劣等の世話だろ) 京太郎(そうだな、力の源を捜すのはその後だ。とは言っても、割り振られた仕事をきちんとやってからだけどな) 悪霊(ケッ……めんどくせぇな) 京太郎(しかたねえだろ。怪しまれたらそこで終わりなんだから。アホ話は終わりだ、とっとと行くぞ) 京太郎(さてと、台所に来たけど……) 小蒔父「やあ、京太郎くん。昨日と朝は災難だったね」 京太郎「あっ、小蒔父さん」 小蒔父「いや、まさか初日に悪霊に取り憑かれるとは……体のほうは大丈夫かい?」 京太郎「おかげさまで。俺よりも、今は滝見さんの方が心配です」 小蒔父「そうだね、体調を崩したと聞いて心配したよ。早く良くなってくれるといいが」 京太郎「そうですね。ところで、小蒔父さんはなぜ台所に?」 小蒔父「お腹が減ってね……妻と娘は寝ているから起こす訳にはいかない。 ということで、自分で何か軽く作ろうと思ってここに来たのさ。京太郎君の方はどうしたのかな?」 京太郎「滝見さんが食べやすいようにお粥でも作ろうかと思って」 小蒔父「ほう。やはり君は気が利くな。君みたいな子が小蒔の婿になってくれたらいいんだがね」 京太郎「えっ!?」 京太郎「俺は衣と添い遂げる!」 小蒔父「ほう。あの小さな金髪の子か。確かにあの子は可愛かった。無垢な笑顔、時より見せる艶やかな表情。 それにやられたのだね」 京太郎「は、はい……」 京太郎(この人大丈夫かな……?) 小蒔父「まあ、気味の気持ちもわかる。あの純粋な笑顔、小さな体。それなのに、自分は子供じゃないと言いはる強情さ。 実に素晴らしいと私は思うよ」 京太郎(実はロリコンなんじゃねえかな……この人) 京太郎「まあ、衣さんは可愛いとは思いますけど」 小蒔父「そうだろう、話がわかるね。今度、ちょっと二人でじっくりと語らいたいものだ」 京太郎「まあ、いいっすよ」 小蒔父「はっはっはっ。嬉しいな、こういう話をできる者がなかなかいなくてね。 皆、真面目で困った困った」 京太郎「最初の威厳はどこに行ったんですか……」 小蒔父「そんな威厳など溝に捨ててしまったよ。人生楽しまなくちゃ損だからね。 自分を抑えてては疲れるのさ」 京太郎「そうですね……。っとこうして話している場合じゃないです。さっさとお粥を作らないと」 【はるるの部屋】 京太郎「邪魔するぞー」ガラッ 春「邪魔するなら帰って」 京太郎「わかった、じゃあなー」ガラッ 春「…………」 タッタッタッタッ 春「えっ」 春「…………京」 京太郎「なんてな。冗談だよ」 春「冗談にしてはたちが悪い」 京太郎「何言ってるんだ、お前からやってきたんじゃねぇか」 春「むぅ……」 京太郎「はいはい、膨れてないで食べるぞ」 春「京もここで食べるの?」 京太郎「心配だしな。他の三人は勝手に何か作ってるだろう」 春「そう……」 春(京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり 京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり 京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり京と二人きり) 京太郎「ん?どうかしたか」 春「何でもない。せっかく作ってくれたんだし有難くいただかせてもらう」 京太郎「おう、食べろ食べろ。じゃあ」 「「いただきます」」 春「あつっ」 京太郎「そりゃあ作ったばかりだしな。俺の方も配慮が足りなかったな、悪い」 春「悪いで済んだら警察はいらない」ジーッ 春「京、覚まして」 京太郎「何分か経ったら勝手に冷めるだろう」 春「私はお腹が凄く空いている。この意味がわかるね」 京太郎「しゃーねえ。わかりましたよ、お姫様」フーフー 春「……計画通り」ボソッ 京太郎「全く、手間がかかるお姫様だな」 春「女の子はそういうもの」 春(京のふーふーしたお粥……御飯三杯はいける)フーフー 京太郎「ほい、これで大分冷めたはずだ」 春「ありがとう、京」 京太郎「ったく、今回だけだからな」 春「そうは言っても、京は優しいからやってくれる」 京太郎「俺を頼るな、俺を」 春「仕方ない。京が一番頼りになるんだから」 京太郎「そういうことをさらっと言うんじゃねぇよ。恥ずかしい……」 春(京は優し過ぎる……そうだから私も、ついつい甘えてしまう) 春(やっぱり。私、京のことが……) 京太郎「さてと、飯も食い終わったことだし寝ろよ」 春「えー」 京太郎「えーじゃない。一応看病するという名目で午前は時間もらったけど仕事をしなきゃ申し訳がたたねえよ」 春「でも、夜普通に寝たのに……」 京太郎「それでも、だ。体調が悪い時は寝ないとよくならないからな」 春「……京がそこまで言うならわかった。ちゃんと寝る」 京太郎「よし、いい子いい子」ナデナデ 春「うっ。子供扱いしないで」 京太郎「うるせー。自分の体調をきちんと調整できないんだから子供だ」 春「同じ歳の癖に」 京太郎「そういうツッコミは置いといてくれませんかねぇ」 春「うるさい。口答えしない」 京太郎「ったく、身体は弱ってても口は元気だな」ガタッ 京太郎「それじゃあ、俺は仕事に戻るから。じゃあな、また暇を見つけて来るから」 春「うん……必ずだよ」 京太郎「その保証はしかねるな。まあ、努力はするさ」ガラッ 春「……やっぱり京は甘やかし過ぎ。そういう態度を取るから……」 【廊下】 京太郎「さて。仕事に戻るとは言っても……誰かに聞かねえと」 小蒔「聞かねえと?」 京太郎「そうそう、聞かねえと……って神代さん!?」 小蒔「はい、皆の姫様、神代小蒔ですっ」キラッ 京太郎「……」 小蒔「すいません、ちょっと冗談でもと……」カアアッ 京太郎「と、ともかく!どうしたんですか、こんな所で?」 小蒔「はるるちゃんが心配でお見舞いに行こうと思ったんです……そしたら須賀さんが部屋から出てきて」 京太郎「なるほど。はるるでしたら一応は大丈夫です。作ったお粥も全部残さず食べましたしね」 小蒔「そうですか、良かったです!」 小蒔父「やあ、京太郎君。元気にしてるかい?」ニュッ 京太郎「うおっ!いきなり影から出て来ないで下さいよ!びっくりしたじゃないですか!} 小蒔父「はっはっは、こういう登場にもユーモアがないとつまらないだろう?」 小蒔「もう……お父様はまたっ。お母様に叱られますよ?」 小蒔父「大丈夫だ、問題ない」キリッ 小蒔「そんな事言って……この前もゲームのやり過ぎで注意されていたではありませんか」 小蒔父「ゲームは一日十二時間だからな」 京太郎「もはや半日じゃないですか……仕事の方はいいんですか?」 京太郎「もはや半日じゃないですか……仕事の方はいいんですか?」 小蒔父「それについては心配要らない。追い詰められたら本気になってやるだろうからね」 小蒔父「それよりも、朝の件についてだが、どうかね?君は衣君を好んでいるようだが……」 小蒔「???」 京太郎「言った筈だ、俺は衣と添い遂げる!」 小蒔父「ふっ……野暮なことを聞いたね。君の愛はどうやら本物だったみたいだ。謝らせてくれ」ペコリ 京太郎「いえ、このご時世ですからこういうことを言って疑われるのは当然です」 京太郎(よくわからないけど、衣さんは可愛いしなー。ずっと一緒にいて飽きないし) 小蒔父「私も昔はそうだった……おおっぴらに出来ないことから苦しい思いをしたよ」 京太郎「小蒔父さん……」 小蒔父「それでも、私は曲げなかった。この愛を、誰にも否定なんてさせないと足掻いて抗って……!」 小蒔父「その先に得たものが今の環境だ」 小蒔父「京太郎君、諦めることは簡単だ。だけど、そうしたら夢はそこで終わってしまう」 小蒔父「どんな時でも前を向いて進むんだ、神様は諦めない君を必ず祝福してくれるはずだ」 京太郎「はいっ……俺、頑張りますっ。夢を、諦めないで……絶対っ」 小蒔父「その意気だ。なぁに、苦しくなったらいつでも来い。酒を飲み交わしながら愚痴を聞こうじゃないか」ポンッ 京太郎「ありがとうございましたっ!」 小蒔父「大いに悩んで、そして、前を見るんだ……少年」タッタッタッ 小蒔(一体、何の話をしていたのでしょう……?) 京太郎「そういえば、長々と話していたんで忘れていました。霞さん達がどこにいるか知りませんか?」 小蒔「ふぇ?霞ちゃん達に何か用事でも?」 京太郎「午前中ははるるの看病で自由をもらったんですけど、やっぱり仕事を手伝わないといけないかなって」 小蒔「そうですね……霞ちゃんならさっき、外の玄関にいましたよ」 京太郎「わかりました、ありがとうございます!早速向かってみます!」ドピューン 小蒔「あっ……行っちゃった」 小蒔(できたら、私と一緒に看病しませんかって言いたかったのになぁ……) 小蒔(霞ちゃんみたいに積極的になれればいいのに……もっと仲良くなりたいのになぁ) 小蒔(私だけ立場が違うから……仲良くできないのかな) 【神代家・玄関】 霞「~~~~~~~♪」 京太郎「おおっ、いたいた。霞さーん」 霞「あら、京くん。どうしたのかしら?午前中は、はるるの看病をしているはずじゃ?」 京太郎「そうなんですけどね。思ったより、はるるの体調が良かったんで仕事でも手伝えないかなって」 霞「そう。なら、一緒に玄関の掃除でもしましょうか」 京太郎「そうですね」 霞「うん♪」 京太郎(こうして、ニコニコしている霞さんを見ると、辛い) 京太郎(俺は嘘をついているのに。返事を返す気なんてないのに) 京太郎(気の迷い……そうに決まってる) 京太郎(勘違いするなよ、俺?勘違いして手酷い失敗をするのはもう懲りてるだろ?) 京太郎(……だから、早く――諦めてくれ。霞さん……っ) 霞「そういえば、京くん。今度の日曜日って暇?」 京太郎「あ、はい。一応は予定は入っていませんね。というかまだこの家のシフトを把握していないんでなんとも」 霞「そう……一応私達のグループは土日は休みってなっているの。そ、それでね……」 京太郎「今日は木曜日ですから……まだ少し先ですけど。何かありましたか?」 霞「う、うん。わ、わわっ。私とっ!」 霞「デートしてくれませんかっ!」 京太郎「……え?」 霞「きょ、京くんが嫌だったらいいんだよ?別にしなくても私は……泣かないもん」 京太郎「既に目がうるうるしている霞さんが言っても説得力ないですよ?」 霞「うるさい!そういう細かい部分なんて気にするなっ!」ガーッ 京太郎「あーもう。ちょっと涙が出てるじゃないですかー。じっとしていてくださいね」ハンカチトリダシー 霞「えっ、何するの……きゃっ」 京太郎「はいはい、とりあえず涙をふきましょう。見てられないですから」フキフキ 霞「わ、私はおねーさんなんだよ?自分で出来るから!」 京太郎「涙目のおねーさんが胸張っても説得力皆無です。いいから、そのままでいて下さい」 京太郎「はい、終わりましたよ」 霞「あ、ありがとう……それでね、返事なんだけど」 京太郎(悪霊から助けてくれて……いい人だってわかる) 京太郎(俺があんなことをしても、許してくれた霞さんを疑いたくない) 京太郎(それでも、俺は怖いっ!最後まで信じて裏切られるのは……もう嫌だっ! 最後の最後に……この人も俺を…………裏切る可能性だってあるんだ) 京太郎「あははっ、何言ってるんですか」 京太郎「俺なんかよりも神代さんとか他の人達を誘った方が楽しいですよ」 霞「…………えっ?」 京太郎「この街に慣れてない俺を誘ってくれるのは嬉しいですけど」 京太郎「その優しさは他の人に向けた方がいいですよ?」 ――――何かが壊れる音が聞こえた気がした。 霞「そ、そう……で、でもね」 京太郎「さてと、掃除をしましょうか。早く終わらせないと次の仕事に差し支えますよ?」ニコッ 霞「う、うん」 京太郎(これで、良かったんだ……良くないと、俺が耐えられない) 京太郎(もう、戻れないんだ……今みたいに、自分を守ろうとして嘘をついたことがきっかけで) 京太郎(その嘘を守る為に、更に嘘をついて) 京太郎(勘違いするな、好意を簡単に信じるな。そう、塗り固めて) 京太郎(俺は…………) 霞(どうして?どうしてなの?違うよ、違うんだよ?) 霞(私は同情なんかじゃない。京くんのことが本当に好きなのに……) 霞(京くん、君の何が……私達に壁を作るの?) 霞(あのお風呂場で……君は、強くなりたいって) 霞(その思いは、私達よりも、大事なの?) 霞(私は君にとってどうでもいい存在なの?) 霞(ねえ、応えてよ……最初にあった時みたいに、笑ってよ……!) 霞(今みたいな嘘臭い笑顔じゃなくて……!) 京太郎(……さて、掃除も終わって休憩時間な訳だが) 京太郎(メールが染谷先輩からか。『身体は大丈夫か。わしらのことは気にせんでいいからお前は好きな事をやれ。 いつか、心の底から笑えるようになることをわしは願っているよ』。……本当に、あの人はもう) 京太郎(頭が上がらないよ、貴方には……) 『ありがとうございます、今回に限らず、先輩にはいつも助けて貰ってばかりで…… 私事ですけどこっちでは、気と、趣味の合う友人もできました』 京太郎「よし、こんな所だろう」ソウシンッ 京太郎(帰る時はお土産買っていかなきゃな……) 京太郎(後は、着信が二件) 京太郎(一つは母さんか。もう一つが……照さんか) 京太郎(母さんは後にして照さんに電話してみるか)プルル 照「はい、もしもし」 京太郎「あ、照さんですか。俺です、須賀京太郎です」 照「須賀君か。どうしたの?」 京太郎「どうしたのって……照さんが電話をかけてきたんじゃないですか」 照「ああ、そうだったね。君のことが心配だったから電話をかけたんだけど出なくて」 京太郎「それだったらメールでいいでしょうに。まだ、メールを覚えてないんですか?」 照「メールは難しい……菫は簡単だって言うけど私にはそうは思えない」 京太郎「ただ、文章作って相手に送るだけじゃないですか」 照「それが出来ないから困ってる。須賀君のメールを受け取る事は菫にやってもらってるから大丈夫なんだけどね」 京太郎「……菫さんの苦労を察します」 照「そんな些細なことはいいの。それよりも、元気にしてる?」 京太郎「えーと……」 京太郎「あははっ。元気ですよ、俺は」 照「……嘘。声が上ずってる」 京太郎「そ、そんなことないですよ?」 照「あの時、約束したよね。私には隠し事しないでって」 照「確かに私は頼りないかもしれないけど」 照「それでも、頼って欲しい。君の重荷を少しでも背負ってあげたい」 京太郎「だけど、それだと照さんに迷惑が……」 照「それは君の悪い癖だと前も言ったはず。あんなことがあったら無理もないと思うけど」 京太郎「あーあ。どうやら、お見通しみたいですね」 照「当然だ。私はこれでも君の“姉”になると決めたから」 京太郎「その言葉を言うべきは別の人だと思いますけどね……」 照「そうだね……でも、私も、君も。あらゆる点でもう無理なんだ」 京太郎「照さんは俺と違って間に合いますよ?」 照「それは無理。こうして君と話している時点である意味裏切りなんだ」 京太郎「ままならないですね……」 照「いつだってそうだよ。この世界は、不条理だ」 京太郎「ホント、不条理ですよ。俺に力があればあんなことは起きなかったでしょうし」 照「……そうだね。でも、私は違うって信じてる」 照「君には潜在的な才能があるって。あの場所ではそれを引き出すことが出来なかったっていうだけ」 京太郎「…………」 照「環境が悪かっただけ。君の話を聞く限り、そうとしか思えない」 京太郎「だから、俺は前へと進もうと思って」 照「崖から落ちちゃった」 京太郎「その結末があの、雨の日でしたね」 照「偶然だった出会いだけど。この出会いがなければ私も、君も……立ち止まっていただろうな」 京太郎「傷の舐め合いでも、当時の俺には特効薬でしたよ。感謝してます」 照「私もだよ。このことを知っているのは確か、天江衣さんと君の友人であるハギヨシさん、それと染谷さんだけか」 京太郎「ですね。あまり、周りに広めることでないんで」 照「まあ、広めたら大騒ぎだからね」 照「なにせ――君はあの時、死のうとしたんだから」 京太郎(……思わず休憩時間ずっと電話してしまった。お互いの近況を話すだけでも時間は経つもんだ) 京太郎(鹿児島まで行くからって言った時はどうなることかと……一応は止めたけど) 京太郎(でも、照さんだしなぁ……本当に来そうだからな) 京太郎(来たらどうしよう……もし、何らかの間違いで咲と会ったら――もう、逃げられなくなりますよ?) 京太郎(今のぬるま湯の関係が、壊れちゃいますよ?) 京太郎(俺の狭い世界が更に狭くなっちゃうかもな?) 京太郎(ははっ……何が霞さん達の世界が狭いだよ。俺の方がよっぽどだ、この目に入れてないものが多いのは……俺の方だ) 京太郎(全く……この世界は不条理ですよ、照さん。手を伸ばしたいのか、それとも手を伸ばしてもらいたいのか) 京太郎(俺の本当は……何なんだろうな。力を得る、それだけは正しいって信じてるけど) 京太郎(いつかは届くのかな。最強の称号に。それとも、空みたいに近くても届かないって感じかな) 京太郎「さてと、何だかんだで昼飯だー!」 小蒔父「お、京太郎君じゃないか。今日はよく会うなぁ」 京太郎「あ、どうも。本日三回目ですよ、もう」 小蒔父「はっはっはっ。まあいいじゃないか。それよりもこうして会えたのも何かの縁だ」 小蒔父「一緒に昼食でもどうかな?妻を紹介したいしな」 京太郎「ああ、そういえば未だ会っていませんね、俺」 小蒔父「小蒔も京太郎君と話したがっていたしね。いい機会だ、ぜひ受けてくれないかな?」 京太郎「はい、じゃあお言葉に甘えさせて頂きます」 【小蒔父の部屋】 小蒔父「紹介しよう、私の妻だ」 小蒔母「君が小蒔ちゃんが言ってた須賀君だね~」 京太郎「はい、初めまして。須賀京太郎といいます。この度は挨拶が遅れて申し訳ありません」ペコリ 小蒔母「いいよ~、そんなの。私も堅苦しいの苦手だしね~」 京太郎「そうですか、そう言ってもらえると幸いです」 京太郎(おお……すっげぇ。傍から見ると一児の母とはとても見えねえ。というかちびっ子に見えるぞ……) 小蒔父「うちの妻はそういうのはめんどくせーとか言ってあまり気にしないからな。京太郎君も楽にしてもらって構わないよ」 京太郎(犯罪としか思えないっすよ、小蒔父さん……というかこの母からどうして神代さんみたいな巨乳が生まれたんだろう) 小蒔母「えへへ~。そういうのは夫が全部やってくれるから~」 小蒔父「任せておけ。お前との語らいを増やす為だ……これからも仕事は全て私がやるからな」 小蒔母「もう、貴方ったら~」テレテレ 小蒔父「お前の笑顔があれば、私は何とだって戦える。そうだろう?」 小蒔母「私もそうだよ~。貴方がいるから生きていけるもんね~」 京太郎(うーん、ごはんを食べる前からご馳走様です) 京太郎(あれっ、神代さんが何か寂しそうな目で見ているぞ) 京太郎(まあ、いいや。気のせいだろう) 小蒔(…………)グスッ 小蒔父「ということで私と妻はラブラブなのだよ!」 小蒔母「もう貴方ったら~須賀君が置いてきぼりになるでしょう~」 京太郎「い、いえ。聞いていて楽しい話ですし」 小蒔父「さすが、私の見込んだ子だ。いやあ、須賀さんが体を壊した時はどうなることかと思ったが」 小蒔母「いい子が来てくれてよかったわね~」 京太郎「いやあ、そんなに褒められると照れますよ~」 小蒔父「本当のことを言ったまでだぞ、なぁ?」 小蒔母「そうよ~。須賀君は胸を張っていいんだからね~」 小蒔父「おっと、雑談もここまでにしないとな。食事が冷めてしまう」 小蒔母「そうね~。じゃあ、いっせいの~で~」 「「「「いただきます」」」」 京太郎「おっ、これうまいですね!} 小蒔父「クックック……それは私が作ったものだ」 京太郎「小蒔父さん……あなたっ!」 小蒔父「これでも、私は料理がすごいうまい!」 小蒔母「きゃーーーっ!貴方素敵ーーーーーーーっ!」 小蒔(いいなぁ……須賀さんと楽しくお喋りできて) 小蒔(私もしたいのに……) 小蒔(どうしても、積極的になれないなぁ) 京太郎「うわあっ!?この卵焼き美味いっ」 小蒔父「そうだろうそうだろう!何なら弟子にしてやってもいいんだぞ!報酬は衣ちゃんの写真で」 小蒔母「貴方……衣ちゃんって誰かしら?」 小蒔父「あ」 京太郎「……自業自得ですよ、小蒔父さん」 小蒔(あの後、はるるちゃんに聞いたけど……須賀さんにふーふーしてもらったり) 小蒔父「ご、誤解だ!衣ちゃんっていうのは猫の話なんだ!」 小蒔母「本当に~?」 小蒔父「ああっ、神に誓って言える!」 小蒔(看病してもらったって嬉しそうに話していた) 小蒔母「あっ、そういえば衣ちゃんが貴方に会いたいって来てたわね~」 小蒔父「いやっほおおおおおおおおおおおおおおうう!今すぐ行くよ、衣ちゃああああああんんん!」 京太郎「小蒔父さん、それは罠ですよ!」 小蒔父「えっ」 小蒔(あの時助けてもらったお礼も満足にできていないのに……もっと、須賀さんと仲良くなりたいのに) 小蒔母「うふふ……これはお仕置きが必要ね~」 小蒔父「ひゃあっ!?やーめーてー!」 京太郎「ご愁傷様です……」 小蒔父「京太郎君助けてくれーーーーーーーーー!妻のお仕置きは洒落にならないんだ!」 小蒔母「洒落にならなくするのは貴方なのよ~」ズズズッ 京太郎「さてと、美味しいご飯を食べたことだし仕事仕事~」 京太郎「そういえば、午後は誰と一緒に仕事をするんだろう?確か今日も付けるって小蒔父さん言ってたな」 初美「ということで、午後は私が京太郎につきますよー」 京太郎「お願いします」ペコリンッ 初美「午後は倉庫の掃除と整理をするんで頑張りましょうー」 京太郎「はいっ!」 京太郎(どうしてだか、薄墨さんがいつもより可愛く見える……) 京太郎(うーん、俺に貧乳属性はなかったはずなんだがなぁ) 京太郎(一時の迷いかな?あのぺったんに俺が恋焦がれるなんてありえねぇと思うんだけど) 初美「どうしたんですかー。早く行きますよー」 京太郎(あの笑顔が可愛いって思った俺はちょっとやばいかもしれない) 【倉庫】 初美「じゃあ行きますよー」ガタガタガタッ 京太郎「はーい」ガタガタガタッ 京太郎「やっぱり倉庫だから物が多いですねー」 初美「それは由緒ある家ですからねー。物が多くなることも仕方ないですよー」 初美「うんしょっと」ドスッ 京太郎「ああ、薄墨さん。そういう重いものは俺が運びますから軽いものを運んで下さい」」 初美「大丈夫です、一人で出来ますよー」フンス 初美(ううっ、これ重すぎですよー……)フラッ 京太郎「あっ、危ないっ!?」 初美「ひゃあっ、倒れ……てないですよー」 京太郎「大丈夫ですか、間に合ってよかったです」ダキッ 初美「あ、ありがとうなのですよー」 初美「……ってどこ触っているんですかー!」 京太郎「あっ、ご、ごめん!」 初美「ごめんで済むなら警察はいらないのですよー」 初美「まだ、誰にも触らせたことがないのに……」 京太郎(触る胸はないと思うけどなー) 初美「まったく、デリカシーが無いですよー。プンプンですよー!」 京太郎「す、すいません。以後注意します」 初美「で、でも……助けてくれてありがとうなのですよー」テレッ 京太郎「何言ってるんですか、薄墨さんには色々と恩があるんですから……」 初美「そこまできにしなくてもいいんですよ?」 京太郎「駄目です。そういう訳にはいきません」 初美「京太郎は無駄に背負いすぎですよー?」 京太郎「ははっ、そうかもしれませんね……」 京太郎(ん?何だ、これ?) 京太郎(何か剥製をつなぎとめている槍だけど……) 京太郎(触ってみよう……なにか力を得る機会になるかもしれないし)ピタッ 京太郎(これは……!何かが流れ込んでくる……!) 京太郎(もしかすると、これを持てば……雀力が上がるかもしれない!) 初美「京太郎ー何かあったんですかー」ヒョイッ 京太郎「わぁえっ!?いきなり脅かさないで下さいよ!」 初美「ああ、それはですね~。妖怪を封印しているらしいですよー」 初美「本当かどうかはわかりませんけどねー」ケラケラッ 京太郎「妖怪……?」 初美「もしかすると、これを持てば京太郎も悪霊退治が出来るかもしれませんよー」 京太郎「そんなことしませんってば……というかこの槍引き抜いたら妖怪復活しちゃうんじゃないですか」 初美「あははっ、まさかー。剥製に決まってますよー」 京太郎(本当にそうなのかなぁ……) 京太郎「うーん、なかなか片付きませんねー」 初美「そうですねー。まあ、今日中に終われるとは思っていませんでしたよー」 京太郎「残りは次になりそうですよ、このままだと……」 初美「むーっ!京太郎早く終わらせますよー」 京太郎「ああ、もうっ!そうやって急いだらまたっ!」 初美「あっ!京太郎どいてくださいー」 ドンガラガッシャーン 京太郎「いってぇ……頭打ってないかな……。っと、それよりも!薄墨さん大丈夫ですか?」 初美「何とか、ですよー……」 京太郎「つうか、何だこの重いのは」フニッ 初美「ひゃあっ!?」 京太郎「あれっ……この柔らかい感触は?」フニフニッ 初美「ひゅうっ!い、いつまで触っているんですかー!!!!」 京太郎「す、すいませーーーんってこの俺の胸に乗っかっているのって……」 初美「私ですよー!」 京太郎「は、早くどいて下さい!」 初美「そうしたいのは山々なんですけど……荷物が乗っかって」 京太郎「俺も起き上がりたいですけど、足が何かに引っかかって動けなくて」 初美「ええっ!?ということはしばらくこのままですかー!?」 京太郎「それは困りましたね……巴さん辺りが見に来てくれるといいんですけど」 初美「助けて欲しいですよー」 京太郎(やばい、何でか知らないけど……薄墨さんが可愛くて仕方ない) 京太郎(俺は……俺はロリコンじゃねぇのに!) 京太郎(巴さん、早くきてくれーーーーーーっっ!間に合わなくても知らんぞーーーーーーーーっ!) 初美「……っふぁ……んっ」 京太郎「上でモゾモゾしないで下さいよ、擦れて痒いですっ」 初美「そんなこと言ってもここから早く抜け出さないと困りますよー」 京太郎(上で変な声出してる方がヤバいんですよっ!ああ、もうチラチラ見えるピンク色があああああ!9 初美「やっぱりこのまま待つしかないのでしょうか……」ションボリ 初美「誰かーーーー!助けて下さーーーい!!!」 霞「……はっちゃんの声が聞こえた気がしてここまで来たけど……」ガラッ 初美「ここでーす!霞ーーー!」 霞「ダンボールの転がっている場所から声……?はっちゃーん、何処にいるの?」 初美「ここでーす。ダンボールや物に引っかかって潰されているのですよー……ここは狭くて暑いいのですよー……」 霞「わかったわ……今どかすわね」ウンショット 初美「ぷはーーーっ!外の空気ですよー!」 霞「はっちゃん、大丈夫!一人で怖かった……でしょ………う」 京太郎「はぁ……どれくらい密着していたんでしょうかね」 霞「えっ、何で京くんがここに……」 初美「もう、京太郎がきちんと私を受け止めないのが悪いんですよー」 京太郎「元はといえば薄墨さんが無理に重い物を運んだのが原因じゃないですか 全く、ずっと体を押し付けられて困りましたよ?」 霞「…………えっ」 初美「ふっふっふっ、このはっちゃんバディーで興奮しましたね?」 京太郎「し、しないから!そんな薄い身体をずっと当てられてもなー」 初美「むーーーーっ!あれだけの近距離で私と密着できたんですよー!?」 京太郎「ノーセンキューで」 初美「何でですかー!私と一緒は嫌なんですかー?」 京太郎「いや、そういう訳じゃないですよ。薄墨さんとは仲良くしたいですし」 霞「!!」 霞「ええ……」 霞(私とのデートを断ったってことは仲良くなりたくないの?そういうことを言ってるってことなの?) 霞(京くん……私、もしかして嫌われてるの?) 初美「うりゃーーーっ!」 京太郎「暑苦しいから後ろから抱きつくなーーーーっ!」 初美「にはははははっ!このはっちゃんボディをとくと味わうがいいですよー!」 京太郎「さてと、今日の仕事も終わりか……」 京太郎(そうだ、時間もあることだし……倉庫に行こう) 京太郎(何か、あの槍以外にもてがかりがあるかもしれないしな)ガラッ 京太郎(さてと、探してみるか!) 京太郎(ん?何だこれ?) 京太郎(刀身から鍔まで全部真っ赤じゃねぇか) 京太郎(血でも吸ったのかよって言いたいくらいだぞ、これ) ???「我を……継承せよ……」 京太郎「うわあっ!?剣が喋った!」 悪霊(落ち着け。これはお前の頭に語りかけてるだけだ) 京太郎(どっちにしろビビるわ!) 京太郎(この剣について何か知ってるか) 悪霊(いいや。とにかく、これを取り込んだら強くなれることは確かだな。 声が聞こえるってことはテメエは選ばれたってことだよ) 京太郎(俺が……選ばれた?何の才能もない俺が?) 悪霊(そうだ。それは紛れもなくテメエがつかみとった結果だ。誇れよ、ガキ) 京太郎「……クッ。ククッ」 京太郎「俺が、選ばれた……!いいねぇ、ゾクゾクしてきやがる」 悪霊(ハッ。喜ぶのはまだ早いぜ。それに、すぐに取り込まなくてもいい) 悪霊(もっと吟味してみな。この剣以上に力を得れるものがあるかもしれねぇんだからな) 京太郎(……わかった。とりあえず、これは保留だな) 悪霊(慌てることはねえ。いつでもこの剣は呼べば応えてくれるんだ) 京太郎(ああ、じっくりとやろう。此処から先の領域に行くにはもっと力が必要だからな) 京太郎(何かを捧げる……覚悟が、この先必要なら。俺は選ばなくちゃいけない) 巴「おーい、きょーちーん!さがしたよー!」 京太郎「巴さん。どうしたんですか?」 巴「うん、実はさ。きょーちん晩御飯まだ食べてないでしょう?」 京太郎「はい。今日は何処で食べるのかを聞こうかなって思っていたんですが」 巴「うん、私が言いたいことはズバリそれだよっ!」 巴「今さ、はるるが寝込んでるでしょ。だから、はるるだけ消化に優しい物を作ったんだ」 巴「それで、はるるに御飯持って行ってくれないかな?なんならきょーちんもそこで食べていいからさ」 京太郎「俺と、はるるの二人きりですか?」 巴「うん。こっちはちょっとやることがあるから御飯遅くなりそうだし。 ああ、きょーちんの御飯はちゃんと作ってあるから安心してね」 京太郎「そうですか……わかりました。じゃあ、はるるのとこで食べてきますね」 巴「うんっ。よろしく頼むよー」 【はるるの部屋】 京太郎「という訳で一緒に食べることになった」 春「うん。わかった。京は私と一緒に食べたいってことだね」 京太郎「何でだよ!?いや、確かに強く否定することでもないけどさ」 京太郎「ともかく!お前は病人なんだから大人しくしとけって」 春「えー」 京太郎「えーじゃないっ!自分の立場をちゃんと考えておけって」 春「だって、別に大丈夫だし」 京太郎「大丈夫な奴がいきなりゲロを吐くかっ!」 春「誰だって朝は吐く。京もそうでしょう?」 京太郎「ああ、そうだな……って吐かねえよ!」 春「うっそだー」 京太郎「そんな棒読みで言われても」 春「この通り、私は元気だから」 京太郎「アホか!そうやって無理して倒れたらどうすんだ」 春「京がまた看病してくれるんでしょ?」 京太郎「あのなぁ……俺だっていつまでもここにいるんじゃないんだから」 京太郎「つーか、冷めちまう。いい加減飯食おうぜ」 春「じゃあ、いっせーのーで」 「「いただきます」」 春「さすが巴。美味しいご飯を作る」 京太郎「巴さん何でもそつなくこなすからなぁ」 京太郎「そういえば、はるるって」 春「?」 京太郎「いつも黒糖を食べてるけどさ、どうしてそんなに好きなんだ」 春「トップシークレット」 京太郎「ははは……手厳しい」 春「でも」 春「どうしても、って言うのなら教えてあげるのもやぶさかではない」フンッ 京太郎「何か、無駄に態度がでかいけどとりあえず、お願いしますっ」 春「よろしい。じゃあ話す」 春「この黒糖は従姉妹が私に教えてくれたの」 春「甘い物を食べたら頭に血がきちんと循環する。特に黒糖は風味が豊かでベリーグッドですーって」 京太郎「へぇ……はるるには従姉妹がいたんだな。その従姉妹さんから黒糖を勧められて食べるようになったんだな」 春「うん。戒能良子って人。麻雀のトッププロ」 京太郎「……えっ」 春「私自身も麻雀をやってるからその“才能”が受け継がれてるのかも」 京太郎「…………」 春「何せ、良子さん……中東の元傭兵でイタコであるとか、ソロモン王の力で役満を和了ったという逸話があるくらいだから」 春「だから、その血があるから私にも運があるのかもしれない」 京太郎「……麻雀やるんですか」 春「うん。これでも鹿児島代表」 春「姫様、霞、はっちゃん、巴、私の五人」 春「チームで代表」 京太郎「皆、強いんですか」 春「強いよ。私は一年だから違うけど他の四人は去年も出たよ」 京太郎「全国でも……活躍したんですか」 春「うん。特に姫様はすごかった。神様に愛されてるとしか思えないくらいにバカツキ」 春「霞やはっちゃんも特有の才能があるし、巴も安定して上手い」 京太郎「……全員、才能があって上手いんですね」 春「もしかして、京も麻雀やるの?というか途中から敬語になってる。何か、あった?」 京太郎「ああ、ごめんな。はるる達も麻雀やってるって聞いたら動揺しちゃって……だけど俺は、生憎と非才の身なんで遠く及ばないと思うけど」ニコリ 春「そう。でもやった。今度は京も一緒に遊べるね」 京太郎「いやぁ、俺は弱いから“才能”がある皆には遠く及ばねえって」ニコリッ 春「そうかな?頑張れば誰だって強くなるよ?」 京太郎「……そうじゃねぇから、苦しいんだよ」ギリッ 春「京?」 京太郎「いや、なんでもないよ。羨ましいよ、強いってだけで色々得れるものがあるんだしな」 春「そうだけど……強いって正直“拘ることじゃない”と思うけど」 京太郎『あははっ、そうだよな……ああ、そうだよなぁ』 京太郎『才能なんていらないよな、麻雀はたのしくやるもんだからなぁ……っ』 春「……やっぱり、京おかしい。何かあった?」 京太郎「だから、何でもないって言ってるだろー。とりあえず、この話は終わりだっ。早く残りの飯を食おうぜ」 春「うん」 春(何か、京が動揺することを言っちゃったのかな?) 京太郎(……麻雀は楽しむもの。そうだな、あんなことがなければ今もそう思っていたんだろうな) 京太郎(強くなきゃ誰も認めてくれない。むしろ、馬鹿にされて、叩かれて……) 京太郎(シンパにボコられて、最終的には咲達にも否定されて) 京太郎(強かったら……そんなこともなかったんだ) 京太郎(なかったことにできたんだ) 京太郎(俺だって、取り戻したいさ……あの日々を) 京太郎(でも、もう取り戻せないんだよ。才能に全部塞がれて) 京太郎(せめて、全国大会に出れなくても……個人戦である程度勝ち進めたら) 京太郎(こうなっていなかったかもしれないし) 京太郎(大好きでいれたんだろうな、あの空間を) 京太郎「さてと、飯も食い終わったし。明日も早いし部屋に戻ろう」 コケコッコー 京太郎「朝だ……」ガバッ 京太郎「眠すぎる……」 京太郎(特に携帯をいじっていた訳でもないんだけどなぁ) 京太郎「顔、洗いに行くか」タッタッタッ 【廊下】 京太郎「あ」 春「あ」 京太郎「はよー」 春「おはよう」 京太郎「今日は前みたいにゲロを吐かないでくれよ?」 春「人をゲロ魔人みたいに言わないで」 京太郎「はいはい。で、体の調子はどうだ?」 春「一日休んだおかげで万全」 京太郎「それはよかった」 春「京の方こそ、大丈夫?」 京太郎「何がだよ?」 春「昨日、様子がおかしかったから」 京太郎「気のせいだっての。考えすぎだ」ポンッ 春「なら、いいんだけど」 京太郎「じゃあ、俺は洗面所に行くから」 春「ねぇ、京」 京太郎「何だ?」 春「あのね、私が……私がだよ」 春「私が、明日死ぬかもしれないってなったら、どうする?」 京太郎「最後まで抗う。例え、相手が誰であっても」 京太郎「はるるが死ぬのは、嫌だ」 京太郎(才能があって、麻雀が上手いとしても……はるるは、はるるなんだ。 簡単に嫌いになんてなれるかよ!) 春「じゃあ、期待してもいい?もし、私が死にそうな時、京は助けに来てくれるって」 京太郎「確証はないけど。でも、こういう時は約束、するもんだろ」 春「じゃあ、指切り」 京太郎「ああ、指切りだ」 京太郎「よし、これで 春「そのかわり、私も助ける」 春「京が何に苦しんでいるかは知らないけど。いつか、わかった時は全力でサポートする」 京太郎「……いいのか?」 春「うん、だから――約束だよ」 京太郎「ああっ」 春「そういえば、京」 京太郎「ん?」 春「今日は土曜日。つまり、私と京はお休み」 京太郎「ああ、霞さんから聞いたよ。いきなり休みって言われてもどうするか困ってるんだよな」 京太郎「一応、霞さんからは街に出ないかって誘われたんだけど」 京太郎「他の人達といけばいいと思って断ったんだ」 春(霞……不憫な子) 京太郎「部屋でのんびりしてるかな、久しぶりにボーっとするのも」 春「ね、ねえ。京」 春「あのね……私、今日は街に出てほしいものがあるの」 春「で、でも……ほしいものって結構重いんだ」 春「だからね、荷物持ちが必要なんだけど……京、お願いできる?」ウワメヅカイッ 京太郎「あー、悪い。今日は休もうって決めてるんだ」 京太郎「初めてやる仕事が色々あったから疲れてるってのもあるしな」 春「そう……じゃあ今度、お願いね」 京太郎「まあ、俺で良ければ」 春「うん。京は力がありそうだからこきつかえそうだし」 京太郎「それが目的かよ!?」 春「そうだよ」 京太郎「肯定しやがった、いい性格してるなぁっ!」 春「でも、京を頼りにしてるってことだから」 春「つまり、そういうことだよ」 京太郎「どういうことだっての……」 京太郎「さて、部屋でのんびりしている訳だが……」 コンコン 京太郎「入って、どうぞー」 ガラッ 小蒔「た、たのもーっ」 京太郎「神代さん?どうしたんです、こんな朝早くに」 小蒔「それは朝早く起きれたから須賀さんとお話したいなって」ボソッ 京太郎「俺と話したい?」 小蒔「はいっ!あの時のお礼もあまりできなかったので……」 京太郎「そうですか、なら朝食の間までならいいですよ」 小蒔「ほんとですかー!」パアッ 京太郎「さてと、何を話します?」 京太郎「じゃあ、神代さんのお父さんについて」 小蒔「はい。話すといっても、特にはないですよ?」 小蒔「どこにでもいる優しい父ですし」 京太郎(それはない。あんな人が何人もいてたまるか) 小蒔「ただ、私の方を見てため息をつくのはどうしてかなって思いますけど」 京太郎(ああ、胸か……) 小蒔「で、でも!本当に優しいんですよ?」 京太郎「ああ、はい。それはわかります」 小蒔「ただ、前みたいに部屋には絶対に入れてくれなくなったのはちょっと悲しいです……」 京太郎(大方、エロゲとか隠してるんだろうなあ) 京太郎「まあ、いいじゃないですか。それでも、仲がいいんですから」 京太郎「親子仲がいいのは悪いことではないと思います」 京太郎(親がロリコンでもな) 小蒔「そうですよねっ!」 京太郎「まだ、時間はありますし……どうします?」 小蒔「もっと、お話していたいですっ!」 京太郎「そうですか。それにしても、家族っていいもんですよね、神代さんは結婚願望とかあるんですか」 小蒔「ふぇ?け、けけけけけけっっっこんでしゅか!」 京太郎「何故にそこまで顔を真っ赤にするのかが謎ですけど。ただ、神代さんの話を聞いていて羨ましいなあって」 京太郎「俺には縁がないと思うんですけどね……」ハハハ 小蒔「そんなことないですっ!!!!」 小蒔「須賀さんは自分のことを過小評価し過ぎですっ。本当はとっても優しくて気配りができるのに」 小蒔「そんな須賀さんを好ましく思ってるひとだっているんですよっ!」 京太郎「ははっ……お世辞でも嬉しいです」 京太郎「でも、俺なんかにそんな評価はもったいな「お世辞なんかじゃありませんっ!」パチンッ……え?」 京太郎「神代さん……?」 小蒔「訂正、して下さい。須賀さんはそんな人じゃないです」 小蒔「須賀さん。私と初めて出会った日のことを覚えていますか?」 小蒔「あの時の私は相当参っていました。周りが見えず、全部真っ暗のようにさえ感じていました」 小蒔「誰にも頼らずに逃げ出して。もう、何もかもを投げ出そう。そう、思っていたんです」 小蒔「でも、そうはなりませんでした。貴方が、須賀さんがいてくれたから。私は踏みとどまれたんです」 小蒔「貴方が差し出してくれた手に救われた人がいるんですよ……っ!」 小蒔「貸してくれた服、一緒に食べたアイス、困っている私にくれたアドバイス……全部が私にとっての光だったんですよっ!」 小蒔「それを……っ!“嘘”にしないで下さい!」 小蒔「須賀さんがどんなひどいことをしたとしても、私を助けてくれたことは嘘になりませんっ!」 小蒔「だから――――っ!」 京太郎(俺は……どう、答えればいいんだ?わからねぇ……わからねぇよ) 京太郎「訂正はできません…」 京太郎「神代さんの考えは神代さんのものです。それを、俺は否定して……訂正させることはできないでしょう」 京太郎「……正直、迷っています。進むと決めた道が正しいか。神代さんが言ってくれたことが本当か」 京太郎「だけど……俺の価値観は。やっぱり、どうしても変わらないんです」 京太郎「もう……変えられないんです」 京太郎「凝り固まったものは、もう解せないんです」 小蒔「そうですか……須賀さんは本当に意固地ですね」 小蒔「わかりました。なら、私も勝手にします。勝手に――須賀さんに関わりますから」 小蒔「嫌でも付いていきますから」 小蒔「私は、負けません。絶対に」 小蒔「どんなに時間がかかってもわからせます。貴方の価値は決して小さくないんだって」 小蒔「だから、これからもよろしくおねがいしますね?“京太郎”さん」ニコッ 京太郎(あの後、神代さんはものすごくいい笑顔で帰っていった) 京太郎(神代さんじゃなくて、小蒔でいいですって言われたけどさすがになぁ) 京太郎(だけど……俺のことを、本当に心配してくれる人が照さん達以外にもいるのかもしれない) 京太郎(信じてもいいのかな。ここの人達を。心から) 春「ねえ」 京太郎(だけど、一度変わった考えは簡単に変わらない) 京太郎(俺と神代さんの我慢比べみたいなものか……) 春「さっきから一人で難しい顔してるの」 京太郎「って、うわっ!はるるかよ」 春「はるるかよとは失礼。私への態度が適当」 京太郎「ソンナコトハナイヨ」 春「カタコトになってるよ、京」 春「それでごまかせると思ったの?」 京太郎「全然」 春「もう……本当に適当だね」 京太郎「いいんだよ。こういう冗談でも言わないとやってられないって」 春「ふーん……」 春(京の顔が前と違って少し、明るい) 春(あの麻雀の話をした時みたいに苦しそうじゃない) 春(聞いてみよう) 春「それにしても、京が考え事なんて珍しい。何かあったの?」 京太郎「あー……」 京太郎「神代さんに言われたんだ」 京太郎「俺は、自分を低く見過ぎだって」 京太郎「前にさ、はるるにも言われたよな。でも、俺は信じれないんだ」 京太郎「トラウマがあってさ。それが理由の全部を含んでるって訳じゃないけど」 京太郎「何が嘘で、何が本当か。誰が味方で、誰が敵か」 京太郎「ちょっと、わかんなくなっちゃって」 京太郎「ゴメンな、辛気くさい話で」 春「京、私は約束したよ。全力でサポートするって」 春「姫様だけじゃない。私も、京は自分を低く見過ぎだって思っている」 京太郎「…………」 春「過去は変わらないけど、未来は変えられるよ?」 春「京の過去に何があったかは知らないけど……今は違うよ」 春「皆、いる。京のことをちゃんと考えている人がいる」 京太郎「……」 春「明日」 春「明日の夜。この街にある高台に来て」 春「そこで、証明する。京は決して無価値じゃないって」 春「高台については後で地図で説明するから」 京太郎「……わかった」 京太郎「明日の夜、高台だな」 春「うん、“忘れないで”」 京太郎「……」 京太郎「そういえば、はるるは何で俺の部屋に?」 春「朝食できたから呼びに来た。皆もう待ってる」 京太郎「じゃあ、さっさと行かないと」 春「それじゃあ付いてきて」 京太郎(証明、か。俺の価値を証明って何をするんだろうな?) 京太郎(それにしても、明日の夜に高台か。忘れないようにメモでも書いとくべきかな) 【自部屋】 京太郎「さてと、朝食も食ったことだし。午前中は何をしようかな」 京太郎「忘れないようにメモを書いておかないとな」カキカキ 京太郎「机の上に置いておけば忘れることもないだろう」 京太郎「うん、これで完璧だ。ついでに部屋の掃除もしておこう」 京太郎「今まで溜めておいたツケだな、これは」 京太郎「さてと、昼飯だな。今日の当番は……」 春「私だよ」ニュッ 京太郎「うわあっ!!!!!扉から首だけ出すなよ!」 春「京も言ってたでしょ。冗談でもやらないとやってられないって」 京太郎「まあ、そうだけどさ」 春「ともかく、今日作ったのは自信作だから」 京太郎「そうか、楽しみだな」 春「……ねえ、京」 京太郎「何だ?」 春「私、明日の夜待ってるから」 京太郎「ああ、そのことか。任せておけって」 京太郎「ちゃんとメモも書いたし忘れねえって」 京太郎「そうだな、忘れるとしたら……悪い妖怪が現れてさ。はるるのことを消さない限り」 春「それも冗談?」 京太郎「ああ、ブラックジョークっていうやつだ。実際はありえねえことだけどな」 春「……そうだね」 春「行こう。御飯が冷めない内に食べて欲しいから」ダッ 京太郎「おい、待てよー!」 春「ねぇ、京」 京太郎「何だ?」 春「……私が消えたとしても、捜してね」 京太郎「当たり前だ」 京太郎「どんなに見失っても、忘れても。きっと、思い出して、捜すから」 春「ありがとう。やっぱり、京を信じてよかった」 京太郎「変なはるるだな。大丈夫だって」 京太郎「俺は諦めが悪いからな」 京太郎「大丈夫だって。妖怪が現れても、ぶっ飛ばすから」 京太郎「安心して待っていろ。必ず、迎えに行くよ」 京太郎「これ、新しい約束な」 春「うん、約束」 春「ふふ……二人だけの約束っていい響き」 京太郎「何言ってんだか……」 【自部屋】 京太郎「……食い過ぎた」 京太郎「駄目だ、これはもう動けない」 京太郎「夜眠れなくなるかもしれないけど、今寝とくか」 京太郎「たまには昼寝もいいだろ……」 京太郎「ふぁぁ……よく寝たな」 京太郎(うわっ、もう夜の八時かよ。これは夜は寝れないな) 京太郎(おい、悪霊。どうせお前も起きてるんだろ?徹夜で付き合えよ) 悪霊(ハア?何で?) 京太郎(いいだろ、もうこのままだと徹夜確定なんだからさ) 悪霊(うっぜぇ……わかったよ。どうせ暇だしな) 京太郎(しかし、起こしてくれてもいいのにな。晩御飯食べ損なっちまった) 悪霊(うるせぇな、いいから寝ろよ。無理して目を閉じたら寝れるもんだ) 京太郎(んな、スパルタなことを言うなよ) 悪霊(いいから寝とけって……うるせえんだよ、テメエ) 京太郎(わかったよ、じゃあお休み)パチンッ 京太郎「……朝の目覚めはすっきりだ」 京太郎「それでも、一応顔でも洗いに行くかな」 「今日ものんびりしようかな、特に予定もないことだし」 【第三章一節いつか、届く、あの空に。End】
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※作業中です 本編 始めに オープニング拠点パート 第一層 探索 ボス戦 クリア後拠点パート 第二層 探索1回目 ボス戦 拠点パート 探索2回目前半 探索2回目後半 ボス戦2回目 クリア後拠点パート 第三層 探索1回目 拠点パート 探索2回目 探索3回目前半 探索3回目中盤 探索3回目後半 ボス戦 クリア後拠点パート クリア後拠点パート2 クリア後拠点パート3 第四層 探索1回目 中ボス戦 拠点パート 探索2回目前半 探索2回目後半 ボス戦 クリア後拠点パート クリア後拠点パート2 クリア後拠点パート3 クリア後拠点パート4 第五層 探索1回目 中ボス戦 拠点パート 探索2回目前半 探索2回目後半 ボス戦 クリア後拠点パート クリア後拠点パート2 クリア後拠点パート3 クリア後拠点パート4 クリア後拠点パート5 第六層 探索1回目 拠点パート 探索2回目 中ボス戦 拠点パート2 拠点パート3 拠点パート4 探索3回目前半 探索3回目後半 ボス戦 エンディング EXTRA オープニング プロローグ OP拠点パート1 OP拠点パート2 小ネタ等 本編世界小ネタ 第二層敗北END 淡とデート クリア後夕食会 別世界小ネタ 恋人はマホ 元スレ 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略」【安価】(その2) 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略その3」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略その4」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】「魔物娘と迷宮攻略その5」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略その6」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略その7」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略その8」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略その9」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略その10」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略EX」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略EX2」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘と迷宮攻略EX3」【安価】 【咲×魔物娘図鑑】京太郎「魔物娘とダンジョン攻略EX4+α」【安価】 38~214レスのみ(完結? 【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」霞「その6よ」【永水】
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高校受験で白糸台高校に入学した京ちゃん。 入学式当日に偶然宮永照と出会い、麻雀を通してチーム虎姫のメンバー達と交流を深めていく正統派物。 一周目はあわあわ√で終了、2周目に突入するも 1の都合もあり未完となった。 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART2【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART3【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART4【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART5【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART6【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART7【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART8【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART9【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART10【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART11【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART12【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART13【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART14【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART15【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART16【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART17【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART18【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART19【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART20【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART21【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART22【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART23【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART24【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART25【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART26【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART27【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART28【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART29【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART30【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART31【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART32【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART33【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART34【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART35【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART36【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART37【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART38【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART39【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART40【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART41【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART42【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PATEもといPART43【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART44【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART45【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART46【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART47【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART48【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART49【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART50【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART51【安価】 【咲】京太郎「いざ、白糸台高校へ」PART52【安価】 +参考URL 参考URL http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345038355/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345471172/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345735548/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345974728/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346077038/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346231053/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346312030/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346432141/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346591604/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346751675/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346846417/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347032260/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347190878/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347365242/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347464819/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347541518/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347637658/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347780380/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347887366/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348018657/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348060087/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348326160/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348621345/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348935129/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349249081/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349715045/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349882684/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350235606/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350669983/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351434494/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351650418/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351780835/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351878387/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351963496/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352093611/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352215551/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352352027/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352909006/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353608292/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353867294/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354186128/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354435266/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354647472/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354726002/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354982538/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355241739/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355584636/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355763765/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356027145/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360434927/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361277872/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361545726/
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【第三章二節消えた、約束Start】 京太郎「うーん……何か忘れているような」 京太郎(表現として言えば、喉に魚の骨が刺さっている感覚だな。もう少しで取れそうなのに取れないっていう) 京太郎(忘れるはずがない大切なことだったはずなんだけどな……) 京太郎(とりあえず、飯でも食べながら考えるか。一日は始まったばかりだし) 京太郎(しかしなぁ……“四人”一緒に食事なんて何処のハーレム生活だよ……)タッタッタッ 京太郎「おっと……あの後ろ姿は」 京太郎「あ、神代さんじゃないか。珍しいな……」 京太郎「どうも、おはようございます」 京太郎「今日もいい天気ですね」 小蒔「…………」 京太郎「神代さん?どこか、身体が悪いんですか?」 小蒔「申し訳ありません……」 小蒔「どなたですか?貴方とは初対面のはずですが……」 京太郎「…………えっ?」 小蒔「すいません、何処かでお会いしたのでしたら、謝ります……」ペコリッ 京太郎「…………どういうことだよ」 小蒔「え、えっと!何か怒らせることをしたのなら謝りますっ」 京太郎「何が起こっているんだ?何で、俺のことを、忘れてるんだ?」 京太郎(俺が寝ている間に、何かが起こった?) 京太郎(訳、わからねえよ……どういうことだよっ!!!!) 小蒔「ど、どうしましょう……」 京太郎(ドッキリにしては冗談が悪すぎるぞ……!) 京太郎(しかも、俺のことを本当に忘れている……?う、嘘だろっ!)フラッ 京太郎「あ、あ……ああっ!」ダッ 小蒔「ちょ、ちょっと待って下さいーー!!!」 京太郎「はぁ……はぁ……」 京太郎「うっ、がっ……おぇぇ……」オロロロロロロ 京太郎(畜生……畜生!!!!どうして、こんなことになってるんだよ!?) 京太郎(俺が世界から取り残されたみたいで……怖い) 京太郎(ということは……他の人も俺のことを忘れている?) 京太郎(霞さんも、薄墨さんも、巴さんも、小蒔父さんも?) ――――■■■。 京太郎(ぐっ……違う。もう一人。もう一人いたはずだ) 京太郎(名前は覚えていないけど、いたはずなんだ) 京太郎(大切な、友達がいたんだ!!!!) 京太郎(……このまま、何もしないって訳にはいかない) 京太郎(そこにいるはずだった友達。俺のことを忘れてしまった神代さん) 京太郎(何かがつながっているはずなんだ) 京太郎(昨日の夜、何が起こったか調べないといけないな) 京太郎(それに……自分の身も注意しておかないと。もしかすると、俺を陥れる為の罠かもしれないし) 京太郎(とりあえず、落ち着いて思考をまとめよう) 京太郎(昨日まではいつも通りだったはずだ) 京太郎(俺の頭の中には神代さんと一緒に喋った記憶が残っている) 京太郎(だけど、それだけだ。それ以外は何も覚えていない) 京太郎(何でか知らないけど、昼食を食べた後眠くなって寝たんだよな) 京太郎(その後、起きて……もう夜だったからいっそのことずっと寝てしまおうって) 京太郎(やっぱり、記憶に空白が多い。その空白の中にきっと大事なことが隠されているんだ) 京太郎(……おい、待てよ?) 京太郎(そういえば、いつも纏わりついている悪霊の気配がない) 京太郎(まさか……アイツが仕組んだことなのか、これは?) 京太郎(だとしたら、俺や神代さん達に記憶が無いのは納得できる) 京太郎(……俺が寝た後、アイツはこっそりと行動したのか?) 京太郎(それなら、辻褄があう。チッ、全部自分で撒いた種じゃねえかよ!) 京太郎(なら、俺がケリをつけるのが道理ってことか。やってやろうじゃねぇか!) 京太郎(考えはまとまった。まずやるべきことはアイツの居場所を突き止めて、ぶっ飛ばす。 その為に必要なのは武器か……) 京太郎(確か、倉庫にはこの前見つけたものがあったはず。槍は持ち運びに不便だから剣の方にすべきかな) 京太郎(それと、忘れてしまった人達に聴きこみをするのも悪くはない) 京太郎(何か情報が得れるかもしれないし、もしかするとアイツから逃れて記憶を保っている人がいるかもしれない) 京太郎(後は、行動あるのみだな) 京太郎(一応、情報収集してみるか……) 京太郎(誰に聞くべきか。うーん) 京太郎(神代さんの記憶が無いってことは他の三人も奪われているって仮定した方がいいかな) 京太郎(その理論だと小蒔父さんはシロの可能性は霞さん達と比べると高い) 京太郎(っと。そういえば、ここの部屋って巴さんのだったっけ) 京太郎(通りがかりだし、ついでに聞くのも悪くないかな) 【巴の部屋】 コンコン 巴「どうぞー」 京太郎「し、失礼します」 京太郎「俺、須賀京太郎ですっ!俺のこと、覚えていますか?」 巴「え、ええっと誰でしたっけ?」 巴「さすがに知らない人を知ってるって言えないかな?」 京太郎「……そうですか」 京太郎(やっぱり、駄目だったか) 京太郎「すいません、変なことを聞いて。失礼しま」 巴「――――なんてね。冗談は、ここまでにして。君のことは覚えているよ、きょーちん。そして、はるるのこともね」 巴「まず、きょーちんが喪った記憶は一つ。はるる――滝見春についてだね」 京太郎「滝見春……その子が俺が忘れてしまった友達ですね」 巴「そう。そして、今は行方不明になっている子」 京太郎「えっ?」 巴「朝からいなくなっているんだよ。この屋敷の人達全員に婢妖って妖怪を取り付けて」 巴「つまり、言うとね。この騒動の犯人は滝見春。これはほぼ間違いない事実だよ」 京太郎「滝見さんが……犯人?」 巴「あー、そういえばきょーちんもやられていたんだっけ。きょーちんの部屋にも結界を張っておくべきだったなぁ」 巴「まっ、いいか。どうせ、今殺しちゃうんだし。ていっ」ペタン 京太郎「うおっ!」 婢妖「ゲギャー」 巴「出てきたね。さてと始末始末っと」 巴「滅せよ――禁」 京太郎「……あ」 巴「これで、きょーちんの記憶は戻ったはずだよ。どうかな?」 京太郎「……はい。全部、思い出しました」 京太郎「はるるのことも、約束も」 京太郎「取り戻しました」 巴「よし、これできょーちんは万全だね」 京太郎「でも、なんで巴さんだけが無事なんですか」 巴「んー?それは私だけが皆と違うからだよ」 巴「他の人達はこの屋敷は強い結界を張っているから安心だーって言ってるけど」 巴「そんなの信用出来ないんだよ。自分の身は自分で守らなくちゃ」 巴「婢妖が活動しているのは夜でよかったよ。この部屋の外にいたら私もやられていたと思うし」 京太郎「そうなんですか?」 巴「うん。私も万能じゃないからね、最初の一撃でやられちゃったらお終いだよ」 巴「部屋にいたおかげで、結界に弾かれて婢妖は入れない。後は簡単、殺して終了ってこと」 巴「とまあ、私の話はともかく。今の目的は違うでしょ?」 京太郎「はい、はるるに会いに行きます。元はといえば、俺が原因なんで」カクカクジカジカ 巴「へぇ……そういうことがあった訳か。それではるるに悪霊が取り憑いたってことね」 京太郎「自分のミスは自分で取り返します。必ず、はるるを助けに行きます」 巴「その意気だよ。でも、丸腰じゃあ危ないよね?」 京太郎「それについては倉庫に槍や剣があったんで持って行こうかと」 巴「でも、それを使ったら代償を祓うかもしれないよ?」 京太郎「覚悟の上です」 巴「……仕方ないね。なら、私は止めない。だけど、これを持って行きなさい」 京太郎「この、六角形の金属は……?」 巴「ああ、核鉄って言うんだ。これは不思議な金属でね、身体に当てると傷が少しはよくなるんだよ」 京太郎「そんな重要なものをどうして、俺に?」 巴「だって、戦うんでしょ?悪霊と。なら、命があるとは思えないから持っときなさい」 巴「死んだら何も出来ないんだからね……」 京太郎「わかりました。わざわざありがとうございます」 京太郎(さてと、これからどうしよう?一人で行く覚悟はあったけど巴さんにも来てもらおうかな? この際、恥だの言ってられないし) 京太郎「巴さん、恥を承知でお願いがあります」 巴「ああ、言いたいことはわかるよ。付いてきて欲しいってことでしょう?」 京太郎「……すいません。自分一人でかたをつけるって言ったのに」 巴「無理もないよ。こんな経験は普通はありえないし」 巴「いいよ。私も手伝う。きょーちんに死なれたら気分悪いし」 京太郎「ありがとうございますっ」 巴「その代わりと言ってはなんだけどさ。 もし、はるるも含めて……三人揃って無事に生きて帰ることができたら街に付き合ってくれない?」 京太郎「それぐらいならお安いご用ですよ」 巴「やったっ。お姉さんが奢っちゃうよ?サーロインステーキにパインサラダってのはどうかな?」 京太郎「それは楽しみですね!意地でも生き残らないと」 巴「そうそう。私も、きょーちんも、はるるも。まだ死ねないよ」 京太郎「約束ですよ。約束」ユービキリゲンマン 巴「うん、約束」ユービキッタ 京太郎(さてと、部屋に戻ってきた訳だが) 京太郎(明日の夜に高台まで。一応メモを書いてたんだな、俺。 これなら巴さんに助けてもらわなくても何とかなったかもしれない) 京太郎(さてと、これから闘いに行くんだ。万が一のことがある。だから……遺書でも買いておこう)カキカキ 京太郎(俺が死んでも混乱しないように。きちんと書かないとな) 京太郎(生きて帰れたら必要がないんだけどな。念の為だ) 京太郎(さてと、書き終わった……って電話か。知らない番号だけど、一応出とくか) 京太郎「はい、もしもし」 ?「……」 京太郎「えっと、どちら様でしょうか?」 ?「……記憶は戻った?」 京太郎「ああ。思い出したぜ、全部な」 ?「それは、よかった」 京太郎「お前の方こそ、今どこにいるんだよ?」 ?「教えない。教えたらすぐにでも来るでしょう?」 京太郎「当たり前だろ」 ?「全く、京は相変わらずの甘やかしーだね」 京太郎「これは甘やかしでもないだろ。ダチが心配で何が悪い」 京太郎「いいか、これだけは言っておくからな」 京太郎「必ず、迎えに行く。手を引っ張ってでもこっちに連れてくるから覚悟しとけ」 ?「じゃあ、私からも一言」 ?「ジャアネ」 ?「もう、終わりにするから。何もかも」 ?「だから、必ず来て……”ワタシ”は待っているからね」ブツン 京太郎「……終わりになんてさせはしないさ。絶対に」 京太郎「始まりなんだ、これからが俺達にはあるんだ」 京太郎「そうだろ、はるる……」 京太郎(例え、お前が終わりにしようとも。俺は、終わらせない) 京太郎(この出会いを終わらせない、それが、今の俺の意志だ) 京太郎「そうだ、この際倉庫に行って何か取ってこよう」 京太郎「もしかすると、新しい武器が手に入るかもしれないし」ガラッ 京太郎(あの槍と剣のある場所はわかるけど……どうしよう?) 京太郎(ん?何かこの短剣から不思議な力を感じる……) 京太郎(とりあえず、持っていくか。後で、巴さんに聞いておけば解決するだろうし) 京太郎(それにしても、最近は力が欲しいかって声も聞こえなくなったなあ) 京太郎(俺も、甘くなったのかもな……)シミジミ 京太郎「さてと、行きましょうか」 巴「そうだね……二人だけの出陣ってやつかな」 京太郎「寂しいことに。けれど、これ以上は巻き込めませんよ……皆記憶がなくなっていますし」 巴「全く……修行が足りないよ。こういう時に私達は動くべきなのに」 京太郎「ははは……ともかくです。三人無事に生きて帰りましょう。死んだら洒落になりません」 巴「きょーちんはどうして雰囲気を悪くするかなぁ……そういうことを言うものじゃないよ」 京太郎「巴さんだからこそこういうことが言えるんですよ」 巴「それって、もし女の子の中で付き合うなら私ってこと?」 京太郎「どうしてそうなるんですか……」 巴「女の子はこういう話が好きなの。私もそれに違わず。で、どうかな?優良物件だよ~私」 京太郎「巴さんに言うのは初めてだったか?俺は衣と添い遂げる!」 巴「うわぁ……ロリコンだったか、きょーちん」 京太郎「ロリコンじゃありません」キリッ 京太郎「ただ、できる限りずっといるとは約束したので」 京太郎「俺の方が世話になりっぱなしで恥ずかしいんですけどね。本当は逆なはずなのに」 京太郎「だから、その分を返す為にも一緒にいようかなって。苦しい時に傍にいてくれたあの子の友達として」 巴「ほうほう……何やらただならぬ事情ってやつがあるのかな?」 京太郎「今は言う勇気がありませんけど……いつか、話します」 巴「うん。待ってるよ」 京太郎「さてと、高台がある公園に辿り着いたわけですが」 巴「いるね……それも、たくさん」 京太郎「正面場ってやつですか、これ」 巴「何言ってるのさ。まだまだ道程は長いよ」 巴「最初に通り過ぎる並木通りは雑魚の溜まり場。正直言ってノーダメで切り抜けたいくらい」 京太郎「できるんですか?」 巴「私一人だったら可能だね。きょーちんを護りながらだったら無理」 京太郎「……すいません、足手まといで」 巴「気にしないでよ。ともかく、いくつかプランを考えたからその中から選んでちょーだい」 巴「何か新しい案があるなら聞いてもいいけどね」 巴「まずはプラン烈火。簡単に言うと、二人で正面突破。策っていうレベルじゃないね」 巴「正直、これはおすすめしない。どっちも傷ついて後々に響くと思うし」 巴「それでも、二人が離れないって点ではいいのかもしれないね」 巴「次にプラン水鏡。私が囮になって雑魚を惹きつける。きょーちんは一人その先に進むって訳」 巴「うーん……これがいいのかなぁ。一応、きょーちんを無傷で悪霊のとこまでは送り出せるし」 巴「一応、閻水と核鉄の使い方を教えたから簡単には死なないと思うけど」 巴「雑魚敵の相手をしないってことは魅力的なのかもしれないね」 巴「プラン土門はその……私が作る認識阻害結界を利用してこっそりと抜けること」 巴「ただこれは、止めておいた方がいいかもしれないね」 巴「……ずっと手をつながないといけないって恥ずかしいよ」ボソッ 京太郎「巴さん?」 巴「ともかく!これは提案しておいてなんだけどやめるべき」 巴「見つかったらフルボッコで死んじゃう可能性高いし」 京太郎(巴さんと手をつなぐことはすごく嬉しいことだけど命には替えられないなぁ……) 京太郎(でも一時の衝動に任せるのもありかもしれないし) 巴「次行くよー、次。プラン風子。これは至って簡単。助っ人呼びます」 京太郎「えっ!」 巴「確か、ハギヨシさんって方が妖魔の討滅の経験があるらしくて」 京太郎(あの人は一体何をやっているんだ?) 巴「ただこのプランはねぇ……関係もないハギヨシさんを巻き込むから良心がすごく痛むね」 京太郎(確かに。それを言ったら巴さんもだけど。何か、狂気度が上がるとかいうアナウンスが聞こえたし) 巴「ハギヨシさんが加わったら悪霊や雑魚敵との闘いも楽になりそうだけど」 巴「最後にプラン小金井。これは二人でのんびり雑魚敵ぶち殺し。その後に悪霊との対決ってことよ」 京太郎「それが一番いいんじゃないんですか?」 巴「初めはそう思うだろうけど。この闘いってタイムリミットがあるのよ」 京太郎「そんな事聞いてないですよ!」 巴「だって、今気づいたからね。ともかく、このプランを選ぶとかなりキツキツで余裕が無い」 巴「だから、ミスは許される空気ではなくなるね」 巴「まあ、ちょっとのミスは許されるけど」 京太郎「じゃあ、俺みたいな素人だと……」 巴「失敗する確率も増えるし、ヤバいかも」 巴「ともかく、この5つのプランの中から決めるべきかな」 巴「きょーちんは何かプランがある?」 京太郎「俺は……」 京太郎「とりあえず、プラン水鏡と風子にしぼりました」 巴「ほうほう。それで?」 京太郎「後、俺から一つ。水鏡と風子を加えたプランなんてどうでしょうか?」 京太郎「ハギヨシさんを呼んで、巴さんとハギヨシさんで囮になるか。それとも、俺に誰かつくか」 巴「確かに、それもアリっちゃアリだと思う。だけど……」 京太郎「そうですね……良心の呵責があります」 京太郎「プラン風子でいきましょう……やっぱり、二人では危険です」 巴「確かにね……でも、これで生きて帰らなくちゃいけない人が四人に増えちゃったね」 京太郎「大丈夫です、矢面には俺が立ちます」 京太郎「はるるを助けるのは俺です。それだけは譲れません」ピポパ プルルルルル ハギヨシ「はい、もしもし」 京太郎「あ、ハギヨシさんですか。俺です、須賀京太郎です」 ハギヨシ「ははは、電話番号を登録しているのですからわかりますよ。それで、こんな夜にどうしたのですか?」 京太郎「すいません、助けて下さいっ……!」 ハギヨシ「何やら、ただごとではないようですね……」 カクカクジカジカ ハギヨシ「なるほど、悪霊が滝見様を連れ去ったと」 京太郎「はい、それで俺と巴さんで奪回に来ているんですけど。とてもじゃ、戦力が足りないんです」 京太郎「こんなことを頼むのは間違っているってことは承知です。だけど、今のままじゃ俺達は突破できそうにない!」 京太郎「お願いします!助けてくださいっ!」 ハギヨシ「……須賀君」 京太郎「ハギヨシさん」 ハギヨシ「私は言ったはずです。友の助けならば、すぐにでも駆けつけると」 ハギヨシ「すぐに向かいます。それまでに作戦の概要を決めていて下さい」 京太郎「ありがとうございますっ!」 ハギヨシ「礼なら今度龍門渕の別荘に来て、衣様達の料理の手伝いをしてくれればチャラです」 ハギヨシ「友達の力になるのに何の迷いがありましょうか。では、また後に」 京太郎「ふゥ……」 巴「来てくれるんだね?」 京太郎「はい……」 巴「きょーちん、あまり自分を責めないの。背負い過ぎると、潰れるよ?」 巴「だから……私も一緒に背負うから」 巴「それで重さは半分こ。動きも軽くなる」 京太郎「すいません……」 巴「違うよ。こういう時は、ありがとう。それでいいの」 京太郎「はい、ありがとうございます」 巴「よろしい。じゃあ、作戦を練ろうか」 巴「作戦って言ってもどう人数を分けるかってだけなんだよね」 1囮組(巴、ハギヨシ)突入組(京太郎) 2囮組(巴)突入組(京太郎、ハギヨシ) 3囮組(ハギヨシ)突入組(京太郎、巴) 巴「大きく分けて3つね」 京太郎「俺は囮組に入れないんですか?」 巴「そんな余裕はないと思う。タイムリミットがあるから」 巴「夜が深まると、悪霊の力も高まる。そうなったら手が付けられなくなる」 巴「だから、早めに決着を付けないといけないのよ」 巴「ということで、決めちゃおうか」 巴「じゃあ、私とハギヨシさんでできるだけ雑魚敵は食い止めるから」 京太郎「その間に俺ははるるを助ける」 巴「そういうこと。頼むよ、きょーちん」 ハギヨシ「囮の件、理解しました」シュタッ 京太郎「うわあっ!ハギヨシさん!」 ハギヨシ「こんばんは、須賀君。助けに来ましたよ」 京太郎「ありがとうございます……わざわざ来てくださって」 ハギヨシ「今はそのようなお礼を言う場面ではありません。その言葉は、滝見様を助け出してから受け取りますよ」 京太郎「はい……今は前を見ます」 ハギヨシ「その意気ですよ」 巴「あー。ハギヨシさん、私と一緒に囮ってことで大丈夫ですか?雑魚敵はわんさかだからたぶん討滅しきれないと思います。 ですから、きょーちんがはるるを助けるまでは闘いっぱなしになることは確定なんですけど」 ハギヨシ「終わりのない闘い、ですか。こういう役割は慣れているので」 巴「……わかりました。頼りにしてますよ?」 ハギヨシ「それはこちらの台詞です。こうして言葉をかわす時間も惜しいのです。行きましょう」 京太郎「了解です」 巴「生きて、帰るよ。絶対に」 ――――戦闘開始! 巴「それじゃあ、散ッ!」 ハギヨシ「ふむ……数だけは多いですね」 京太郎「よし、巴さん達が囮になっている間に突っ切るぞ!」 京太郎「うっし!今のうちに!」ダッダッダッ 京太郎「巴さん、ハギヨシさん。頼みます、俺が帰ってくるまで無事で!」 巴「さてと、きょーちんが行ったから私達も遠慮せずに戦えますね」 ハギヨシ「ええ。彼には敵の手が届かないようにしないと」 巴「言いますね。まあ、後輩の道を切り開くのも先輩の役目でしょう」 ハギヨシ「それじゃあ、やりましょうか。果たして、生きて帰れるのでしょうか。 プロフェッショナルの狩宿様とは違って……私はあくまで、執事ですから」 巴「そんな無駄口を叩ける余裕があるなら大丈夫です。できるだけ、足止めしますよっ!」 京太郎(はるる……) 京太郎(俺は、甘いのかもしれない) 京太郎(はるるを見捨てていたら、こんな目に合わなかった) 京太郎(真実に気づかなければ……普通は経験しないだろうことに巻き込まれなかった) 京太郎(はるると仲良くしなければ……命は助かっただろうな) 京太郎(だけど、俺は!) 京太郎(はるると仲良くなったことを後悔していない!) 京太郎(約束したんだ、互いに助け合うって。約束は、守るさ) 京太郎(それに、これは……俺の不始末だ。俺がやるべきことだ) 京太郎(だから――) 京太郎「そこをどけよ、悪霊」 悪霊「テメエ一人か。舐められたもんだ」 京太郎「まあ、お前ははるるに取り憑いてるんだ、当然、立ち塞がる訳だよな」 悪霊「そりゃあな。諦めろよ、テメエはここで終わりだ。俺が喰って成り代わる」 京太郎「御託はいい。俺が言いたい、やりたいのは唯一つだ」 京太郎「押し通らせてもらう。約束を果たす為に」 悪霊「ハッ。こうなったら、戦うしかねぇよなぁ。人間ってやつはそういうもんだろ?」 京太郎「御託はいいって言ったぜ、俺は!」 一ターン目終了。 ダメージ換算。 69+3+2=74 1500-74=1426 京太郎……1430 悪霊……1426 悪霊「ほう、少しはやるじゃねぇか」 京太郎「ぬかせ。こちとら必死なんだよ。こんな所で躓いてられるか」 京太郎「こうしている間にはるるに危険が及ばないとは限らねえ」 京太郎「なら、早く倒さないと」 悪霊「ほう……だが、いいのか。俺を倒すと才能を得る手がかりがなくなるぜ?」 京太郎「それは……」 悪霊「なら、あの女を見捨てて俺と手を組んだ方がいいんじゃねぇのか?」 京太郎「本当に才能を得られるんだな」 悪霊「ああ」 京太郎「もう誰にも見下されなくなるんだな」 悪霊「当然だ、テメエを馬鹿にする奴等を全員跪かせることができるぜ?」 京太郎「だが断る」 京太郎「一度騙しておいて信用できる訳ねーだろうが」 悪霊「だけど、あの才能をかざして我が物顔なあの巫女共よりはいいだろ? あの黒糖巫女だってそうじゃねぇのか?」 京太郎「……それでも、俺に言ってくれたんだ」 京太郎「過去は変えられないけど未来は変えられるって!」 京太郎「俺の価値は小さくないって!!」 京太郎「だから……俺は、信じることに決めた」 京太郎「お前の言う通り。あの人達が俺を騙していたとしたら……俺が間違っていたってことだ」 二ターン目終了。 ダメージ換算。 34+76+539+24=673 1426-673=753 京太郎……1364 悪霊……753 悪霊「……っ」 京太郎「最初の威勢はどうしたよ、これだと、安心して勝てるぜ?」 悪霊「ざけんな。まだまだこれからだっ」 京太郎(でも、早く突破しないとジリ貧だな……今は勢いがあるけど今後はわからねえし) 悪霊「チッ。つーか、そんなになってまであの女を助けたい理由は何だ?」 悪霊「抱きてえからか?それとも、恩を売りたいからか?」 京太郎「……」 悪霊「答えろよ、なぁおい!」 京太郎「……約束を果たす為だ」 悪霊「その約束は命を賭ける程に大事か?」 京太郎「ああ。というか、この騒動は俺が原因だ」 京太郎「ならさ。俺が解決に向けて前に立つのが筋だろう?」 京太郎「だから、戦うんだ!」 ダメージ換算。 59+74+73+64÷2=135 753-135=618 京太郎……1119 悪霊……618 京太郎(よし、このまま押し切ればいける) 悪霊「おい、余裕ぶっこいてるのはいいんだけどよ……」 悪霊「囮になっている奴等のことはいいのか?」 京太郎「……俺は信じてるから」 京太郎「巴さん達はきっと無事だ」 巴「割と余裕ですね」ドシュッ ハギヨシ「ええ。これならば、前に経験した戦いの方がよっぽどでした」ザシュッ 巴「ハギヨシさんってやっぱり同職だったんですね」 ハギヨシ「とは言っても、今は引退した身です。現役の方には敵いませんよ」 巴「謙遜しすぎですよ。今も現役って言っても通じますって」 ハギヨシ「そう言ってもらえると光栄です。狩宿様の年の頃の私はそれはもう……」 巴「不思議を探す女の子の下でいたりとか?」 ハギヨシ「はっはっは、それ以上はいけませんよ。過去の詮索は出来れば止めて欲しいです」 巴「ああ、ごめんなさい。今は、こんな話をしている場合じゃないですよね」 ハギヨシ「ええ。さてと、もうひと踏ん張りと行きましょうか」 悪霊(……このままだと負けるな) 悪霊(仕方ない、こうなったら一か八かの賭けに出るしかねえ) 悪霊(体力の消耗が激しいけど……) 悪霊(やるしかねえんだ!) ダメージ換算。 22×2×7=308 1119-308=811 京太郎……811 悪霊……418 悪霊「これで、少しは近づいたぜ」 京太郎「……がっ。ゴホッゴホッ」 京太郎(くそっ。いい一撃、もらっちまったなぁ……) 京太郎(傷口には核鉄当ててるから致命傷にはならないけど) 京太郎(今の一撃で流れが向こうに行ってるな) 京太郎(どうする?ここで大技を決めるか?それとも、このままで行くか?) 京太郎(まだ、アイツは何かを隠していそうだし早めに決めたいけど、もし大技を失敗したら……) 京太郎(いや、このままでいこう) 京太郎(まだ、俺が優勢なんだ……この先何か起こらない限りはこの体制を崩さない) 四ターン目 62+58+34+35÷2=95(切り上げでry) 811-95=716 京太郎……716 悪霊……418 京太郎「うおおおおおおおおおおおおっ!」 悪霊「ゲハッ……ちく、しょう。負け、か」 京太郎「ああ。そして、俺の勝ちだ」 悪霊「……あー」 京太郎「別に許しは請わないぞ。これが結果なんだから」 悪霊「たりめぇだ。互いの意志がかち合えばこうするしかねえ。負けた奴が勝った奴に従うのは当然だ」 京太郎「潔いな……お前」 悪霊「どうせ、もう消える身だ。潔くもなるさ」 京太郎「ふーん……。じゃあ、俺は行かせてもらう。はるるを助けに」 悪霊「ああ、行けよ……ヒーロー。だが、その前に……」 悪霊「この世界のことについてだ」 悪霊「テメエは世界がおかしいと思わねえのか?」 京太郎「おかしいってオカルトの麻雀打ちがいっぱいいることか?」 悪霊「まあ、それも当たっているが。もっと大きなことがあるだろ」 京太郎「大きなことって言ってもなぁ。思い浮かばねえよ」 京太郎「俺が才能を憎んでることか?それとも、こんな訳わかんねー闘いをやってることか?」 悪霊「それもそうだけど……ああっ、じれったい。もうハッキリ言ってやるよ」 悪霊「麻雀が一般の大衆にメジャーな競技として受け入れられていることが……テメエはおかしいって思わねえのか」 悪霊「本来ならおかしいことだぜ?高校生の若い奴等の間で麻雀が流行ってて。更には、全国的なインターハイが開催されるって」 京太郎「…………あっ」 ――――ザザッ。 京太郎(麻雀が……普及しているこの世界が、おかしい?) ――――パチン。 何かが、弾けた。 京太郎「あ、あ……何で、こんな“当たり前”のことに気づかなかったんだ……?」 京太郎「よく考えてみると、おかしいじゃねぇか!!」 京太郎「全国的に有名で。誰もが麻雀というものを表でおおっぴらにやるものだって思っているなんて!!」 京太郎「何だよ、これは……!」 悪霊「俺みたいな霊魂だけの奴にはそういう“認識”の阻害はないらしい。 だから、俺はおかしいと感じることができたのかもしれないな」 京太郎「でも、俺は……気づいたぞ?」 悪霊「そりゃあ、俺が今真実を伝えたからな。最も、すぐ改変されるかもしれないが。 ご都合主義ってやつがあるだろ。それが作用してテメエはさっきまでのテメエに戻る可能性は大いにある」 京太郎「この世界に……いったい何があったんだよ?」 悪霊「知らねぇよ。ただよ、麻雀をやることで真実は見えてくるかもしれないなぁ」 悪霊「そうして勝ち続けた果てに答えがあるかもしれないぜ?その過程でオカルトが大きな壁としてあるがな」 京太郎「じゃあよ。麻雀のオカルトやこの水をかけたら伸びる剣、お前みたいな奴がいることもその世界がおかしいっていう理由に……」 悪霊「もしかすると、含まれているかもしれないな。いや、それ以前に……」 悪霊「俺がこうして話していることも既知感……どうにもデジャブってるんだよ」 京太郎「デジャブってるって?俺がお前と会話しているのも、既知の範囲内ってことか?」 悪霊「これについては気のせいかもしれないな。俺は嫌がらせ半分で言ったようなもんだ」 京太郎「……この野郎」 悪霊「それよりも、さっさと行かなくていいのか?お姫様は待ちくたびれてるぜ?」 京太郎「チッ……わかったよ。じゃあ、遠慮なく死んでいけ」 悪霊「ああ。それと一つ」 悪霊「誰も、信じるな。また、裏切られるぜ?」 京太郎「そればっかりは聞けねえよ。つうかさ、その言葉を適用するとお前の言葉も信用できなくなるぞ」 悪霊「うまいこと言うねぇ……まっ、頑張れや」 京太郎「ああ……じゃあな。俺は、進むよ。今まで止まっていた分を取り戻す為にも」 京太郎(誰も信じるなって言われた時、思い浮かんだ顔があったんだ……」 【高台】 京太郎「よお、待たせたな」 春「……別に気にしてない。必ず来るって思ってたから」ポリポリ 京太郎「全く、大変な目にあったよ。ここに来るまで死にかけたんだぜ?」 春「でも、京は乗り越えてきた」 京太郎「そりゃあな。約束だっただろ、高台に来いって」 春「うん。思い出すことができたんだ」 京太郎「ちょっとした手助けもあったしな。それに、もう一つ約束しただろ」 春「……」 京太郎「迎えに来た。後は、お前が俺の手を取るだけだ」 京太郎「皆の記憶を奪うなんてことをしなくても、俺はお前を見捨てないし嫌うことだってしない」 京太郎「なあ、はるる。こっちに来いよ、そこは不安定過ぎて危ないぜ?」 春「……それでも、私は不安だから。京の手を取れないよ」 京太郎「例え、不安でも……俺以外を巻き込んでいい理由にはならないだろうが!」 春「……っ!」ガリッ 京太郎「俺はいい。だけど、神代さん達は!」 春「やっぱり、私より皆を優先するの?」 京太郎「何、言ってるんだよ。そんな訳」 春「そう言ってるよ!私と他の人を天秤にかけてるよ!」 春「それで京は皆を選んだ!」 京太郎「違う!」 春「違わない!」 京太郎「お前のことも大切だって、俺は思ってる!」 京太郎(誰も信じるな?悪いが却下だ。俺ははるるを助けたいと思う俺自身を信じる) 京太郎(何度でも伸ばしてやるさ。俺に伸ばしてくれたみたいに) 京太郎(身体はボロボロだけど……まだ、立っていられる) 京太郎「落ち着けよ。仮に天秤にかけたとしてもだ。はるるを見捨てるなんてありえねーよ」 京太郎「決めたんだ、俺は心の底からお前を助けたいと思う俺を信じる」 京太郎「偽りなんかあるもんか。誰にも嘘だって言わせねえ」 春「こんなことをした私でも?」 春「もう、取り返しの付かないことをした私でも?」 春「前みたいに、笑えるの?」 京太郎「先のことなんてわからねぇけど、いくらでも変えられるんだ」 春「変えられる?過去がどんなにひどくても?」 京太郎「そうだ。俺にもあるさ、取り返しの付かない過去が」 京太郎「過去は消せないけど。これからはきっと」 春「そうだね……京の言う通り」 京太郎「じゃあ!」 春「でも、無理だよ。私は、笑えないよ」 京太郎「どうしてだよ。過去に縛られて生きるのは辛すぎるぜ」 京太郎(そうだよ、辛いんだ。死にたいくらいに) 春「京の言う通り、辛いね。過去は私をいつまでも縛る」 春「……言ってなかったけど。私、捨て子なんだ」 春「生まれた瞬間からいらない子扱いされたんだよ。私、ゴミ捨て場に投げ捨てられてたって」 春「笑っちゃうよね、勝手に生んどいてゴミ扱いだなんて」 春「つまり、私は誰からも生まれることを望まれなかったってこと?ゴミと同じ価値だっていうの?」 春「ふざけないでっ!そんな、そんなことってないよ!」 春「……幸い、通りがかった人が通報してくれたおかげで死なずにすんだから、まだ運がいい方なのかもしれないけど」 京太郎「…………その話は、誰から?」 春「通報の後に入れられた施設の人から無理矢理聞き出した。どうしても知りたかったから」 春「嫌だって思っていたから。私の本当の親は実はいい人で、成長したら迎えに来るって信じたかったから」 京太郎「それって……今の親は」 春「その話はまだ後。ともかく、最初の親は私のことをゴミだって思っていた。これは覆りのようがないことだった」 春「その後、私は施設に入れられてから、養子の話が来たの」 京太郎「それで……今の親に?」 春「そう。今のお父さんと、お母さんに養子として引き取られた」 春「その人達は私を捨てた親と違って優しかった」 春「私のことを必要としてくれて、愛情も注いでくれた」 京太郎「……それじゃあ、今は幸せなのか?」 春「幸せなはず、だった」 春「……幸せなんて、長く続かなかった」 春「私、あまり感情を顔に出せないでしょう?他の女の子と比べても無愛想で、笑わないし」 春「それが原因で、色々と虐待されたんだよ。笑わないから気持ち悪いって」 京太郎「……!」 春「驚いた?そうだよね、今の私からは想像できないと思うから」 春「虐待されている間は、私が悪いと思っていた」 春「仕方ないよね。満足に笑えなかった私が悪いんだから」 春「だから、私は笑った。笑って笑って笑って笑って」 春「笑ったのに……虐待は、続いたよ。笑顔が汚いって」 京太郎「なんだよ、それ……そんなのおかしいじゃねぇか!」 春「そうだよね、おかしいんだよ。笑えって要求したくせに、いい子になれって要求したくせに」 春「全部、私は言う通りにしたのに……どうして?」 春「どうして、愛してくれなかったの?どうして、優しくしてくれなかったの?」 京太郎「運が、悪かったんだよ……」 春「それだけ?」 春「私の過去は運一つで駄目だったの?」 京太郎「…………」 春「答えてよ……京」 春「やっぱり、京も私のことを理解してくれないんだね」 春「続きを話すよ。私は、親が嫌いだったから――私は空に祈った。全部、壊れてしまえばいいって」 春「やっぱり、神様っているんだね。私の祈りが届いたのか、ちゃんと叶えてくれたよ?」 春「私を置いて外出している時に交通事故。二人共即死でばっちり」 京太郎「……はるる」 春「お母さんも、お父さんも。私が……願ったから、死んだんだよ」 京太郎「そんなの偶然でしかないだろう!」 春「……こうして、神代家の分家である滝見家は私、一人。従姉妹に良子さんがいるけど滝見の姓は私だけ」 春「子供が出来なかったから。じゃあ、養子を取ろう」 春「しっかりとした跡取りが欲しいから。厳しく躾けよう」 春「お父さんもお母さんもそればっかりだった」 春「結局、家の体裁が大事だったんだよ。分家としての誇りしかない」 春「そして、京も私のことを理解してくれない」ゴッ 京太郎「はるる……」 春「あの悪霊が私に言ったの。誰もお前のことなんて愛してないって。皆、壊しちゃえって」 春「その結果がアレだよ。妖怪に簡単に取り憑かれる。私のことなんて忘れてしまう」 京太郎「巴さんは、忘れなかった!はるると一緒に帰るんだって言っていた!」 春「そう……巴は忘れなかったんだ」 京太郎「今もはるるを取り戻す為に戦ってる。だから!」 春「それでも、私に取り憑いてる妖怪は言うんだ。愛するものも壊してしまえって」 京太郎「はるるっ!」 春「京、私ね……京のこと、好きだったよ」 春「一人の男の人として、愛してた」 春「私の笑顔を可愛いって言ってくれたのは男の人では京だけだったから」 春「うん、好きだからこそ。愛してるからこそ」 「私は、京のことを壊すね?」 五ターン目 ダメージ換算。 30+10=40 716-40=676 京太郎……676 春……3000 六ターン目 ダメージ換算。 64+87=151 3000-151=2849 京太郎……676 春……2849 六ターン目 ダメージ換算。 20+11=31 676-31=645 京太郎……645 春……2849 七ターン目 ダメージ換算。 52+92=144 2849-144=2705 京太郎……676 春……2705 七ターン目 ダメージ換算。 21+10=31 676-31=645 京太郎……645 春……2705 春「まどろっこしい。一気に決める」 八ターン目 ダメージ換算。 15+12÷2=14(切り上げry) 2705-14=2691 京太郎……645 春……2691 京太郎「……俺は、こんな所で!」 八ターン目 ダメージ換算。 58+38+3+72÷2=86(切り上げry) 645-86=559 京太郎……559 春……2691 八ターン目終了。 ダメージ換算。 99+19+539+30=687 2691-687=2004 京太郎……559 春……2004 京太郎「あああああああああああっっ!」ゴボゴボッ 春「ぐっ……!どうしてそんなにボロボロになってまで立ち向かうの!」 京太郎「友達、助けるのに理由なんているかよ!」 京太郎「全身傷だらけ、核鉄の回復力でも間に合わねえぐらいに出血多量で死にそうだよ!」 京太郎「それでも俺は!お前を助けるまで死ねないっ!」 九ターン目 ダメージ換算。 2+98+10+73+29÷2=106 559-106=453 京太郎……453 春……2004 京太郎「ぐっ……!」 春「これで、終わり」ヒュッ 京太郎(畜生、ここまでか……) 京太郎(粘ったんだけどなぁ。やっぱり無理か) 京太郎「すいません、巴さん……」 巴「すいませんはまだ早いんじゃないかな?」カキンッ 春「……!」 巴「遅れてごめん。援軍、到着っ」 巴「ここからは私も参戦させてもらうよ」 巴残り体力……1882 巴「雑魚ばかりだから余裕だったよ」 京太郎「そうですか。よかった、巴さんが無事で。ハギヨシさんは?」 巴「ハギヨシさんは私をきょーちんの所へ向かわせる為に雑魚の足止め。 もう少しで来ると思う」 京太郎「そうっすか……」 巴「さてと、はるる。随分と殺気立っちゃって」 春「巴も私の邪魔をするの?」 巴「邪魔じゃない。元に戻すだけ。今のはるるは正気じゃないからね」 春「私は全然普通。普通だからどいて、京を壊せない」 巴「どこが正気よ。それで正気とか考えられないわ」 京太郎「……っ。巴さん」 巴「きょーちんは休んで回復。それとも、前に出る?」 京太郎「少し、休ませて下さい」 京太郎「後、頼みます……すい、ませ、んでし……た」ドサッ 巴「お疲れ様。きょーちんはよくやったよ。後は、私の仕事」 春「邪魔しないで。巴も一緒に壊すよ?」 巴「壊せるものなら壊してみる?無理なことは言うものじゃないよ」 巴「素人のきょーちんがここまでやったんだ、私がやれなくてどうするのさ」 春「……っ!」 巴「一応、名乗っておくよ。符咒士――狩宿巴。疫鬼、友を救う為にお前はここで朽ち果てろ」 ダメージ換算。 78+62+73+41÷2=127 1882-127=1755 十ターン目 京太郎……453(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1755 春……2004 ダメージ換算。 43+79+891+20÷2=517(きりあry) 2004-517=1488 十ターン目 京太郎……503(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1755 春……1488 ダメージ換算。 90+28+34+20=172 1755-172=1583 巴(このままじゃジリ貧かな……) 巴(なら、霊力を使って少し強い技を出した方が勝てる確率も上がるかも……?) 十一ターン目 京太郎……503(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1555 春……1488 巴「……これはちょっとやばいかも」 春「死なない内にそこをどいて。京を壊せない」 巴「だから、壊させないって言ってるの」 京太郎「そうだな……簡単に壊されてやんねーよ」 巴「きょーちん!?大丈夫なの?」 京太郎「黙って寝ている訳にはいかないんで」 京太郎「さあ、ここから逆転させてもらうぜ」 京太郎が参戦したことでコンマが常に倍になります。 ただし、受けるダメージも倍になります。 十一ターン目終了 ダメージ換算。 72+96+78+32=278 1488-278=1210 十二ターン目 京太郎……603(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1383 春……1210 十二ターン目 ダメージ換算。 65+12+11+99=187 1383-187=1196 京太郎……603(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1196 春……1210 十三ターン目 ダメージ換算。 32+38+190+38=298 1210-298=912 京太郎……653(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1196 春……912 十三ターン目 ダメージ換算。 69+8+6+72÷2=78 1196-78=1118 京太郎……653(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1118 春……912 十三ターン目終了。 ダメージ換算。 28+20+62+30+2=142 912-142=770 京太郎……703(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1118 春……770 春「……しつこい」 春「もういい。一回で決める」 京太郎「巴さん!」 巴「やばい、逃げるよっ!」 京太郎「巴さん、危ないっ」グシャッ 春「惜しい、もう少しで壊せたのに」 京太郎「あ……っ。痛い……!」 巴「きょーちん!」 京太郎「く……そ、まだ諦めねぇぞ!」 十四ターン目 京太郎……332(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1118 春……370 十四ターン目 京太郎……332(一ターンが過ぎるごとに50回復) 巴……1040 春……370 京太郎「これで、終わりだ!」 春「が……っ!」 京太郎「ごめんな、はるる。目が覚める頃には元に戻っているはずだから。今は眠っていてくれ」 春「京……っ」ドサッ 巴「何とか、倒せたね……全く、もうボロボロだよ」 京太郎「ええ……」 ハギヨシ「お二方、ご無事でしたか」シュタッ 京太郎「ハギヨシさんの方こそ」 巴「ともかく、全員無事でよかった……」 春「……」 巴「さてと、それじゃあはるるに取り憑いている妖怪を滅さないと」 巴「その為には、はるるの体内に侵入して妖怪を殺すの」 巴「私は外で暴れるはるるを抑えなくちゃいけないから必然的に入るのはきょーちんになる」 ハギヨシ「私では駄目なのでしょうか」 巴「囚われのお姫様を助けるのは王子様って決まってるんですよ。だから、きょーちんでいきます」 京太郎「お、俺は別に……!」 巴「恥ずかしがらないの。わかったらさっさと準備する」 巴「一つ注意しておくけど、選択肢には注意すること」 巴「嘘を言ったり、甘やかしたりしたら駄目。はるるが自分で立ち直れるように行動すること」 巴「それじゃあ、送るよ」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってください」 巴「ん、どうしたの?」 京太郎「俺一人をはるるの体内へ送るとは言いますけど、大丈夫ですかね」 巴「きょーちん一人は不安だけど、ここを手薄にする訳にはいかないし」 ハギヨシ「須賀君も狩宿様もボロボロですしね。もし、外部からの敵襲があれば元も子もありません」 巴「せめて、もう一人……手練がいれば助かるんだけどなあ」 京太郎「だけど、諦める訳にはいきませんよ。はるるを助けなくちゃ」 ハギヨシ「やはり、ここは私が滝見様の体内へと突入すべきでしょうか」 良子「その心配はノーセンキュー」 巴「あ、貴方は!?」 京太郎「戒能……プロ?」 良子「今は一人のイタコとして。そこにいるハルの従姉妹として」 良子「戒能良子、見参」キラーン 京太郎「…………」 良子「少年、ここは笑う所だ」 京太郎「笑えと言われても、こんな状況ですし」 良子「何を言ってる。本当に苦しい時こそ笑うべきなのだよ」 良子「常に優雅たれ。仏頂面よりも笑顔の方が王子様には似合ってるよ」 良子「ということで、私が来たからには安心したまえ」 京太郎「さすが……傭兵をやっていたとの評判!」 良子「ノーウェイノーウェイ。そんな噂は信じちゃダメよ」 京太郎「じゃあ、イタコだっていうのは……」 良子「それも違う」 京太郎「でも、さっき言ってたじゃないですか」 良子「言葉の綾だ。気にしたら負け」 巴「というか、そんな話をしている場合じゃないですよ!」 ハギヨシ「さてと、どうしましょうか」 良子「どうしましょうと言われても。単純に二人ずつで分ければいい」 ハギヨシ「では、私と須賀君で行きましょう」 京太郎「はい、頼りにしてますよ?ハギヨシさん」 ハギヨシ「ははは、これでも私は近接忍術師を名乗っていた時期もありまして」 京太郎(本当に何者なんだ、この人……?) ハギヨシ「お任せ下さい。須賀君の道は、私が切り開きますから」 良子「これでオーケー。じゃあ、早速やろうか」 京太郎「はい……巴さん、お願いします」 巴「わかった。必ず、帰ってくるんだよ」 京太郎「大丈夫ですって。俺も、ハギヨシさんも生きて帰ってきますから」 良子「よし、始めようか。やるよ、狩宿」 巴「わかりました、ではいきますっ!」 京太郎「さてと、体内に入ったはいいけど……」 キシャー ハギヨシ「これはこれは。まあ、当然の予測ではありましたが」 京太郎「大量においでなすって京ちゃんピンチっ」 ハギヨシ「ははは、その為に私がいるんですよ」 京太郎(でも、どうする?さすがにハギヨシさんと俺で切り抜けられる量じゃねえぞ、これは) 京太郎(やっぱり、巴さん達も一緒に連れてくるべきだったのか?) 京太郎(だけど……今更だよなあ!)ザシュッ ギャースッ! 京太郎「待ってろよ、はるる……約束、果たしに行くからなっ!」 ハギヨシ「その意気ですよ。では、僭越ながら私も」 京太郎(念の為に核鉄を胸に仕込んでおこう) 京太郎(これなら心臓狙いの一撃を一回だけ防ぐことが出来るかもしれない) 京太郎「進路なんですが、迂回して進みましょう」 ハギヨシ「そうですね、私もその意見には賛成です」 京太郎「まともにぶつかったらこっちが痛い目をみますし」 ハギヨシ「とは、言っても」ドシュッ 京太郎「何匹かはやっぱりいますね」ザシュッ ハギヨシ「最も、この程度なら余裕がありますよ」 京太郎「ボスが自ら出てこない限りは何とかなりそうです」 ハギヨシ「この先に、滝見様がいらっしゃいますね」 ハギヨシ「私はこの前で敵を食い止めます。なので、須賀君は滝見様をお願いします」 京太郎「ありがとうございます……ハギヨシさんにはいつも頼りっぱなしですね」 ハギヨシ「ふふっ。友人から頼られるというのは悪い気分ではないですから。料理にしても、このような摩訶不思議なことにしても ハギヨシ「さあ、行って下さい。全ては貴方にかかっていますよ」 京太郎「はい、行ってきます。ハギヨシさん、どうかご無事で」 ハギヨシ「須賀君の元へは誰一人通しはしませんよ。ああ。時間を稼ぐのはいいですが―」 ハギヨシ「別に、ボスを含めて全員を殲滅しても構わないのでしょう?」 京太郎「く、くくっ」 ハギヨシ「はははっ」 京ハギ「「御武運を!」」 京太郎「よっ、来たぜ」 春「京……どうして」 京太郎「どうしても何も、約束しただろ。どんなことがあっても、お前を見つけるって」 春「……馬鹿だよ、京は」 京太郎「馬鹿とは失礼な!これでも、俺はだな」 春「でも、嬉しいよ。私なんかの為にここに来てくれて」 京太郎「約束、果たしてもらっていいか?」 京太郎「助けてくれるんだよな?なら、そんなとこに閉じこもってたら困る」 春「でも……」 京太郎「でも、じゃない。俺も、巴さんも待ってるから」 春「私はもう……取り返しがつかないことをしちゃったよ?皆の記憶を奪っちゃった」 京太郎「そんなの返せばすむことだろ。まだ間にあうさ」 京太郎「どんなはるるでも、俺は見捨てない」 春「じゃあ、私に取り憑いている妖怪はどうするの?」 春「きっと、今の京じゃ返り討ちにあうだけ。助けるって言っても無理」 京太郎「そこで、諦めるのか?はるるは?」 春「……だって、もう無理だよ?」 京太郎「無理かどうかははるるが決めることじゃない」 京太郎「確かに、ここから無事に帰れるか不確かだけど」 京太郎「俺は手を伸ばす。笑って帰れる可能性に賭けてみる」 京太郎「また、お前と笑ってマリカーやりたいしな」 春「……!」 京太郎「お前ずっと気にしていたんだろ?巴さんから聞いたよ」 京太郎「気づいてやれなくて、ごめんな」 京太郎「まだ、お前とやり残したことがあるんだよ」 京太郎「これは、俺の我儘だ。俺がやりたいってだけ」 京太郎「約束を果たしにきたのもあるけど、半分はそれだよ」 京太郎「だからさ、この手を取ってくれないか」 良子「さてと、彼らは無事に救えましたかね」 巴「こればっかりは運としかいえませんよ……。妖怪についてはハギヨシさんがいるのでともかく」 良子「その心配はノーセンキュー。ハルはきっと戻ってくる」 良子「おっと、噂をしたらハルから出て来ましたよ、モンスターが」 キシャーッ 巴「ハギヨシさんがやってくれたんでしょうか」 良子「だろうね。それはともかく、さっさとキルしちゃおう」 良子「私の従姉妹を虐めたこいつはギルティ。許すなんてノーよ」 巴「まあ、放置しておく理由がありませんしね……」 良子「今こそお見せしよう、王者の討滅を!」 巴「別に王者でも何でもないですよね!?」 良子「こういうのはノリが重視されるものなんだよ、狩宿君」 ギャーッスッ 良子「ということで、妖怪は全部デッドエンド。屋敷の人達に付いてる妖怪も自動的に消えたんじゃないかな」 巴「親玉の端末みたいなものでしたしね」 京太郎「これで、一件落着ですか」 ハギヨシ「いやはや、疲れました。このようなことは久しぶりでしたもので」 良子「貴方こそ体内で妖怪を屠っていたでしょう」 ハギヨシ「ははは、ただの足止め役です、私は」 京太郎(俺が戻ってきた時、妖怪の死体の山を築いていたのは黙っておくべきなのだろう) 春「……ううん」 良子「目が覚めたみたいだね」 春「私は……?」 春「京に、巴……良子さん?ハギヨシさんまで……?」 京太郎「身体の方は大丈夫か?」 春「うん……だけど、どうして私はここにいるの?」 京太郎「!?」 春「確か、屋敷でふと頭が痛くなって……部屋に戻った所までは覚えているんだけど」 京太郎(もしかして、記憶が途切れてる?) 春「どうしても、思い出せない……ちょっとのきっかけで思い出せそうなのに」 春「ねえ、京は知ってる?私がここで倒れていた理由?」 京太郎(どうすればいいんだ。ここで、本当のことを告げても、はるるを不安定にさせるだけだ) 京太郎(だからといって、先延ばしにしても。記憶が戻った時が怖い。はるるが壊れてしまう可能性だってある) 京太郎(ここで、俺が取れる最善の方法は、何だ?) 春「あ、れ……?私、確か。変な声に、皆いなくなってしまえばって」 春「だから、記憶を……奪った?」 春「私、が……京達を傷つけたの?」 京太郎「違う!これはちょっとした事故だ、だからお前が気にすることなんてない!」 春「違わないよ、全部思い出したから。私が、私のせいで……」 春「私が全部悪いんだよ、私が」 京太郎「違うって言ってるだろ!」ガバッ 春「ひゃっ」 京太郎「記憶を取り戻したんだったら、俺の言葉も覚えているはずだ」 京太郎「お前と一緒に笑いたいって」 京太郎「その言葉も違うのか、違うなんて言わせねえぞ」 春「で、でも……」 京太郎「元はといえば、俺が悪いんだよ。はるるのことをちゃんと見てなかったから」 京太郎「自分のことばかり考えて、はるるの気持ちなんて全然気にもしないで……俺、カッコ悪いよな」 京太郎「だから、その分をこれからの行動で取り返したい。いつか、お前の横に並んで立てる男になりたい」 春「そんなこと、ない。京はもう十分だよ。私の方こそ……」 京太郎「いーや、駄目だね。俺自身が納得出来ないから。俺がはるるを追いかける立場なんだからよ」 京太郎「こんなことを言える資格はないと思うけどさ。俺と、もう一度仲良くしてくれないか?」 京太郎「マリカーやって馬鹿やって。俺はお前と一緒に笑いたい」 京太郎「あの時の答えを聞かせて欲しい。俺の手をとってくれないか、はるる」 春「……馬鹿」 春「私、愛想悪いよ?」 京太郎「そんなことはないと思うぜ?お前の笑った顔可愛いし」 春「また、迷惑をかけるかもしれないよ?」 京太郎「どんと来い。俺がまた、お前を迎えに行くから」ギュッ 春「手を取ってって言っておいて、抱きしめるのは反則」 京太郎「ご、ごめん」 春「でも、いい気分。悪くない」ギュッ 春「ねえ、京……」 春「私はいっぱい間違えたけど……また、前みたいに笑えるかな?皆と一緒に楽しく過ごせるかな?」 京太郎「勿論だろ。どんなことがあっても、俺はお前を見捨てない」 春「私も、どんなことがあっても、京の味方。絶対に」ニコッ 京太郎「そういうことを笑顔で言うなって。惚れちまうっての」 春「ふふっ。惚れてもいいんだよ?」 京太郎「ば、ばっか。そういうこと言うなって!」 春(今は、まだ告白しないけど。いつか、きっと振り向かせるから) 京太郎「ったくよ、そういう恥ずかしいことを言うのは禁止だっ!」 春「なら、もっと言っちゃおうかな」 春「京の恥ずかしがる顔も見てて楽しいし」 京太郎「お前なぁ……!」 春「これぐらいのことをやっても、バチは当たらないと思うけど?」 京太郎「俺の赤面顔なんて誰得だよ!」 春「私得」キリッ 京太郎「おかしいだろ、それは!本当にもう……」ププッ 春「やっと、笑った」 春「京の本当の笑顔が見れた気がする」 京太郎「そうか?今までとあんま変わらない気がするけど」 春「違うよ。まだ、満点には遠いけど。心から笑ってる」 春「作った笑顔じゃないよ、京」 「京の笑顔の初めて、もらっちゃった……」 【第三章二節消えた、約束End】
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343567114/ 1 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 22 05 15.09 ID yAsHID5Io 前スレ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その2!」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343400155/ ・このスレは咲-saki-の空気雑用こと須賀京太郎を主人公にした安価SSスレです。空気って生きてく上で必須なものだから…(震え声) ・スレタイにあるように、舞台は岩手の宮守高校麻雀部です。このスレでは共学。 ・ぶっちゃけこの板の某スレに影響を受けまくってます。あのスレ好き過ぎてヤバい。最初にWIKIにパラメータ載っけたのはワイや! ・イッチが怒ってなくて良かった… SSWiki http //ss.vip2ch.com/jmp/1343567114 2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/29(日) 22 08 53.98 ID yAsHID5Io ・主要なパラメーターに「好感度」と「麻雀力」があります。一定値を超えるとイベントが発生。 ・パラメーターは非公開です。 ・パラメーターはイベントの他、後述のコンマ補正にも影響します。 ・主人公である須賀京太郎は、一日2回安価で行動することができます。 ・安価は基本自由ですが、あまりに無茶であったりする場合は下の安価を採用します。 ・自由安価は内容次第で5段階の難易度に振り分けられ、これを元に好感度や麻雀力の補正を加えてコンマ判定を行います。 難易度 激高 (大失敗:00-19 失敗:20-79 成功:80-99) 難易度 高い (大失敗:00-09 失敗:10-49 成功:50-89 大成功:90-99) 難易度 普通 (失敗:00-29 成功:30-79 大成功:80-99) 難易度 低い (失敗:00-19 成功:20-79 大成功:80-99) 難易度 極低 (失敗:00-09 成功:10-79 大成功:80-99) 7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/29(日) 22 13 02.50 ID yAsHID5Io ・基本的な安価行動として「全体特訓」と「個別特訓」が存在します。 ・前者は成功すると麻雀部員全員の麻雀力がアップ、後者は選択したキャラクターの好感度がアップし、さらに成功で京太郎と選んだキャラクターの麻雀力がアップします。 ・いずれも難易度は「低」となっています。参考までにどうぞ。 ・現在の好感度はシロ=豊音>エイスリン>塞=胡桃。接戦です。 12 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[] 投稿日:2012/07/29(日) 22 18 16.05 ID yAsHID5Io 【エンディング関連】 ・安価でキャラクターに告白を行うことができます。 ・好感度ランク0、1→告白自動失敗。難易度「激高」判定を行い、成功or大成功で好感度上昇。 ・好感度ランク2→難易度「高」で判定。大失敗以外なら好感度上昇。 ・好感度ランク3(MAX)→難易度「低」で判定。つまりほぼ失敗しない。失敗でも好感度上昇。 ・スレ終了時彼女がいるとそのキャラクターの個別エンド。好感度ランク、大会結果によってEDが分岐。 ・彼女状態なら様々な判定にプラス補正がかかる ・スレ終了時、誰にも告白しておらず、好感度ランクMAXの娘が複数いる場合、各キャラに難易度「高」で判定、成功したキャラによるハーレムEDとなります。 ・但し5人全員3段階目は相当厳しいと思われます。個人戦で勝てば勝つほど全員の好感度にボーナスが入る仕様なので、勝ち進めばあるいは。 ・個人戦に関しては全国出場も結構ギリの難易度設定です。 13 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 22 22 08.63 ID yAsHID5Io ・告白やその他の重要安価の時のみ範囲安価による多数決を行うことがあります。 ・「京太郎がバラバラにされて殺される」とかね。こんな安価取るなよ(迫真) ・麻雀の試合方式に関しては、また改めて解説を行います。 んじゃ景気付けに埋めネタ安価や! 18 27 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 22 26 22.30 ID yAsHID5Io 判定はないよー どうせならキャラ名も一緒に書いてもらえばよかったね 誰? 32 32 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage] 投稿日:2012/07/29(日) 22 26 47.27 ID 3BJZeYCZo 敢えてぺたぺたの胡桃ちゃんのお胸をもう一度いただこう 131 名前: 129 塞さんが中々デレてくれないんや、すまんな…[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 01 11 01.45 ID KRJLO+k7o --- その頃のハギヤシ 萩原「あちらでも元気そうにやっているようですね」 とある出来事がきっかけで自分に弟子入りした少年からのメールを読んで呟く。 麻雀は弱いが何事にもひたむきで、誰にでも優しい彼のことだ。 はじめから心配はしていなかったがやはり安心する。 萩原(しかし、少し残念に思っているのは否定出来ません) 萩原(友人が離れていってしまったこともそうですが) 萩原(彼には一流の執事になれる素質がありましたから) あれ程の雑用の才能だ。あのまま研鑽を積めば、ゆくゆくは自分をも凌ぐ執事になったであろう。 萩原(まぁ、彼自身に執事になるつもりはなかったようですが) 萩原(しかし、彼と付き合う女性は、さぞ甘やかされるのでしょうね…) 同級生のためにタコスを手作りしようと悪戦苦闘する彼の姿を思い出し、笑みを浮かべる 萩原(遠くの空の下から、君を応援していますよ) 萩原(京太郎くん…) 141 名前:とりあえず出来てるとこまで投下[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 01 19 04.37 ID KRJLO+k7o 本編は前スレ 579から。そないに前なんか!めげるわ… 塞side 京太郎「もう、胡桃先輩も豊音先輩もあんまりからかわないでくださいよ…」 3人が楽しそうにじゃれ合っているのをボーっと眺める。 塞(私だけ、か…) 彼とはそれなりに親しく付き合えているつもりだっただけに、ショックが大きい。 塞(でも、そうだよね) 塞(私なんて口うるさいおばーちゃんみたいだもん) 塞(須賀君だって内心「先輩風吹かせてうざったい」とか思ってたのかな…) 思考がどんどんネガティブになっていく。 塞「みんな、いいなぁ…」 143 名前: 142 全国終了までやね。2、3日のロスタイムはあたえてもいいけど[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 01 21 35.41 ID KRJLO+k7o 京太郎side 臼沢先輩がこっちを眺めている。 その姿が妙に寂しそうなのが気になった。 京太郎「臼沢先輩?どうなさったんですか?」 声を掛けると、先輩が目を逸らす。 どことなく、拗ねているようにも見えた。 京太郎(俺、何かしちゃったかな…) 京太郎(とりあえず話をしてみよう) 胡桃先輩と豊音先輩に断りを入れ、臼沢先輩の元に向かう。 塞「何か用?」 やはり素っ気ない。 京太郎「え、えーと……」 京太郎「あの、先輩!」 京太郎「麻雀の指導、お願い出来ませんか?」 144 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 01 23 34.97 ID KRJLO+k7o 塞side 京太郎「臼沢先輩?どうなさったんですか?」 「臼沢先輩」と呼ばれたことで、思わず目を逸らしてしまう。 塞(どうしよ…) 塞(まともに顔、見られないよ…) 塞(思ったより、ヘコんでるのかなぁ私…) 何か返事をしなくては、と思うのだが、なんと答えて良いのか分からない。 彼がこちらに来る。 塞「何か用?」 つっけんどんな対応をしてしまう。 またしても自己嫌悪。 京太郎「え、えーと……」 京太郎「あの、先輩!」 京太郎「麻雀の指導、お願い出来ませんか?」 152 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 01 48 51.95 ID KRJLO+k7o 宮守で他のを書くことはあっても、他の高校では書けないだろうな… 万が一書くとしたら姫松 --- 京太郎side 京太郎(なんだこの空気…) 先輩が必要最低限の言葉しか発さないせいで、非常に気まずい。 あれやこれやと話しかけては見るものの、全く会話にならないのだ。 京太郎(どうすればいいんだ…) ……… 京太郎(ん…?) (一方的な)会話の中、ふと気がつく。 自分が先輩の名前を呼ぶ度に、彼女がつらそうな表情を浮かべることに。 京太郎(あ!) 京太郎(もしかして俺、名前覚え間違ってるのか?) そういうことなら納得できる。 これ程長い間名前を間違えられ続けたとしたら、そりゃ嫌な気分にもなるだろう。 京太郎(だって他の先輩方、「さえ」としか呼ばないもんなぁ…) とりあえず尋ねてみることにする。 京太郎「あ、あの!」 京太郎「”塞先輩”の苗字って…」 すごい勢いで彼女が顔を上げた。 154 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 02 02 17.66 ID KRJLO+k7o やっぱアカン、この方向性なんぼなんでも無理がある 勢いだけじゃダメということがわかった 明日1からコミュ書きなおすわ…すまんな 156 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 02 07 11.29 ID KRJLO+k7o 塞さん好きすぎて逆に書けなくなっとるわ。いや、みんな好きなんやけど なんでもするから許して 162 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 02 14 42.90 ID KRJLO+k7o なんとなく新しい方向性も思いついたし、明日22時までには絶対完成させる ああこのスレ最初からやり直してぇ… 番外編 180 名前:番外編で本編の時間削られるとか本末転倒やもんな。以後気をつけよ[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 03 02 07.32 ID KRJLO+k7o 塞「ふふっ、よく似合ってるよ、京太郎君」 彼の「左手」に光るお揃いの結婚指輪。 塞「それにしても京太郎君は甲斐性なしだなぁ」 塞「ホントは、男の側が贈るものなんだからね?」 塞「「給料の三ヶ月分です!」とか言っちゃってさ」 少し拗ねてみせる。 塞「でもいいよ、許したげる」 塞「だって、ずっと夢だったんだもん。京太郎君のお嫁さん」 塞「じゃ、そろそろ行こっか!」 一人ぼっちの花嫁は、新郎の手を握ってヴァージン・ロードを歩く。 塞「…本当はお父さんと歩きたいけど」 塞「許してもらえるはずないもんね」フフ ……… 塞「私たちは夫婦として」 塞「生ける時も死せる時も」 塞「互いに愛と忠実を尽くすことを誓います」 そう言って私は 「彼」にそっと誓いのキスをしたのだった。 188 名前:SAN値ゴリゴリや[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 03 35 00.00 ID KRJLO+k7o 胡桃「ほらっ、京太郎くん、おいでっ!」 彼の「胸」の中で抱きしめられるのが好きだった。 でも、「彼」はもう私を抱きしめられないから。 代わりに私が抱きしめよう。 胡桃「いつも私のこと「小さい」ってからかってたけど」 胡桃「今じゃ京太郎君のほうが私よりよっぽど小さいよ?」 胡桃「私は年上だから、京太郎君を馬鹿にしたりしないけどねっ!」 大分背が低くなってしまった「彼」を抱きしめたまま、背中を優しく撫でる。 ……… 胡桃「恥ずかしくて今まで言えなかったけど」 胡桃「京太郎くん、ずっとずっと、愛してるよっ!」 答えなど必要ない。 どのみちずっと、一緒なのだから。 208 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 12 25 05.90 ID KRJLO+k7o 彼の「膝」枕で横になる。 シロ「……」 シロ「あったかくない…」 少し悲しくなる。 これまで京太郎が私に不満を抱かせたことなんて、 "あの"たった一度だけだったのに。 シロ「でも、良い…」 この程度の冷たさ、「彼」がいない寒さに比べれば。 …戻ってきてくれて、本当に良かった。 ……… いつも私を優しく撫でてくれた手は塞とエイスリンが独占しているけれど。 今夜は久々に安眠できそうだ。 シロ「おやすみ…京太郎…」 シロ「良い夢を…」 222 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 13 30 11.23 ID KRJLO+k7o 姉帯「京太郎くんが悪いんだからねー?」 姉帯「私達を捨てて、あの子の所に行っちゃおうとするんだもん…」 姉帯「お、怒ってるんだよー?」 「彼」に語りかける。 姉帯「"ごめんなさい、豊音さん!"」 姉帯「…許して欲しいのー?」 姉帯「"ええ、豊音さんに嫌われたら生きていけないです"」 姉帯「"どうか許してください!"」 姉帯「そ、そっかー」 姉帯「じゃあっ!」 姉帯「キス、してくれたら許すよー…」 姉帯「"そんなことで良いんですか?"」 姉帯「"お安いご用ですよ、豊音さん"」 ゆっくりと彼の「頭」を引き寄せ、唇を重ねる。 姉帯「あはは、嬉しいよー、京太郎くん」テレテレ 姉帯「"俺も嬉しいですよ、豊音さん"」 姉帯「私の方が絶対嬉しいもんねー!」アハハハハ 人形劇は、終わらない。 227 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 13 35 09.80 ID KRJLO+k7o 姉帯さんはテレビばっかり見てたから一人芝居とか上手そうだよね ここまで本編とは一切関わりないからな! 315 名前: 310 大丈夫、丁度書き上がった[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 21 38 05.81 ID KRJLO+k7o じゃあ投下していくよ 前スレ 579からやり直しや。めげるわ… 【塞 好感度ランクアップコミュ】 【塞side】 塞「須賀君、これから私のこと"塞先輩"って呼んで?」 これは流石に直球すぎて恥ずかしい。 そもそもそんなに親しくない先輩にそんなこと言われても困るだけだろう。 塞「私、臼沢って苗字あんまり気に入ってないんだよね。ほら、「臼」って重いイメージがあるでしょ?だから…」 回りくどい。却下。 塞「「エサ」って10回言ってみて?」 私は何を言っているのだ。 イメージトレーニングが全て失敗し、ため息を吐く。 塞(ああもう、年下の男の子とどう接したらいいか、なんてわからないよ!) 316 名前: 310 大丈夫、丁度書き上がった[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 21 39 25.68 ID KRJLO+k7o 【京太郎side】 今日も麻雀の指導を臼沢先輩にお願いした。 「相手の手を塞ぐ」というオカルトを持ってはいるが、その打ち筋自体はオーソドックスで参考になる。 指導も優しく丁寧なので、ついつい先輩に甘えてしまうのだ。 しかし… 京太郎(うーん…) 京太郎(今日の先輩、なんだか様子がおかしいなあ) いつもしっかりしている先輩がどうにも挙動不審である。 気がつくとこっちの顔をジーっと眺めているし、 声を掛けると少し悲しそうに顔を伏せてしまう。 なんだか上の空で、会話もあまり成立しない。 京太郎「あの、臼沢先輩、俺何か失礼なことしちゃいました?」 尋ねてみる。 317 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 21 40 09.91 ID KRJLO+k7o 【塞side】 重症だ。 彼が「臼沢先輩」と口にする度、他の娘との差を思い知らされているようで悲しくなる。 塞(みんな可愛いもんね…) 塞(それに比べて私なんて、口うるさいおばーちゃんみたいだし) 思考がどんどんネガティブになっていく。 京太郎「あの、臼沢先輩、俺何か失礼なことしちゃいました?」 また、「臼沢先輩」と言われた。 涙が零れる。 我慢するつもりだったのになぁ…。 321 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 21 42 40.23 ID KRJLO+k7o 【京太郎side】 理由は分からないが、先輩が泣いている。 怒りで目の前が赤くなった。 京太郎「………」 京太郎「先輩!」 京太郎「俺、先輩を泣かせる奴は、絶対に許せないです」 京太郎「それが例え自分でも、場合によっちゃぶっ飛ばします」 京太郎「どうして泣いてるのか、聞かせて下さい」 塞「っ!?」 塞「………」 京太郎「………」 しばしの沈黙の後、先輩が話し始める。 ……… そんな理由か、と笑ったりしない。 この、真面目で可愛くて優しくて抱え込みがちな先輩が、自分のせいで泣いていたのだ。 土下座して強く頭を床に打ち付ける。 塞「ちょっと須賀君!?やめてよ!」 塞「勝手に勘違いして勝手に傷ついて勝手に泣いて、」 塞「悪いのは全部私じゃない…」 京太郎「いえ」 京太郎「先輩が傷ついてるのに、気が付けなかったですから」 顔を上げて真っ直ぐ先輩を見つめる。 京太郎「今更無しだって言っても聞きませんよ、「塞先輩」」 京太郎「俺は、他の先輩方と同じくらい、塞先輩のことも好きなんです」 京太郎「だから、そんなに悲しいこと言わないで下さい」 塞「……」 塞「うんっ!」 泣き笑いのような表情で塞先輩が頷く。 素直に、「綺麗だな」と思った。 322 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 21 44 50.02 ID KRJLO+k7o 塞の好感度が上がった! 京太郎の麻雀力が上がった! 塞の麻雀力が上がった! 塞の好感度がランクアップした! 339 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 00 19.11 ID KRJLO+k7o 9日目 午後 京太郎「昼寝してたらなんだかすごく長い夢を見てた気がする」 京太郎「胡桃先輩の着替えはともかく」 京太郎「先輩達にバラバラにされる夢ってなんだよ!」ブルッ 京太郎「さて、午後は何をしようかな?」 349 368 名前:ちょっと遠いかと思ったら突如加速してビビった(コナミ)[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 05 12.58 ID KRJLO+k7o 立派なお餅をお持ちのとよねぇにマッサージをしてあげよう(提案) マッサージ位置によって難易度変更 通常マッサージ 難易度 低い (失敗:00-12 成功:13-72 大成功:73-99) お餅マッサージ 難易度 高い (大失敗:00-02 失敗:03-42 成功:43-82 大成功:83-99) 373 通常orお餅も書いて、どうぞ 383 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 07 03.62 ID KRJLO+k7o 判定→成功 ついにちょいエロが来てしまったか 頑張って書いてくる 415 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 18 33.12 ID KRJLO+k7o 立派なお餅をお持ちのとよねぇにマッサージをしてあげよう(提案) 京太郎「豊音先輩!」 京太郎「マッサージは必要ありませんか?」 姉帯「マッサージ?」 姉帯「須賀君、マッサージ出来るのー?」 京太郎「俺はマッサージのプロですから!」ドヤドヤァ 姉帯「す、すごい自信だねー」 姉帯「じゃあ、お願いするよー!」 …… 京太郎「今から俺がするマッサージは」 京太郎「人間にとってもっとも大切な心臓付近の血管をほぐす事で体全体の血流を良くし――」 京太郎「その結果リラクシング効果を生み出す事によってより効果的な疲労回復効果を生み出すというマッサージです」 姉帯「おー、よく分からないけどすごそうかもー」ワクワク 京太郎「………」 京太郎「じゃあ、行きます!」 もみもみ むにむに 姉帯「え? え?」 姉帯(胸、揉まれちゃってるー!?) 436 名前:そら(イッチに憧れてるんやから)そう(同じような展開にする)よ[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 29 51.88 ID KRJLO+k7o 京太郎「やっぱり凝ってますね、豊音先輩」 もにゅもにゅ 京太郎「これは入念なマッサージが必要だなぁ(棒」 むにゅむにゅ 姉帯「ちょ、ちょっと、須賀くんー!?」 姉帯「これって、セクハラなんじゃ…っ///」 京太郎「セクハラ?」 京太郎「何を言うんですか先輩!」 京太郎「もう一度言いますが、これは人間にとってもっとも大切な心臓付近の(ry」 京太郎「れっきとした本場のマッサージです!」 ふにふに 姉帯(この自信…須賀くんは嘘を言ってないのー?) 姉帯(本場のマッサージってこんなのなんだ…) 姉帯(うぅ、恥ずかしいよー///) 450 名前:成功やから悲劇は起きんよ[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 39 39.93 ID KRJLO+k7o …… 姉帯「全然やめてくれなかったよね」 姉帯「何度もストップって言ったのにー……」プンスカ 京太郎「いや、すみません、なんだか熱くなっちゃって…」 京太郎「あ、体の調子の方はどうですか?」 姉帯「そ、そんなの言えるわけないでしょー!?」 姉帯「須賀くんのっ、馬鹿ぁ…っ///」 豊音の好感度がグーンと上がった! 464 名前:麻雀には弾道関係ないやろ![saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 44 47.33 ID KRJLO+k7o 9日目終了。予め言っておくけど、エロはこのレベルでしか書けないからな! 他の部員にバレる展開にしたかったら安価をとってくれや… 10日目 地区予選開始まで あと5日 京太郎「マッサージって気持ちいいな!」 京太郎「主に俺が!」 京太郎「さて、今日は何をしようかな?」 474 489 名前:良心的な安価が多くて助かるな[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 47 27.54 ID KRJLO+k7o みんなで特訓 難易度 低い (失敗:00-13 成功:14-73 大成功:74-99) 495 510 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 49 06.44 ID KRJLO+k7o 判定→失敗 全体特訓で失敗は何気に始めてかな 書いてくる 538 名前:まぁその分内容充実するように頑張るからあんまり責めんといたって[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 22 55 46.54 ID KRJLO+k7o 姉帯「あれから結構考えたけど…」 姉帯「昨日のマッサージはやっぱりセクハラだよー!」 姉帯「もうやっちゃだめだからねー?」 全体特訓中の豊音先輩の発言に場が凍る。 マズい。 京太郎「じゃあ皆さんお疲れ様です!」 京太郎「ペットのカピパラに餌やり忘れてたんで帰りますね!」ダット …既に塞先輩がドアを塞いでいた。 流石である。 塞「帰れると思った?」ニコ 561 名前: 547 それとこれとは話が別や![saga] 投稿日:2012/07/30(月) 23 04 26.17 ID KRJLO+k7o ……… 胡桃「で、どういうマッサージなのかなっ!」 京太郎「ですから、人間にとってもっとも大切な心臓付近の血管をほぐす事で体全体の血流を良くし、その結果リラクシング効果を… 」 シロ「長い……」 胡桃「簡潔にっ!」 京太郎「その…お餅を…こねるマッサージです…」 エイスリン「……」/// 塞「うん、とりあえず正座ね」ニッコリ 577 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/30(月) 23 12 08.41 ID KRJLO+k7o 豊音「みんな待ってよー」アセアセ 豊音「私は別に怒ってないよー?」 豊音「ただちょっと注意しただけで…」 救世主が降臨した 京太郎(豊音先輩ありがとうございます!) 京太郎(しかし逆に罪悪感が…) 塞「はぁ…」 塞「豊音は甘いなぁ…」 胡桃「むぅ」 胡桃「被害者のトヨネがそう言ってるんだから今回だけは許すけど」 胡桃「次はないからねっ!」 麻雀力変動なし 次回の(性的な)マッサージにマイナスの補正がかかります 711 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 01 39 24.59 ID JLlN+KEOo よし、そこまで要望もないみたいやし午後安価行くやでー 10日目 午後 京太郎「ひ、酷い目にあった」 京太郎「やはり一時のテンションに身を任せてもろくな事にならないな!」 京太郎「さて、午後は何をしようかな?」 720 724 名前:が、合宿は地区予選勝ってからでどやろか[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 01 42 22.04 ID JLlN+KEOo 胡桃とお出かけ 難易度 低い (失敗:00-19 成功:20-79 大成功:80-99) 730 で判定 出かける咲も書いてくれると参考にするかも 727 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 01 42 53.87 ID JLlN+KEOo 補正忘れてた コンマに+5な 安価なら下 736 名前:変換ワロタ[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 01 44 08.49 ID JLlN+KEOo 判定→成功 喫茶店に通い詰める二人良いね、書いてきます 750 名前:さっきの誤変換で前スレ 1000思い出した。近々出そう[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 02 07 38.75 ID JLlN+KEOo 胡桃とお出かけ(喫茶店) 塞「じゃ、お疲れさまー」 京太郎「お疲れ様です!」 今日も部活が終わった。 帰り支度をしていると、 胡桃「須賀君、今日も喫茶店寄ってかない?」 そこに胡桃先輩からのお誘い。 断るはずがない。 京太郎「良いですね、是非ご一緒させてください!」 京太郎「この季節はアイスティーが美味しいですよねー」 胡桃「あはは、須賀君は今日もアイスミルクティーなのかな?」 胡桃「じゃ、行こっか!」 京太郎「はい、先輩!」 京太郎「皆さん、お疲れ様でした!」 --- シロ(付いて行ってもよかったかな…) 豊音「胡桃いいなー。私も須賀くんと喫茶店行きたいよー!」 エイスリン「……」コクコク 塞(わ、私も今度誘ってみよ…) 769 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 02 28 58.99 ID JLlN+KEOo あくまで小ネタ 京太郎「胡桃先輩って応援してる野球のチームはあるんですか?」 京太郎「ちなDe」 胡桃「んー」 胡桃「やっぱり東北民としては楽天を応援してるよっ!」 京太郎「あー、やっぱり地元のチームが勝つと嬉しいですよねー」 京太郎「好きな選手とかいるんですか?」 胡桃「渡辺と内村…」 京太郎「あぁ…」 782 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 02 42 34.66 ID TAUrqe20o ウェイトレスに「仲の良いご兄妹ですね。」と言われて むくれる胡桃とフォローする京太郎とか 783 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 02 43 44.62 ID PMb1MZ9X0 782 それで強がって恋人です!って言っちゃうんですね 784 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 02 44 17.97 ID Ek6cCYL30 782 書こうと思ったら書かれてた カップルに間違えられるてアセアセとか! 787 名前:ネタ振り感謝やでー[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 02 54 33.93 ID JLlN+KEOo 書いてる途中だったが 782-784がすばらなのでそれ書こ 前に出してたウェイトレスの存在を忘れていた 「可愛らしい妹さんですね」 ウェイトレスさんの何気ない一言に、空気が凍る。 京太郎「あー、いやー、実は…」 胡桃「兄妹じゃありません!」 胡桃「こ、恋人です!」 何を言い出すのだ。 793 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 03 12 21.43 ID JLlN+KEOo 「し、失礼致しました!ごゆっくりどうぞ!」 逃げるように去るウェイトレスに先輩が「べー」っと舌を出す。 京太郎「ちょ、ちょっと先輩、恋人ってどういうことですか!?」ヒソヒソ 胡桃「だって、悔しかったんだもんっ!」 先輩が少しむくれて言う。 胡桃「私が小さいから、須賀君と一緒にいてもカップルに見られなかったってことでしょ?」 自分などとカップルに見られたかったのだろうか。 少し嬉しくなる。 京太郎「…じゃあ折角ですし、今だけは恋人な感じで過ごしますか」アハハ 胡桃「…へっ?」 京太郎「あのウェイトレスさんに見せつけてやりましょうよ」 京太郎「俺達のラブラブっぷりを!」 しばし硬直した後、胡桃先輩の顔が赤くなる。 一気に残りのミルクティーを飲み干して、 胡桃「わ、私帰るねっ!」 逃げ出してしまった。 からかい過ぎてしまっただろうか。 …いや、先輩と二人で「恋人ごっこ」がしてみたかったのは事実であるが。 結局その日は一人で「恋人を喧嘩別れをした男ごっこ」をする羽目になってしまったのだった。 797 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 03 15 42.76 ID JLlN+KEOo 胡桃の好感度がグーンと上がった! ホントアイデア出してくれて助かります。 安価SSはこれがいいね! じゃあそろそろ咲さん来襲させるか… また書き溜めるやでー 856 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 08 20 32.22 ID 62kNzCSR0 京太郎がジュースと間違えてお酒を飲ませちゃって、 みんなが酔ったらどういう風になるか見てみたい シロが笑い上戸になったらたまらんなあ… 857 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 09 00 09.31 ID U2lYMC1Z0 塞さんは絶対泣き上戸だな 塞「私はシロみたいに大人しくないし豊音みたいに胸も無い、ましてや胡桃みたいに可愛くもない…」 塞「私なんて…ヒック…どうせ私なんて…エッグ…うわぁぁああああん!」 みたいな 858 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[] 投稿日:2012/07/31(火) 09 10 41.36 ID thIzPD43o 857 エイスリン…… 859 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga] 投稿日:2012/07/31(火) 09 15 23.58 ID 62kNzCSR0 857 エイスリンは塞さんや胡桃とは違うベクトルの可愛さだから(震え声) エイスリンは外国人だしガバガバ飲んでも、ケロッとしてそう ただ、絵がピカソみたいな前衛芸術になるだけのはず 860 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 09 29 26.61 ID U2lYMC1Z0 ぐわああああ素で忘れてた エイスリン「アツクナッチャッタ…」ヌギヌギ 京太郎「せ、先輩、こんな所で脱がないで///」 エイスリン「スガクン…」ダキッ 京太郎(抱きつかれた!) エイスリン「スガクンダイスキ…ズットイッショダヨ…」 京太郎「」 俺はこうであって欲しい(震え声) 863 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 10 02 32.78 ID 62kNzCSR0 ここまで酔ってる姿が想像されない姉帯さんは酒豪の可能性が微レ存…? 誰か予想してほしいよー ちなみにここまでの酔い姿予想 胡桃 説教+絡み ただし相手は信楽焼 塞 泣き上戸 シロ 抱きつくor普通の女の子に エイスリン ケロッとするor脱ぐorニコニコ 866 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 10 19 01.15 ID uteeS1n90 863 皆酔ってるのに、自分だけ平気な姉帯さん なんだかみんな積極的にアピールし始めて、危機感を覚える姉帯さん 酔った振りしてアピールしようとして、自分でも予想外の行動に出てしまう姉帯さん 結局恥ずかしくなってヘタレる姉帯さん 867 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 10 19 42.59 ID JLlN+KEOo 姉帯さん誰も書いてなかったか 姉帯さんはずっとあははーって笑ってるよ 笑いどころは意味不明 豊音「あははー、須賀くん須賀くん、ハイボールだってー」 豊音「全然ボールじゃないのにねー」アハハ 京太郎「???」 878 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 12 28 08.10 ID JLlN+KEOo ちょくちょく投下が来て嬉しいな お前らの書く宮守メンバーが見れるだけで立てた甲斐があったわ 書いたことないって奴もどんどん書いてみようぜー 【酔ったシロ】 シロ「……」ギュッ 京太郎(抱きつかれた!?) 京太郎「あの、シロ先輩どうかしました?」 シロ「……」 シロ「充電…」 シロ「ダメ…?」 上目遣いで尋ねる先輩。 ダメじゃない。 京太郎「いえ、俺なんかで良ければ存分に充電して下さい」 シロ「ん……♪」ギュウ 887 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 13 35 39.25 ID JLlN+KEOo 正直自分もこの雰囲気気に入ってるけど、それに甘えてグダグダしてしまうのはいかんな 切り替えてこ とりあえずここまでの流れまとめたやでー プロローグ はじめに出会った人→姉帯さん 始めての麻雀→判定失敗 1日目 姉帯さんと散歩→成功 胡桃ちゃんと喫茶店でお茶→成功 2日目 宮守メンバーと麻雀しつつお喋り、余ったシロは京太郎の膝の上で充電という名のだらだら→成功 姉帯さんと特訓→失敗(豪盲牌) ランクアップ 3日目 胡桃と特訓するぞ!特訓するぞ!特訓するぞ!→成功 塞と特訓→成功 4日目 エイちゃんと特訓→大成功 塞の麻雀レッスンを受ける→成功 5日目 シロと特訓して添い寝→大成功 ランクアップ 皆でプールに行こう(提案)→大成功 6日目 エイスリンと練習→成功 ランクアップ 豊音先輩と特訓→大成功 7日目 シロとだらだら→成功 塞さんと特訓→成功 8日目 トシ先生との出会い 強化→失敗 全体特訓→成功 全員でお茶会→成功 胡桃ランクアップ 9日目 塞と特訓するぞ×3→成功 塞ランクアップ 立派なお餅をお持ちのとよねぇにマッサージをしてあげよう(提案)→成功 10日目 みんなで特訓→失敗 次回以降の(性的な)マッサージにマイナスの補正がかかる 胡桃とお出かけ(喫茶店)→成功 11日目 咲さん来襲(京ちゃんにラッキースケベイベント発生。なお押し倒して乳とか揉んだその瞬間に「来ちゃった」と満面の笑みで咲さんが扉を開ける模様)→??? 日程は大会までの猶予14日→団体戦が5日→個人戦2日→全国までの猶予〇〇日→全国大会→ロスタイム かな? 〇〇は7日くらいを想定してる 896 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 13 57 46.23 ID JLlN+KEOo 【現在のステータス】 [麻雀力] 小瀬川白望 麻雀力A スキル【マヨヒガ】 エイスリン 麻雀力B スキル【理想の牌譜】 鹿倉胡桃 麻雀力C+ スキル【カクラサマ】 臼沢塞 麻雀力A- スキル【塞の神】 姉帯豊音 麻雀力A+ スキル【先負】 須賀京太郎 麻雀力C スキル 【なし】 もうちょっとで上がりそうなメンバーも結構いるよ [好感度] 豊音>シロ>胡桃>エイスリン>塞 仕事の詳細聞いた結果、今日はちょっと投下無理そうです。申し訳ない 915 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 00 33.52 ID JLlN+KEOo そろそろ時期的に試合の進行も解説しておいたほうがよさそうですね 次スレのテンプレに入れようかと思ってたけど、ここで解説してしまおう とりあえず省略なしのルールを説明していくね 例 片岡(ランクB) 神代(ランクB+) 上重(ランクC) シロ(ランクA)の対戦の場合 (スキルは無視) ・まず最低ランクである上重を基準に、補正を決定する。ランク差1毎に補正+5。 ・これにより、片岡に+15、神代に+20、上重に±0、シロに+25、という補正が決定する 917 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 06 25.38 ID JLlN+KEOo 【試合進行】 --- 東一局 片岡 1 神代 2 上重 3 シロ 4 打点 5 --- のように安価を出す。 1-4のコンマの数値+補正の値が「和了判定」となる。 ・和了判定の大小で和了者を決定する。 ・和了判定が奇数で自摸和、偶数で栄和となり、栄和の場合は「和了判定」最小のものから点数を奪う。 ・打点はコンマと打点を対応させた表を用いて計算する。 925 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 14 45.53 ID JLlN+KEOo 921 すまん30やな。数え間違えた ちなみに実際に 1-4で計算すると、 片岡9+15 神代98+20 上重33 シロ8+30 となり、神代の和了。 判定の数値が偶数なので片岡からの栄和となる。 打点判定は02なので1000点である。表はいずれまた載せます ・これを繰り返して試合を進行します。 ・ぶっちゃけ全試合全局これをやってる余裕は多分ないので、 基本は 1がこのルールに基づいて乱数表で闘牌シーンを作り、重要な場面のみ安価で参加という形になると思います。 927 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage ] 投稿日:2012/07/31(火) 15 18 47.03 ID T9/1CPAVo 条件戦はどうなるんだろ 例えばシロが神代から5200直もしくは8000ツモで逆転のオーラスで、シロが1000点を上がることはない気がするが 930 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 22 14.87 ID JLlN+KEOo 【スキルについて】 先程の判定はスキル無視で行いましたが、 例えば片岡選手のスキル【東場の王】は東場の和了判定に+30、打点判定に+10の補正を加えるスキルなので このスキルを無視しない場合、振込みを行ったのは上重になります。 もちろん神代にも上重にもスキルはあるのですがここでは割愛します 927 先鋒戦ならあり得るのではないでしょうか。 オーラスで逆転条件がある場合には和了判定に勝利した上で難易度判定に挑む、という形になると思います。 931 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 15 24 42.77 ID JLlN+KEOo 930 オーラスで逆転条件がある場合→大将戦オーラスで逆転条件がある場合 とりあえずこんなところですね。質問があればどうぞー 932 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 30 43.38 ID 5tAywIlAO 安価によっては先鋒でとばす可能性もとばされる可能性もあるんか? 933 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 31 42.02 ID SWV7/hHxo ありえないとは思うけどロン和了のときに最小値が二人いたりした場合はどうなるんだろうか 934 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 33 21.78 ID AM8iwMRF0 能力の相性は今回はガン無視ってことでおk? 例えばエイちゃんvsワカメみたいな 936 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/31(火) 15 38 31.20 ID JLlN+KEOo 932 10万点削り切るのはかなり厳しいのではないかと思ってます。可能性はありますけどね 933 最大値、最小値が複数いた場合は同コンマ同士で再判定。 ダブロンはなしです。 934 エイスリンの能力【理想の牌譜】は大きな和了判定修正を持ちますが 「場を乱す系統の打ち手」の存在で無効化されます。ワカメとか純君とか 942 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 50 34.45 ID X76pB2oH0 親番流そうとしたりはやあがり狙いのときはどうなるん 944 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 53 54.96 ID JLlN+KEOo ワカメが悪いというよりは闘牌シーンキンクリがなぁ 不人気が悪いんや エイスリンもそうだけどのよーさんとか眼鏡巫女とか、もっと掘り下げて欲しかったよね 942 それはコンマ次第としか。申し訳ない そのようなスキル(打点を下げて判定アップ)を持っている人はいます 945 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 57 01.18 ID ltAF7ult0 チーム内での序列はともかく他校を含めたランク付けは荒れるかもなぁ チーム内での序列はともかく他校を含めたランク付けは荒れるかもなぁ 946 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 15 59 30.97 ID zvupTjz20 ワカメも嫌いじゃないからウザいだの嫌いだの言われると複雑だな… 宮守勢も好きだからキンクリを許せない気持ちも分かるけど 945 ランクづけは 1の基準で任せればいいと思う こいつはこうだろとか議論してると話が進まなくなりそうだし 947 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[sage] 投稿日:2012/07/31(火) 16 02 50.90 ID JLlN+KEOo 945 ランクは議論スレから持ってきたランク表の中で、比較的納得出来た物を使用しています(但し非オカルトをランクアップさせるなど一部改変) 強さ議論は避けてもらえると助かるかなぁ 946 僕もまこは嫌いじゃないですけど、あの回だけはガッカリしちゃいましたね… 他の闘牌のように、かませキャラにも見せ場が欲しかった!
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誠子「んぐんぐ、うまいうまい」 京太郎「朝から食欲いいっすね……」 誠子「食べ盛りだからね、その分運動してるし」 照「羨ましい……朝は低血圧」 小蒔「えっと、朝はあまり食べないので」 京太郎「まあ、目の前で美味しそうに食べてるのを見て嫌な気分はしませんけどね」 照小蒔「「!!!!!」」 京太郎「というか、誠子さん。口にソースがついていますって」フキフキ 誠子「おおっ、悪いね。いやー、こういうのってお姫様みたい?あっはっはっ」 小蒔「……むぅ」 照「私達も口元にソースを付けるべき」 小蒔「そうですね、ここは協力して」 京太郎「聞こえてますよ、二人共。特に照さんは一番年上なんですから」 照「年齢は関係ない。アラフォー実家ぐらしがいるように」 京太郎「それ関係ないっすよね!?ってどうしたんです、小蒔さん?」クイックイッ 小蒔「口元にソースがつきました!」 京太郎「……はい、ティッシュです」 小蒔「……」グスン 京太郎「そんな涙目で見ても駄目です」 小蒔「……」プックリン 京太郎「膨れっ面をしないで下さい」 照「…………」ジーッ 京太郎「見つめても無駄です!」 誠子「……頭が痛くなる光景だね」 照「誠子は後で私と半荘三十回」 誠子「理不尽すぎると思うんですが……」 小蒔「羨ましいから仕方ないですっ!私もして欲しいですっ!」ズズイッ 照「同感、同感」 京太郎(俺もやられっぱなしは癪だ!ここは心を鬼にして!) 京太郎「あ、誠子さん飲み物なくなってますね。俺もなくなってるんでついでに取ってきますよ」 京太郎(誠子さんだけにやさしくしよう!二人のぐぬぬ顔見れるし!!) 誠子「お、サンキュー。でも、私も行くよ。スープバー行くし」 京太郎「そうですか、それじゃあ一緒に行きましょうか」 小蒔「…………」プックリ 照「おかしい、こんなことは許されない」 小蒔「羨ましいです、私も京太郎さんに色々とお世話……」カアアアッ 照「須賀君はああ見えて尽くす人だから」 小蒔「そうですね。でも、そんな京太郎さんを支えてあげたいなって」 照「……好きなの?」 小蒔「!?!?!?!?」 照「いや、驚かなくても。わかりやすいから」 小蒔「……そ、そうですか?」 照「うん」 小蒔「でも、結果が実りません……」 照「諦めたら負け、恋は勝ち取るもの」キリッ 照「かく言う私も男性女性どちらの経験も豊富」 京太郎「…………」 誠子「いいのか?先輩方をあのままにして」ヒソヒソ 京太郎「ま、大丈夫でしょう。 それに、引っ込み思案の照さんに友人ができるのはいいことでしょうし」 誠子「だね。卓上では怖い人ってイメージしかないから近寄りがたいらしいから」 京太郎「そうなんですか?」 誠子「そうなんだよ。後は、嫉妬やらなんやらかんやらで色々あるのさ」 京太郎「……」 誠子「君が気に病むことじゃないさ。こっちの話はこっちの人間が解決すればいい」 誠子「だから、君は自分の周りのことだけを考えていればいい」 京太郎「はい……」 誠子「それと、君自身のこともね」 京太郎「へ?」 誠子「何を呆けているのさ。自分を大切にしないで周りを大切にできる訳ないだろ? 君自身の夢を諦めるなってことさ」 京太郎「あ、ありがとうございます」 誠子「うん、それじゃいい時間だし出ようか。先輩ー、そろそろ部長達が心配しますよー」 照「無視すればいい」 誠子「駄目に決まってるでしょう!」 照「大丈夫、今日の練習は午後から」 小蒔「京太郎さん京太郎さん」ジーッ 京太郎「……?」 京太郎(どうしたんだろう、いきなり……) 京太郎(そうだな、ここは自分の気持ちに正直になろう) 小蒔「」ウズウズ 誠子「はいはい帰りますよ-」 照「やだ」 京太郎(それに朝のファミレス、マジ人少ないから大丈夫だろ!) 京太郎「愛しています小蒔さん!(大声)」 照亦「」ブーーーーーーッ 小蒔「――――ふぇ?」 京太郎「誠子さんに言われたんです、自分の周りのことを考えろって」 京太郎「思えば、俺は小蒔さんにちゃんと好きだって言ってなかった気がしたんです」 小蒔「あ、え……」アワワ 照「ちょっ」 誠子「はいはい邪魔しちゃ駄目ですよー」 照「」モガモガ 京太郎「昨晩の件、すごく嬉しかったです」 京太郎「正直、俺は今でも自分の気持がわからないけど。 小蒔さんのことは好きで、愛してると言ってもいいぐらいで」 京太郎「そ、それだけ言っとかないとって思ったら大声になっちゃったというか!」 京太郎「つ、付き合うとかまだわかんないし巴さん達も好きだし!」 小蒔「え、っとですね?とりあえず、落ち着きましょう」 京太郎「すいません、小蒔さん。その人照さんです。俺こっちですよ!こっち!」 小蒔「京太郎さんが二人ってことですか?」 誠子「……完全に頭がパンクしてるね」 照「私にも愛してますって大声で」 誠子「店員の目も痛いしさっさと退散しようか」 京太郎「あ、はい。小蒔さん逝きますよー」 小蒔「京太郎さんが三人、四人ですね。すごいですね」カオマッカー 京太郎(……やっぱり愛してるは言い過ぎだったかなあ) 誠子「で、いきなりアホらしい深夜テンションで大声を上げた須賀京太郎君」 京太郎「反省はしてますが、後悔はありません」キリッ 誠子「うん、もういいわ。めんどくさいから。 それより、私等はいい加減戻るね。さっきから部長からのコールが鳴り止まないんだ」 京太郎「取らないんですか?さっきも言ってましたけど心配してるって」 誠子「どうせ、説教だからいいのいいの。それよりも、これから帰るんでしょ?」 京太郎「はい、そうっすね」 誠子「ということは、これからエロいことを神代さんとする訳?」コソッ 京太郎「はぁ!?」 誠子「だって、愛してるんでしょ?愛さえあれば、関係ないよね!」 京太郎「ありますから!俺まだ付き合ってないですから!」 誠子「何言ってだこいつ」 照「誠子、疲れた」 小蒔「京太郎さんがいっぱいですねー」 誠子「……まぁ、ともかくこれから家に帰るんでしょ? それならやっちゃえばいいんじゃないかな」 京太郎(えっ……えっ!) 京太郎「…………」 誠子「どうかしたの?」 京太郎「い、いえ」 京太郎(何でハギヨシさんを思い浮かべちゃったのかなぁ……) 京太郎(薔薇の花弁と裸のハギヨシさん) 京太郎(アリですね……) 京太郎「な訳ないから!」 誠子「うおっ!」 京太郎「すいません、取り乱しました」 京太郎「とりあえず、俺達は家に帰ります。後、やりませんから!」 誠子「残念。修羅場が起こるかもって期待していたのに」 京太郎「しないで下さい。小蒔さん、いい加減起きて下さい」ペチン 小蒔「わっ!あ、あれ……私達はファミレスにいたんじゃ」 京太郎「寝ぼけてるんじゃないんですか、帰りますよ-」 誠子「それじゃ、ここでお別れだね。また会えるといいね」 照「バイバイ誠子。誠子のこと嫌いじゃなかったよ……」 誠子「いや、先輩はこっちですから」ズルズル 照「……ぐすん」 京太郎「さてと、家に帰りましょう」 小蒔「…………」ポヤーッ 京太郎「小蒔さん?」 小蒔「すいませんっ、ちょっと寝ていましたっ」 京太郎「立ちながら寝れるんですか!?」 小蒔「なぜか出来るんです、麻雀をやりながらも寝れますよ!」 京太郎「自慢じゃないですよね、それ……」 小蒔「わ、私もなるべく起きるようにはしてるんですけど、どうしても眠くなっちゃうんです」 京太郎「……何かの病気だったりするんですか?」 小蒔「違います違いますっ。…………多分」 京太郎「本当に大丈夫なんですか……」 家に到着 初美「…………」 初美「………………」 初美「……………………」 京太郎「」 小蒔「な、なんでしょうか。いつものはっちゃんじゃないような」 京太郎(そらそうでしょうね!何の連絡もなく朝帰りですから!しかも小蒔さんと!) 京太郎(常識的に考えて致したと思われてもおかしくはないし) 京太郎(いつもなら、ここで俺はお説教になるパターンだけど今回は違うぞ!) 京太郎(ホテルで、小蒔さんに説得要員としてお願いしておいたんだ!) 京太郎(これで勝つる!俺がノータッチだってことを説明してくれるはずだ) 京太郎「じゃあ、行きましょう!」 初美「ほう、正面から堂々と帰ってくるなんていい度胸じゃないですか……」ピキピキ 京太郎「そりゃ、やましいことがないんで」 小蒔「そうですよっ!」 初美「くかーーーーーーっ!そんな言い訳に騙される私だと思わないでくださいよー!」 初美「何の連絡もなく、私達がどれだけ心配したと思ってるんですー!」 京太郎「携帯の電池が切れちゃって……ほんと、すんません!」 初美「……むぅ。でもでも、他にも色々と連絡する手段があったと!」 京太郎「そこは、パニクっててですね」 初美「そもそも、どうして朝帰りなんです?もしや……京太郎が姫様を騙して襲っ……」 京太郎「な訳ないでしょう。桜島観光をしてたら終電乗り過ごして、携帯の電池も切れて! 何でか知らないんですが、公衆電話も見つからなかった!」 小蒔「何もやましいことはしていません!はっちゃん、私達を信じれませんか?」 初美「ぐぬぬ……し、信じたいですけど-」 京太郎「安心して下さい、小蒔さんは無傷です!全然初もごぼっ!」 初美「……女の子の前でそういう発言は駄目ですよー」コカンキーック 京太郎「いひゃい、れす、そこは、だめででで」 初美「自業自得だから仕方ありませんねー。それよりも、姫様」 小蒔「は、はい……」ビクビク 初美「皆、すっごく心配したんですからね。今度からはちゃんと計画的に観光して下さい」 初美「そこでうずくまってる変態もいいですかー!」 京太郎「わか、ったんで……股間を執拗に蹴るのはやめてーーーーー!」 京太郎「久し振りの我が部屋!」 京太郎(何でかすっげぇ久し振りな気がするのは一体……) 京太郎(ともかく、疲れたことだし) 京太郎「そういや、あれからメール見てないな」 京太郎(うーん、結構な数が来てるけど……どれを見ればいいんだ?) 京太郎(面倒くさいから一つだけ見ておこう) 京太郎「…………これって」 【須賀君、さっきぶり。実は周りの皆が私のツモを馬鹿にするの。 私は他の皆と同じように打ってるだけなのに……とても悲しい。 それで、須賀君なら私は普通だって証明してくれると思ってメールしたの。 できれば、永水女子の人達を連れて合同練習といった感じでいこうかなって。 返事、待ってます】 京太郎「…………」 京太郎「正直、見なかったことにしたい」 京太郎(まあ、白糸台との合同練習となれば小蒔さん達も喜ぶかもしれないし) 京太郎「聞くだけ聞くか-」 霞「練習ねぇ……私はどちらでもいいけど」 春「行くの、面倒くさい……」ボリボリ 小蒔「……ぐぅ」 巴「正直、裏があるとしか思えませんよねぇ」 初美「怪しいですよー!きっとそのまましゃぶり尽くされてしまいますよー!」 京太郎「ですよねー。まあ、無理にとは言ってませんし、いいんじゃないんですか」 霞「じゃあ、そういう方向で。それよりも、朝帰りについての説教がまだ」 京太郎「いやいやいやいや!もう十分ですから!!」 霞「うふふ……」 京太郎「笑わないでくださいよ!怖いですって、いやマジで!」 照「…………」ポチポチ 照「……」ジュシンゼロ 照「…………」グスッ 照「まだ、わからない。もう少ししたら来る」 照「…………」カチポチ 照「須賀君……」ウルウル 照「…………!」ジュシンイッケン 照「来た……!」カチカチカチカチ 照「…………」メイワクメール 照「……まだ、わからない」 照「きっと、来る。返信が来る」 ~一時間後~ 照「……メール、来ない」 照「来たのは、迷惑メールだけ」 照「迷惑、メール……だけ」プルプル 菫「おい、早く対局場へ戻って……ってお前何どんよりしてるんだ?」 照「菫、私……嫌われてるのかな」プルプル 菫「はぁ?いきなり何を言い出すんだ」 照「メール送ったのに、返信来ない。ずっと待ってるのに」 菫「そりゃあ、相手によってはすぐ返信なんて来ないだろ」 照「須賀君はそんなことない」 菫「……いや、な。須賀君も忙しいかもしれないし」 照「朝会った時は暇そうだった」 菫「それとこれとは……って朝抜けだしたのか、お前!ったく、何考えてるんだ」 照「ファミレスに行きたかった、反省している。それよりも、メール」イッケンジュシン 照「……!!!」パアアッ 照「」メイワクメーール 菫「……」 照「……」 照「まだ、諦め」 菫「諦めろっ!いいから練習に戻るぞ!」 照「……」グスン 京太郎「いやぁ、まったりですねぇ」 霞「あ、お茶のおかわりはいるかしら?」 春「私もいる」 小蒔「zzz」 巴「お茶菓子は足りますよね?」 初美「…………」 霞「あ、京君はアイスティーでいいかしら?」 春「砂糖をサーッ」 巴「よくわかりませんけど、不吉な言葉ですね……」 初美「ううっ、ううううううっ!」 初美「うええええええええいい!何なんですかーーー!このいかにもほのぼのな日常空間はーーー!!!」 巴「いやいや、元々はこんなまったりとした感じじゃないですか。ハッちゃん」 京太郎「何故かやることがない手ぶら状態なんですし、まったりしましょうよ」 初美「それじゃあ面白く無いんですーーー!: 京太郎「……えー」 京太郎(どうすっかなー、このままだとめんどくさそうなことになるけど) 京太郎「……」ハア 初美「ふふふふーーん!何だかんだで相手をしてくれる京太郎は最高ですよー」 京太郎「腹パンしたいドヤ顔やめてくださいよ……まるでどこぞのスカイダイビングアイドルじゃないですか」 初美「そこまでひどくないですよ!?」 京太郎「ともかく、いい子いい子ー」ナデナデ 初美「ふへへ……ってごまかされてます!?」 京太郎「チッ」 初美「露骨にも程がありますー!」 巴「どうどうどう」 初美「馬じゃないですよ-!!!!!」 京太郎「っとまあ、ハッちゃんが無駄に元気なのはともかく」 初美「プンスカですよー!」 京太郎「今更ですけど、男一人女五人ってすげぇ状況ですよね?」 初美「よくあることですよね?漫画でもお決まりのシチュエーションですよ」 京太郎「つーことは、この中で……」 巴「??」 京太郎「いや何でもないです!」 初美「途中で切らないで下さいよ……気になるじゃないですかー」 京太郎「ほんと、どうでもいいことなんで。ただ、俺って恵まれてるなーって」 京太郎(危ねぇ……恋愛関係になったりー!なんて冗談言いそうになったぞ……) 京太郎(仮にも告白してきてる女の子の前でそれは駄目だろ!) 京太郎(はぁ、いい加減色々と決めるとこ決めねぇとなぁ) 初美「???」 京太郎「ほっぺたぐいーん」 初美「な、にゃにすりゅんですー!」ムニムニ 京太郎「よく伸びそうなほっぺただったんでつい」 初美「むゆーーー!」 春「……馬鹿ばっかり」 巴「まあまあ」 霞「仲良き事は美しき哉。気兼ねない関係っていいわねぇ」 小蒔「zzz」 京太郎「まったりだったなあ」 京太郎(しかし、ハッちゃんはどうしてあの痴女スタイルを貫くんだろうなあ) 京太郎(さってと、どうすっか?) 京太郎「そういえば、巴さんから何か本を貸してもらうって約束をしてたな」 京太郎「……暇だし行くか」 ~~巴の部屋前~~ 京太郎(まあ、同じ家の中だし時間はかかんねーよな) 京太郎「巴さーん、入りますよー」 巴「ちょ、待って!」 京太郎(待てと言われて待つ俺じゃない!だが、普通に入るのも面白くない!) 京太郎(同じ金髪のデュエリストが言っていた!エンターテイメントは大事にって!) 京太郎(ここは――ローリングをしながら入る!それも勢い良く!) 京太郎「行くぞ……!」 京太郎は襖を乱暴に開け、身体を横に倒す。 そのまま勢い良く、宙を舞う!それは、さながら走り高跳びの選手のように! 横への回転は強くしなやかに。ただ転がるだけじゃない、見る者全てを魅了するかのようなローリングを! 京太郎「跳べよおおおおおおおおお!」 回せ、廻せ、舞わせ――!今の自分は回転の鬼才、須賀京太郎なのだ。 畳を転がる時でさえ、気を緩めない。それが、エンターテイメント! だが、回転は永遠には続かない。始まりがあれば終わりがあるのだ。 京太郎渾身のローリングもやがて勢いをなくし、動きを鈍くする。 その終点は、大きく、ぶ厚く、それはまさに壁だった。 ヒキガエルの悲鳴にも聞こえる呻き声を上げ、京太郎のローリングは終わりを迎えた。 京太郎「どうでしたか!巴さん!!!」 目を見開き、爽やかスマイルを見せる京太郎であったが、一つおかしなことに気づく。 彼女の顔が見えないのだ。おかしい、確かに声は部屋の中から聞こえたはずだ。 視界は部屋と2つに割れた肌色だけ。 京太郎(肌色?) ここで京太郎は疑問に思う。何故、肌色なのだと。 巴「あ、あ」 何だ、声は聞こえるじゃないか。巴は自分のローリングを見ていてくれたのだ! これを恍惚と呼ばずして、他に何を叫べばいい! 京太郎は興奮のあまりそのまま立ち上がる。 だが、その動作は最後まで遂行されることはなかった。 途中で柔らかい感触に阻まれたのだ。むにゅんとした何かに顔を突っ込んで、京太郎はバランスを崩す。 巴「ひゃあっ!」 京太郎「おわっ!」 そのまま、京太郎は地面に縺れるように倒れこむ。 鈍い痛みが全身に響く。しかし、それよりも上に乗っかかる重みは何なのだろう。 この重さが痛みを増幅させた元凶だ、ああ、痛い痛い。 京太郎は、再び目を開けて現状を確認すると――。 巴「…………み、見ないでくれると嬉しいんだけど」 ――そこにいたのは、生まれたままの姿でぷるぷると震える巴がいた。 瞬間、京太郎は考える。先程、自分が突っ込んだ何かの正体を。 そして、導き出す。たったひとつの明確な答えを! 京太郎「巴さん」 巴「何かな?」 京太郎「柔らかかったです」 間髪入れずに、殴られた。 【Bestcommunication!】 巴「はい、何か言うことは?」 京太郎「やわらか」 巴「もう一回殴られたいかな?」 京太郎「やめて下さい申し訳ありません」 巴「はい、それじゃあもう一回聞きます。何か、言うことは?」 京太郎(ヤバイ、とりあえずすごくヤバイ!) 京太郎(あの温厚な巴さんが顔を真っ赤にして怒ってる!) 京太郎(かくなる上は、アレを!) 京太郎「巴さん!」ダッ 巴「へっ?」 京太郎「この度は」ジャーンプ 京太郎「誠に」クルルルルルル 京太郎「申し訳!」ギュルルルルルルルルル 巴「これは……極東の土下座の中でも随一を誇るあの技!?」 京太郎「ありませんでしたあああああああ!」 巴「トリプルアクセル土下座!」 京太郎「この土下座が巴さんへの最大の謝罪の証!」 巴(…………いやいや、訳がわからないんですけどね。何ですかトリプルアクセル土下座って) 京太郎「申し訳ありませんでしたーーーーーー!」 巴「う、うん。そこまで謝られたら……いいですってもう!今回だけですからね!次はないですからね!」 京太郎「本当ですか!やったー!」 巴「そういう悪ふざけは、他の人達にはやったらだめですからね」 京太郎「了解っす!いやあ、巴さんの裸、綺麗でしたよ。これだけで生きていけるっていうか」 巴「何あほなこと言ってるんですか」 京太郎「本当のことですしー。あ、いたいいたいほほつねらないでくだひゃい」 巴「…………本当に、馬鹿みたい」 巴「それで、結局は何の用です?まさか、今の茶番をやる為だけに来たんですか?」 京太郎「いやいや、そんなことないですって!丁度暇だったんで、巴さんと何か話したいな~って」 巴「はぁ……私なんかよりも姫様やハッちゃんの方が食いつくと思いますけど」ジーッ 京太郎「あ、あはは……」 巴「笑って誤魔化さないで下さい。いい加減決めたらどうなんです?」 京太郎「……ハイ」 巴「と、まあお説教臭くなりましたけど。心配してるんですからね、その内後ろから刺されないか」 巴「恋する女の子は怖いですよ?」 京太郎「俺も刺されるのはちょっと……」 巴「なら、さっさと決めなさいな。死ぬのは嫌でしょう?」 京太郎「……はい」 巴「よろしい。もちろん、君自身の気持ち優先でね」 巴「それとも、全員選びますって豪胆な考えでもあるなら別ですけど」 京太郎「俺の身体がもちませんってば……色々と辛くてめげますよ!」 巴「だと思う。うん、頑張れ若者」 京太郎「巴さんだって同じ若者じゃないですか。そもそも、俺と歳そんなに変わらないでしょう」 巴「それでも、私はお姉さんですからね。先人は後に続く者を導くってね」 巴(これで、いい) 京太郎「あはは、なんすかそれ」 巴(うん……私はこの位置でいい) 巴(下手に進んで怪我はしたくありませんし) 巴(だから――駄目。駄目なんですよ) ――自室 京太郎「……」 京太郎(俺が、好きな人かぁ) 京太郎「ああああああああああ!!!わっかるわけねー----!」 京太郎(そもそも恋って何だ、食えるんですかぁ!の俺にんなことわかるか!) 京太郎「…………叫んだら、あっちぃ」 京太郎「縁側に涼みに行こ……」 京太郎「こればっかりは誰かに相談できるもんじゃねーよなぁ……」 京太郎(ハッ、なっさけねーの) 京太郎「……」 巴「……何ですか、その顔は」 京太郎「いや、さっきかっこつけて部屋から出てきたのに締まらないなあって」 巴「今更何を。元から緩みっぱなしじゃないですか」 京太郎「否定出来ない自分が憎いです」 巴「否定する気がない癖に」 京太郎「……」 巴「……」 京太郎「ククッ」 巴「ふふっ」 京太郎「……鹿児島に来てからまだちょっとしか経ってないんですよね、俺」 巴「ええ。まだまだこれからですよ」 京太郎「色々とありましたよ。美少女にも会えて嬉しい経験盛りだくさんでした」 巴「それを私の前で言う?」 京太郎「巴さんも美少女ですしね」 巴「……そういうことをさらっと言うからたらしなんですよ」 京太郎「本音はちゃんと出さないと破裂しちゃいますから。巴さん可愛い」 巴「取ってつけたように言わないで下さい!」 京太郎「顔がほんのり赤いですよ?」 巴「赤くないですってば!」 京太郎「そうやってムキになるところも可愛いんですよ、ええ」 巴「ちょ、やめてってば……もう……っ」 京太郎「いつもいじられっぱなしなんでたまにはやり返したくなるんですよ!」 巴「子供ですか!」 京太郎「まだ子供でしょう、俺も巴さんも」 巴「……むぅ。一理あるけどさ」 京太郎「でしょう。だから、俺は」 巴「それとこれとは別。悪くないなんて言ったらはっ倒しますよ?」 京太郎「それは勘弁して下さい」 巴「……あの、」 京太郎「はい?」 巴「やっぱりいいです」 京太郎「……」 巴「そんな恨みがましい目で見ないでください」 京太郎「オレは想うんですよ、本音はちゃんと出すべきだって」 巴「出さない方がいいこともあるのよ」 京太郎「だけど、相手は俺じゃないですか」 巴「君だからこそ言えないこともあるの」 京太郎「俺だから?」 巴「わからないならわからないでいいです」 京太郎「???」 巴(…………抑えきれないのかなぁ) 巴(思ってたよりも、想っているってことですかね) 巴(好きって言えないのが、こんなにも辛いなんて) 巴(素直になれないのは、私の方なのに) 巴(…………) 恋をした。 言葉にすると簡単ではあるが、実際の所よくはわからない。 誰々を好きになって、告白をして。 運が良ければ付き合って、価値観の相違が原因で別れたり。 恋を起点に、俺らみたいなのは一喜一憂したりするんだろうけど。 「……はぁ」 それが、いざ自分のことになるとこうも困惑してしまうのは、全く持って困ったことだ。 好意を向けてくれる少女という存在を前にして、俺は悩む。 誰が好きなのか、この胸に渦巻いている熱情は本当に恋なのか。 恋か、それともちょっとだけ深くなりすぎた友情か。 何もかもが初めてで、答えが出ない。 今もこうして、布団に横になっているが、背負う気持ちが重すぎて寝ている気がしない。 畜生、恋愛。俺を金縛りにしやがって。いつか、全力でぶん殴ってやる。 「素直になるっつっても、どうするべきなんだかね」 もっとも、ぶん殴る対象は、答えが出ない俺を見てクスクスと笑っているのだ。 たったひとつの冴えた答えは、頭から抜け落ちている。 わかっているのは、このままの関係を続けるのだけは違う。 それだけは正しいと思った。 いつまでも絶えることのないぬるま湯に浸かり続けて、楽な日常を送る。 きっと、それは誰もが望んでいて、誰もが否定しているものだろう。 前に進んで、停滞していた関係を踏み越えておいて、今更やっぱりずっとこのままだなんて虫が良すぎるし、何よりも嫌だ。 ともかくだ、このままじっとしていても始まらない。 悔しいことに、このままだと答えを出せぬまま、一日を終えてしまうのだから。 「外にでも、出っかな……」 何の気もなしに、俺は目をカッと見開いて天井を望む。 ――動かなきゃ、押し潰される。 かったるい身体を無理矢理に起こして、ぐぐっと背伸びをする。 力の入らないフラフラの身体に喝を入れて、俺は部屋の襖をそっと開ける。 今頃、俺以外の住人は寝ていることだろう。騒いでしまったら迷惑だ。 気配りのできる青年で通っている須賀京太郎のイメージを壊すのはいけないことだ、うん。 部屋とは違う、少しだけ蒸し暑い空気を吸いながら、足音をなるべく立てず灯りのない、廊下を歩く。 鹿児島の夏は暑い。歩いているだけでも、肌に汗が浮き出してくる。 外に出たらもっと暑いんだろうなぁ。ああ、煩わしい。こういう時は北国が羨ましく感じる。 それでも、見ている世界は変わらない。眼の前に広がる空は、こんなにも――――。 月が綺麗な夜だった。煌々と金色の光を吐き出している丸い物体が、何故だかとても見入ってしまって。 柄でもない、俺みたいな脳天気を地で行く奴が月に見入ってしまうなんて恥ずかしくて言えやしない。 だけど。今の俺はどうかしちまったのか――掌を月へと、右手を伸ばしてそっと金色を掴んだりしてしまう。 ああ、重症だ。どうやら本気で俺の頭はイカれちまっているらしい。 見上げた空に落ちていく、とでも言えばカッコつけれるか?そいつは大層に傑作だな。 そうやって、カッコつけてるからわかんねーんだよ。 ―ふと視線を下げると“彼女”が自分に向けて笑みを向けていることに俺は、やっと気づく。 京太郎「つ、月が綺麗っすね」 ありきたり。平凡。そんな言葉を俺は、彼女に――狩宿巴に投げかけた。 巴「ま、そうですね。さっきまでの挙動は見なかったことにします。 で、何でここに?いい子は寝る時間ですよ」 京太郎「ははっ、なんというか、落ち着かなくて」 巴「珍しい、いつもは爆睡なのに」 京太郎「寝苦しいといいますか、ともかく寝れなかったんです」 金縛りになるまで考えてましたなんて、恥ずかしくて言えやしない。 このことは墓に入るまで持っていくとしよう。 もし、誰かに知られでもしたら――うわあ、恥ずかし、恥ずかしい! 死因、恥ずか死。現代に新たな死に方を刻んでしまうぜ、俺。 京太郎「巴さんはどうしてここに?」 よかった、ここにいるのが巴さんで。 ハッちゃんだったら、小学生ー!とか、馬鹿にされそうだ。 さすがにハッちゃんには言われたくない。ロリロリ体型に小学生とか絶対に言われたくねぇ。 巴「……同じ理由ですよ。何となく」 京太郎「そうですか、奇遇ですね」 沈黙。会話が続かない。何故なのか、いつもはもっとポンポンと言葉が出てくるはずなのに。 うーん、どうしてだか。コミュ強京ちゃん敗れたり!全くもって、笑えん。 それに、月明かりに照らされて、髪も下ろしている巴さんはいつもとは違った雰囲気で。 ――何というか、ドキドキする。 胸に渦巻く感情が、疼く。何にもしてないのに顔が熱くなって、巴さんを直視できない。 巴「……あの」 京太郎「……あの」 そして、この有り様である。口に出した言葉がかぶるとかどこの漫画だよ。 本当に、締まらん。呆れたため息の一つでもつきたくなる。 巴「そ、そっちから」 京太郎「いやいや、ここは巴さんの方から」 巴「……じゃあ、私から。決まった?」 京太郎「決まったとは?さ、さて何のことでしょう」 実は悩んで寝れませんでした、なんて言える訳がない。 純情少年まっしぐらな有り様は、さすがになぁ。 薄っぺらいけれどプライドが邪魔しちまうっての。 いや、もうこの真っ赤な顔でバレバレだと思うけど最後の一線は超えないんだ! 巴「意気地なし」 京太郎「はい」 巴「ヘタレ」 京太郎「はい」 巴「鈍感」 京太郎「返す言葉がございません」 巴「天然タラシ」 京太郎「いやそれは……はいすいません、睨まないでっ」 次々と巴さんの口から出てくる罵詈雑言は、俺をチクチクと突いてきて笑えない。 そりゃあ今までたくさん迷惑かけてきた訳ですし、否定はできないからさ。 だから、甘んじてこの口撃を受け入れるのが筋というか。 巴「……ま、今更ですけどね」 だって、最後は困ったような笑みを俺に向けてくれて。 巴「ホント、困った後輩ですよ」 いつだって、変わらずに、俺の手を取ってくれるんだ。 他の誰でもない須賀京太郎を真っ直ぐに見てくれる。 ただ、それだけのことが――俺にとっては何よりも幸せで。 だけど、甘やかしてばかりじゃなくて、時には突き放して。 普段は澄ました顔だけど、割と慌ててそそっかしいこともある巴さんのことを――。 京太郎「あ、そっか……」 やっと、わかった。 恋をする、なんて簡単なことだったんだ。 小難しく考え過ぎて、目の前が見えてなかっただけで、俺はとっくに――。 何が正しくて、正しくないか。 そんなの関係ないんだ。 単純に、好きなら好きって言えばそれで済む話なんだ。 受けいれられなかったらどうしようとか、これでいいのかなんて雑念、全部投げ捨てちまえ。 京太郎「巴さん」 巴「ん?」 今度こそ、間違えない。 自分が一番言わなければならないことを。 彼女の顔をはっきりと見て、伝えよう。 京太郎「好きな人、俺います」 巴「うん、知ってるけど」 今まで過ごしてきた期間は短いかもしれない。 それでも。それでも! 京太郎「俺が一番好きなのは、巴さんです。俺には、貴方しか見えない」 手を伸ばせば、彼女はそこにいるのだ。 なら、迷わない。もう、違わない。 京太郎「巴さん。好きです、俺と、付き合って下さい」 だから、俺はもう逃げないと誓おう。 好きという気持ちを、言葉にしよう。 巴「……本当に、私でいいの?」 京太郎「はい」 巴「私、姫様達みたいに目立ってないよ?」 京太郎「俺は一番、巴さんが可愛いと思ってますよ」 巴「か、可愛いって」 京太郎「自分に素直になった結果がこれなんで」 巴「いや、でもさ……」 京太郎「何を言っても、無駄ですよ。惚れちゃったからには、ちゃんと好きって言わないと。 自分の気持ちに区切りをつけろって言ったのは巴さんじゃないですか」 巴「う……」 京太郎「答え、聞かせてくれませんか?」 顔を真っ赤に染めて、そっぽを向いてる彼女はやっぱり可愛くて。 巴「えっと、その」 巴「ちょ、うん…………」 巴「……き…………」 京太郎「すいません、マジで聞こえませんでした」 巴「……好き、だって言ってるんです!私だって、好きですよ! ええ、悪いですか!悪く無いですよね!?」 まさかの逆切れである。いやいや、告白をしたら逆ギレされるってレアケースにも程があるよな! ま、でもいいか。 京太郎「んじゃ、抱きしめても問題ないっすよね」 彼女の身体を強く引き寄せて、抱き締めた。 おぼつかない、頼りない両手を少しずつ彼女の背へと這わせる。 巴「あの、ですね……名前で、呼んでも?今までまともに呼んだこと、なかったから……」 京太郎「はい、どうぞ」 巴「きょ、京太郎……っ」 うん、すごく気恥ずかしい。何だこの甘ったるい空間は。 ぶっ殺したい、ああ世界は俺達中心だぜって言うくらいに甘い。 だけど、それ以上に幸せで。 俺はここにいてもいいんだって認められているみたいで。 京太郎「ありがとうございます、俺を好きでいてくれて。俺を見てくれて」 巴「それを言うなら、京太郎だって……こ、こうやって面と向かって言うのは、恥ずかしいですけど」 京太郎「はは……でも、俺は言いますよ、だって巴さんが好きですから」 俺は、巴さんの身体を軽く離す代わりに、口を近づけて。 そっと、触れ合う程度のキスを交わす。 幸せだった。今だけは、辛かった過去なんて吹き飛んでしまった。 ――幸せ、だ。 きっと、この瞬間だけはどんなに辛いことがあっても忘れないだろう。 誰よりも愛しい彼女に触れることができる瞬間を。 彼女と寄り添いながら生きていける未来を。 俺と巴さん以外、全ての動きが止まった今、最後に思うのは。 幸せだった。それだけは間違いなんかじゃない、間違いにさせない。 例え、世界が崩れても変わらないものがあることを――俺は、忘れない。 【NormalEnd】
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【第四章復活Start】 良子「とりあえず、一件落着ということで」 巴「そうですねー、まあ全員生きててよかったですね」 ハギヨシ「ええ。辛く、厳しい戦いでした」 春「そして、結ばれる二人」 京太郎「いやいや、結ばれてないからな。どさくさ紛れに何を言ってるんだ」 春「チッ」 京太郎「キャラ変わってるよぉ!」 良子「夫婦漫才はそこまでにしておこう」 春「わかった」 京太郎「だから、夫婦じゃねーっつの」 春「京のいけず」 巴「それよりも、これからどうしましょうかね……」 良子「家に帰ればいいんじゃないかな。最も、そんなぼろぼろな姿を見られたら何が起こるかわからないけれど」 ハギヨシ「でしたら、私達の別荘へ招待いたしましょうか? 本来ならば、主の許可無く決めるのは執事としてはどうかと思いますが、事情が事情ですし」 良子「別に、私の家に全員で押し寄せてもいいんだけどね。狭いけど」 京太郎(うーん、どうしよう?) 京太郎「じゃあ、戒能さん家に突撃するということで」 春「良子さんの家……なにかでそう」 良子「ノーウェイノーウェイ、何も出ないから」 巴「ですよねー」 ハギヨシ「では、私は衣様の元へと戻らないといけませんのでこのあたりで……」 良子「遠慮しなくてもいいんですよ?一人増えた所で変わりはありませんし」 ハギヨシ「そうしたいのはやまやまですが……仕事があるもので」 また誘ってくださるならばぜひとも参上致しますので」 春「さすが執事。有能だ」 京太郎「そうですか……今回は本当にありがとうございました。感謝してもしきれません」ペコリ ハギヨシ「よして下さい。私は友達を助けたかっただけなのですから」 京太郎「それでも、です……本当に、ありがとうございました」 ハギヨシ「ふふっ……こうして感謝されるのも悪い気はしませんね。 では、皆様また会う日まで」シュタッ 良子「消えた……ブラボー」 巴「うーん、摩訶不思議な人ですね」 春「そういう問題じゃないと思うけど……」 京太郎「と、ともかく!行こうぜ、戒能さん家に!」 【良子の家】 良子「ここが私の家だ」デデーン 春「いつも通りのかっこいい部屋だね」 良子「褒めてもパンツァーファウストしか出せないよ、ハル」 京太郎「……えー」 巴「銃刀法はどこにいったんだろうね……」 京太郎「というか、おかしいでしょこの部屋ァ!何で至る所に重火器、刃物があるんですか!」 良子「来るべきに備えてだよ。もし、ゾンビが発生して武器が必要になったら困るでしょう?」 京太郎「あるか、そんなもん!」 良子「少年、これが現実だ」 京太郎「んな現実あるかああああああああ!!!」 春「京、落ち着く。良子さんの下着をあげるから」ポイッ 京太郎「え、マジで!?いぇーい!この部屋最高ーーーーーーーッ!」 良子「……」 巴「……」 春「……」 京太郎「ちょ、なんですか!そりゃあ綺麗な女性の下着を渡されたら喜ぶじゃないですか!」 良子「…………」ポッ 巴「またフラグを立てましたね!」 春「やったね!」 京太郎「何でだよ!綺麗な女性に綺麗だって言って何が悪いんだよ!」 春「このジゴロスキルですよ、巴さん」 巴「そうですね、はるるさん」 春「でも、年上よりも同年代が一番だよね、京」 巴「本当の所はどうなのかな、きょーちん」 京太郎「俺は……」 京太郎「俺は衣と添い遂げる!」 春「……」 巴「ひゅー」 良子「ロリコン……だと?」 京太郎(まあ、ここはそう言ってお茶を濁しておくとして) 京太郎「それよりも、四人寝れるんですか?こんなに物があるのに」 良子「ノーウェイノーウェイその心配はしなさんな」 春「確かに狭くて寝れないけど」 良子「夜を過ごすお供はあるんだな、これが!」パンパカパーン 春「全自動麻雀卓~」 京太郎「……えっ」 良子「これがあれば夜はバッチシだ、少年」 春「完璧だね、良子さん」 巴「…………」 良子「どうした、少年?ああ、そうか。麻雀ができないのか。それならば無理だな」 京太郎「いや、できますけど……その、俺は……」 巴「きょーちん!む、無理にやらなくてもいいんですよーぅ!」 京太郎(俺は、今まで逃げてきた) 京太郎(過去が怖くて……清澄からも、麻雀からも) 京太郎(それと、誰か大切な人もいた気がする。何でか、思い出せないけどな) 京太郎(わっかんねー…………どうするべきなんだろう、マジで) 春「……京が嫌ならやらなくてもいいんだよ?」 京太郎「はるる……」 春「京が麻雀に対して何か思う所があるのはわかってるから」 京太郎「……ありがとうな、気を使ってくれて」ガシガシ 春「ひゃっ」 京太郎「戒能さん、やりましょう」 良子「いいのかい、少年?」 京太郎「ええ、大丈夫です」 京太郎(ただの夜を過ごす為の遊びに何を悩んでるんだか) 巴「……へェ」 京太郎(一局ぐらい、平気さ) 京太郎「さあ、やりましょうか」 良子「まあ、最初は小手調べということで東風で」 春「わかった」 巴「妥当ですねー」 東一局0本場:親(京太郎) 配牌 京太郎(微妙……) 春(だめかもしれない) 巴(いいかも!) 良子(まだ慌てる時間じゃない) 京太郎(後少し……!) 春(無理ゲー) 巴(うん、聴牌。後は上がるだけ) 良子(諦めるって大事だよね、うん) 春(通るかな……)タンッ 京太郎「悪いな、ロンだ」パラララッ 京太郎「12000だ」 春「……京の嘘つき。全然弱くないじゃない」 良子(へェ……なかなかやるな、少年) 京太郎37000 春13000 巴25000 良子25000 ―――― 東一局1本場:親(京太郎) 配牌 京太郎(アカン) 春(取られた分は取り返さないと……!) 巴(んー。これは厳しいですねー) 良子(一応プロだからね、これぐらいは) 京太郎(持ち直した!このまま連荘するぞ!) 春(まだ、慌てる時間じゃない) 巴(出来れば止めたいんですけどねー) 良子(駄目だわ、これ) 京太郎(このまま押し切るッ!) 京太郎「リーチッ!!」 良子「通らないなあ、ロンだ」 良子「む……2000だ」 京太郎「高くなかったか……」ホッ 京太郎34700 春13000 巴25000 良子27300 ―――― 東ニ局零本場:親(春) 配牌 京太郎(ちょーっと微妙だな) 春(よし、京から取り返す) 巴(普通としか言えませんね) 良子(これはひどい) 京太郎(あー、だめだー-!!) 春(京待っててね……すぐに狙い撃つから) 巴(何か、私のこと忘れられてません?) 良子(もうどうにでもな~れ) 春「揃った。ツモ、点数は……」 春「500オール……うん、やすいね」 良子「むぅ……」 京太郎34200 春14500 巴24500 良子26800 京太郎(連荘か……くそっ) 京太郎(今は一位だけど……流れは持っていかれてやがる) 京太郎(遊びとはいえ、勝ちたい。飛んで負けるってのは嫌だ) 京太郎(は……俺、やっぱり捨てきれねーみてーだな、麻雀) 京太郎(勝ちたい、その為の力が欲しい) 京太郎(俺は――) 京太郎(欲しい……) 京太郎(俺が永遠に強くいられる世界が欲しい) 京太郎(強い意志で世界を塗り潰して、変えるんだっ!) 京太郎(そうさ、そうすれば俺はいつまでも勝てるんだ) 京太郎(ここからが本番、いくぜェ!) 巴(ふむむ……発動しちゃったか。やっぱり、麻雀が反応してるのかな) 春(何か、変な感じ。気持ち悪い……) 良子(私の第六感が……何かを告げている。少年、君は何者だ?) ――――― 東ニ局一本場:親(春) 配牌 京太郎(…………) 春(運が京に吸い取られてる?全然、上がれない) 巴(いやはや……化けましたね) 良子(……ッ!) 京太郎(……不思議と頭がすっきりしている) 京太郎(清澄で打っていた時よりも……やれる。このまま、押し切らせてもらうっ!) 良子(思えば、最初の局で予感はあった) 良子(彼自身は弱いと言ってたけど、それは周りにいる人達が異質すぎるから気づかないだけなんじゃないかな) 良子(現に打ってても、彼は決して弱くはない) 良子(それに、今の局から彼が纏うオーラが変わった) 良子(この麻雀が終わったら少年に聞かねばならないな) 春(親だから、今の内に稼がなきゃ) 春(これ以上失点したら……負ける) 春(他の皆が手を揃える前に安手で早上がりするっ!)タンッ 京太郎「……ロン」 京太郎「一本場だから1300だ。悪いけど連荘はさせない」 春「はい……」 良子(ハルの十八番を奪っていくとはね……) 良子(私もちょっと本気を出すべきかな?) 巴(うーん、この焼鳥状態) 京太郎35500 春13200 巴24500 良子26800 ――――― 東三局零本場:親(巴) 配牌 京太郎(……っ!畜生、さっきの冴えは何だったんだよ) 春(ラス回避……一位は無理でも!) 巴(今日はついていませんねー。親なのにこれは無理かもしれません) 良子(悪いけど、一位を狙わせてもらうよ) 良子(さて、少年。君はどうするかな?打って出るか、出ないか) 春(確かに今から一位を狙うのは無理) 春(でも、それだからって諦めるのは別。ラス回避する為に狙うのは――巴) 巴「これかな?」タンッ 春「残念、それが当たり。ロン」 春「1000だけ」 巴「はぁ……ここで大きな手を食らっていたらどうしようかと」 京太郎(次さえ乗り切れば一位……勝つぞ) 良子(私の見せ場がない……最後の親で稼ぐしかないね) 京太郎35500 春14200 巴23500 良子26800 ――――― 東四局零本場:親(良子)オーラス 配牌 京太郎(戒能さんには絶対に上がらせないとして……後は巴さんがよさそうな手を作ってるかな) 春(……)チーン 巴(うん、なかなかのなかなかだね。逆転はまだ可能かな) 良子(ノーグッドな手だね、せめて二位は死守したいけど……) 京太郎(……)タンッ 春(ラス回避ラス回避)タンッ 良子(ここから挽回する……連荘にすれば勝機はある) 巴(皆、はしっていますねー。いつのまにかに真剣になっていますし) 巴(だけど、足元がお留守ですよ?) 巴「リーチ」 良子(……!くっ!) 京太郎(何とかしないといけないけど……今の手牌からして無理だ) 春(駄目……オリれない) 良子(むむむ……親だし降りたくはないけど)タンッ 巴「それです、ロン」 巴「裏ドラはー、乗らないかー。1000のみですね」 良子「むむむ……順位が変わらない上がりはどうかと思いますよ」 巴「いいんですよ、遊びですしね。真剣勝負の時はもっと本気出しますし」 巴「今回はあくまで暇つぶし。だから、点数もそんなに関係ないんです」 春「……そういえばそうだった。つい熱くなって」 巴「本当ですよ。私以外は鬼気迫る表情でしたし」 京太郎「ともかく、これで終わりですね」 最終結果。 京太郎35500 春14200 巴24500 良子25800 京太郎「ふぅ……勝てた」 春「京の嘘つき。弱くないじゃない」 京太郎「いやいや。たまたまだからな。実際前のとこでは……ボコボコだったし」 巴「……まぁね」ボソッ 京太郎「?巴さん?」 巴「いや、何でもないですよぅー!」 京太郎「はぁ、ともかく一旦休憩しますか」 良子「オーケー。コーヒーでも入れてくる」 春「私、砂糖多めで」 巴「私はブラックでお願いします」 京太郎「じゃあ、俺も同じくブラックで」 京太郎「そういえば、一位になったことだし……何か気分がいいな」 巴「何かあるかもしれませんねー」 春「私の好感度ボーナスを誰もあげないなんておかしい」 京太郎「はるるの言ってることはおいといて……よく勝てたな、俺」 巴「ま、東風だけでしたし。きょーちんこそ、言う程弱くないじゃん」 春「ぐぬぬ……」 巴「はいはい、ラスだからってうならない」 春「京の前でかっこいいとこ見せたかったのに」 春「そして、私のことを見なおしてゲロインからヒロインに」 京太郎「……別にもうきにしてないんだけどなぁ」 春「これは乙女の問題だから」 巴「乙女?」 春「疑問符をつけないで。私はこの中では一番若い。食べごろなんだから」 良子「ウェイトウェイト。そんな面白そうな話、聞き逃す訳にはいかないなあ」 春「……年増め」ボソッ 良子「ハル、後でお仕置きな」 京太郎「……何やってんだか」 巴「まあ、従姉妹同士ですからちょっとしたじゃれあいみたいなものでしょう」 京太郎「そういうもんですか」 巴「そういうものなんじゃないかな?」 春「若い方がいいから!」 良子「いやいや、年上の魅力が一番だから!」 京太郎「あんなことがあった後なのに、元気だなあ」 巴「というか、寝なくていいんですかね」 京太郎「そもそも、本家に連絡しないで大丈夫なんですかね……」 京太郎「あーすいません、巴さん。俺眠くなってきちゃって……」 巴「遠慮しないで寝ちゃえば?」 京太郎「コーヒー飲みかけだしもう少し……あー」ポスン 巴「はいはい、眠くなったら寝る。膝枕してあげるから」 京太郎「すいません……色々と迷惑をかけて」 巴「別にいいよ。きょーちんと私の仲だしね」 京太郎「……ありがとうございます。色々と」 巴「改まってどうしたのさ」 京太郎「巴さんには助けてもらってばっかりで……俺は何も返しちゃいない」 京太郎「思えば、最初の……出会いの、時……も」 巴「はぁ……調子が狂うなぁ」 巴(後悔なんてある訳ないって思ってたけど……君との出会いを書き換えたのはちょっと後悔かもしれませんねぇ) 巴「全く、恋する乙女みたいですよ……そんなことはないのに」 巴「君にはもっと相応しい女の子がいるんだから」 京太郎「…………あれ」 京太郎(俺、いつの間にかに寝ていたんだろう) 京太郎(巴さんに膝枕してもらった所までは覚えているんだけど) 京太郎(最後に何か言ってた気がするけど。半分寝かけてたから思い出せない) 京太郎(とりあえず、変に目が冴えちまったし夜風でも当たるか) 良子「やあ、少年。奇遇だね」 京太郎「戒能さんですか。どうしてベランダに」 良子「君と同じさ。ちょっと風に当たりたくてね」 京太郎「そうですか」 良子「そうなんだよ」 京太郎「運命の赤い糸で結ばれていたりして?」 良子「ふふっ。本当に結ばれていたとしたらどうする?私をもらってくれるのかな?」 京太郎「その時は全身全霊を持ってお迎えいたします、お姫様」 良子「ふふふっ」 京太郎「はははっ」 良子「なんてね」 京太郎「うーん、やっぱり大人ですね。からかいがいがない」 良子「そりゃあね。君より年上というプライドもある」 良子「そう簡単に揺らがないさ」 良子「一つ、聞いていいかな」 京太郎「どうぞ」 良子「君は麻雀が弱いと言ったね」 京太郎「はい。実際その通りなんで」 良子「だが、君は一位を取った。東風とはいえ一位を最初から最後まで死守し続けた」 良子「それに、途中から君の纏うオーラが変わった気がするんだ」 良子「君は一体何者なんだ?」 京太郎「俺は……」 京太郎「何者でもありません」 京太郎「穿って考えすぎですよ、戒能さん」 良子「君自身はそう思っていても周りはそうは思わない」 良子「それだけの影響力が君にはあるんだよ」 良子「途中から見せたアレはまさしくそれだった」 良子「まるで、運を吸い取られているような。いや、奪われているといった方が正しいかな」 京太郎「それじゃあ、俺がオカルトを持っているみたいじゃないですか」 良子「私はそう言ってるんだ。君に覚えはないのか?」 京太郎(覚えがあるって言われても、アレしかないよな……悪霊にもらったやつ) 京太郎(まだ俺の中に残ってるなんてな) 京太郎「そうですね……今すぐには思い出せません」 京太郎(まあ、言う程のことではないか……) 良子「そうか。なら、忠告しておく。アレはもう使わない方がいい」 京太郎「どうしてです?オカルトを持つなら使った方が強く……!」 良子「あのオカルトからは禍々しいオーラを感じたんだよ。 使い続けると黒に染まるぞ」 良子「約束して欲しい。絶対に使わない、とな」 京太郎「黒のオーラに巻き込まれるか、はるる達が心配なんですよね」 良子「それだけじゃない、馬鹿者。君のことも心配しているんだ」 京太郎「ご冗談を。俺の心配の分は他の人にやってください」 京太郎「それが一番ベストな選択ですよ」 京太郎「一度染まったら、もう戻れませんよ」 良子「……染まったら洗えばいいじゃないか」 京太郎「どうしようもないぐらいの汚れの場合は?」 良子「うまく折り合いをつけろ。あー、こういうのは柄じゃないんだがな」 良子「君はどこか危ういんだ。ちぐはぐなイメージがある」 良子「均衡が取れてないんだ、君はどこかそう思う所はないのか?」 京太郎「…………あったとしてどうしればいいんですか?」 京太郎「過去に立ち向かう勇気がない臆病者ですよ、俺は」 良子「はぁ……それならば誰かの助けを借りればいい。 助けてもらうのは別に悪いことではあるまい」 良子「話してみたらどうだ?君のその根源を」 良子「話さないことには始まらないぞ?半歩でも前に進んでみろ。 そこから見える世界は違って見えるかもしれないよ」 京太郎「……考えておきます」 良子「今はそれでいい。私が言いたいのはオカルトを無闇に使うなってことだ」 京太郎「確約はできませんが、覚えておきます」 良子「それに、オカルトを抜きにしても君はいい線いくと思うしね」 良子「どうだい、私の弟子になる気はないかな?」 京太郎「ははは、保留ということで」 良子「むぅ……断られたか。まあ気が向いたらでいいよ」ピッ 京太郎「これは……」 良子「私のメルアドと電話番号だ。気軽にかけてくるがいい」フンッ 京太郎「じゃあ、困ったときは相談させて頂きますね」 良子「うむ、苦しゅうない」 京太郎「何口調ですか、突然」 良子「ノリだよ、ノリ。気にしたら負けだ」 良子(もう少し、強かったら来月にある全国大会のエキシビションマッチにでも推薦するんだがな……) 良子(面白い素材を腐らせるには勿体無いしね……) 【朝・良子家】 京太郎(……うーん) 京太郎(いつもながら寝起きが悪い) 京太郎(誰か寝起きが良くなる手段を知ってはイないだろうか) 京太郎(社会人になったら毎日だしなー) 京太郎(というか、重いんだけど何か乗ってるの!?) 京太郎(はるるかよ!重いよ!) 春「zzz」 京太郎(何で俺の上に乗っかってるんだ!寝苦しいわ!) 春「……寝起きでラッキースケベイベント期待」ボソッ 春「zzz」 京太郎(だから、どけろってぇ!!!) 春「……何もなかった」シュン 京太郎「お前は何を言ってるんだ。乗るなら戒能さんにしろ」 良子「申し訳ないが私を身代わりにするのはNG」 巴「普通に寝ましょうよ、普通に」 良子「そのことについては置いといて。朝食を食べたら本家に帰るよ」 春「えー」 良子「えーじゃない。私の家にいつまで寄生するつもりなのさ」 春「無論、死ぬまで」 良子「斉藤乙」 京太郎「どうでもいいけど劇場版のるろ剣はぶっとんでましたね」 巴「観柳ははまり役だったねぇー」 良子「うん、このままだと話がそれるからごはんを食べるよ」 「「「はーい」」」 良子「ハルと巴の服は私のを貸すとして……少年はどうする?」 京太郎「全裸で行きます」 良子「は?」 京太郎「全裸で行きます」 巴「きょーちん、まだ寝ぼけてるんだね……」 京太郎「ということで脱ぎまーす」ポイヒョイッ 良子「ちょ、ちょっと待ったあああああああああ!!」 京太郎「何ですか、一体……!脱いだ服なら袋に入れて持っていきますけど」 良子「いや別にここに置いていっても……って違う!違うよ!」 京太郎「ああ、そうですね。このままだといけませんね」 良子「そうだよ!服ならどうにかするから!」 京太郎「このままだったら股間丸出しで不審者ですからね。 小蒔さんのお父さんから借りたゴッドモザイクを使えばオッケーですよ!」 良子「そういう意味じゃないからね!?」 京太郎「何でも、天照系の光学神奏術で股間の大切な所は見えないにくいやつということらしいです」 良子「そんな説明はいらないよ!」 京太郎「逆に考えたらいいんですよ、服を着たら負けだと」 良子「負けじゃないからね!?」 京太郎「さあ、脱ぎました!行きますよ!」 良子「行く訳ないでしょう!」 巴「さすがに私もどうかと思うね……」 春「筋肉の均衡が絶妙……ウホッ、いい身体」 良子「ハルは黙っていようか。第一警察に見つかったらおじゃんでしょう!」 京太郎「戒能さん、こういう言葉を知っていますか?バレなきゃ問題はないって」 良子「犯罪者のセリフだよ!」 京太郎「ともかく、俺はこれで行きますから」 良子「止めて!私の家からその姿で出ないで!お願い、何でもするから!」 京太郎「ん?今何でもするって言ったよね?」 良子「えっ、それは言葉のあやで……」 京太郎「ん?今何でもするって言ったよね?」 良子「だから」 京太郎「ん?今何でもするって言ったよね?」 良子「……何が望みなの?」 京太郎「こんどデートするんだよおうあくしろよ」 春「!?」 巴「~~♪」 良子「デ、デートって!?そういうのはハルの役目であって!」 京太郎「俺は、戒能さんとデートしたいんです(迫真)」 良子「う、ううっ!」 春(私や霞とのデートは断ったのに……)ズズズッ 京太郎「いいんですか?このままだと俺は全裸で出ますよ?」 京太郎「そしたらご近所付き合いで全裸の家って噂されますよ!」 京太郎「さあ!さあ!」 良子「ぐぬぬ……!全裸の家という呼ばわりは嫌だ!だけど、デートも恥ずかしい!」 春(良子さんなら断ってくれるって信じてるから) 京太郎「俺は恥ずかしくありませんよ。あるェー?もしかして、そういう経験がなかったり?」 良子「で、デートの経験ぐらいあるから!」 京太郎「ならデートぐらい余裕じゃないですか。そんなに慌てるなんてまるで中学生みたいですよ。 戒能さん程の美人でしたら男の人とデートなんてお茶の子さいさいですよね」 良子(言えない……麻雀にずっとかまけててそういう経験が全くないなんて!) 良子「見たところ少年は経験豊富……!クールなイメージがある私を保たなければ!) 良子「ふふっ。少年、大人をからかうもんじゃない。君にはもっとお似合いの娘がいると思うな」 良子(話題を逸らしてハルにぶつける!これで私はフリー!) 京太郎「それとこれは別です。今の俺には戒能さんしか見えませんから」 良子「…………」ボンッ 京太郎「あれれー。顔が真っ赤ですよ、戒能さん。熱でもあるんですかー」 良子「な、ないない!ノーウエイノーウエイ!」 京太郎「いえいえ、心配ですから。ちょっと失礼しますね」オデコニテヲピトー 良子「ひゃっ!」 京太郎「うーん、熱はないみたいですねー。どうしたんですか、突然真っ赤になって」 良子「つ、冷たい……」 京太郎「これで少しは落ち着きましたか」ニコッ 良子「う、うん……」 巴(全裸だから如何わしい姿になっているのは誰も突っ込まないんでしょうかね……) 春(あばばばばば) 京太郎「深く考えることはありませんよ。ちょっとしたお礼を兼ねて出かけるだけですから」 良子「そ、そうだよね!」 京太郎「その過程でデートと呼ばれるかもしれませんが……やましいことなんてこれっぽっちもありませんよ?」 良子「全裸と一緒に外を出るか……それとも、デートをするだけか」 京太郎「大丈夫です、俺がエスコートしますから」 良子「な、なら……お願いしてもいいかな?」 京太郎「もちろんですよ、お姫様をエスコートするのは王子の仕事ですから」 良子「キザだね。口ではなんとでも言えるよ?」 京太郎「いえいえ、これぐらい気取らないと戒能さんの相手なんてとても出来ませんよ」 京太郎(それに……デートの時に全裸にならないでとは言われていませんしねー) キャッキャウフフ 巴(ひゅー……これはかすみん達は荒れるだろうなぁ。面白そうだからフォローしないけど あ、はるるの魂が抜けかけている) 春()シロメ 京太郎「ということで服は戒能さんのを借りました」 良子「Tシャツとジーパンだね」 春()シロメ 巴「はるる、いい加減戻って」バシッ 春「はっ!悪い夢を見ていた気がする……」 巴「残念ながら現実なんだよね、その夢」 春「ぐぬぬ……」 巴「はいはい、唸らない。大丈夫だって、ちょっとしたお礼を兼ねて出かけるだけだから」 春「いいや、良子さんは男に飢えているね!京の始めてを散らす気でいる!」 春「だって、良子さんの学生時代なんてそれはもう……」 良子「それ以上言ったら黒糖取り上げるよ?」ニッコリ 春「それだけはやめて」 良子「なら、変なことは言わない」 京太郎「従姉妹漫才を見ているみたいです……」 巴「関係ない顔をしてるけどきょーちんが原因ですからね?」 京太郎「戒能さんをからかう為にデートとはいいましたが、大したものではないですよ。 御礼をするだけなのに大げさですって。そういう意味では巴さんとも後日……」 巴「私はいいよ。これ以上はるる達の胃を壊したくないし」 京太郎「巴さんのお礼とはるる達は関係ないと思いますが?」 巴「乙女心というものがあるんだよ。男の子には難しいものだけどね……」 京太郎「とか、言っている内に到着しましたね」 巴「っと、門の前に誰かいますね」 霞「あらあらこれは全員お揃いで」ニッコリ 巴(こ、これは……) 霞「私達に何も言わないでどこに行ってたのかしらねぇ」ニッコリ 春(ヤバい、かなりヤバい) 霞「とーーーーーーーーーっても、心配したのよ?朝になったら三人ともいないし」ニッコリ 京太郎(戒能さん!連絡しなかったんですか!)ヒソヒソ 良子(すっかり忘れてた)テヘッ 京太郎(ヤバいですよ、あの状態は!殺されますよ、俺ら!) 良子(ドンウオーリー。私に任せて) 良子「ちょっと待って欲しい」 霞「戒能さんは黙っていて下さい」ニッコリ 良子「……はい」 京太郎(ちょおおおおおおおおお!!) 春(良子さん何やってるんですか……) 巴(折れるの早すぎですよ、ちょっと!) 良子(無理無理、アレは無理。私握りつぶされる) 京太郎(うっ……何か股間が……痛い) 春(た、たたたたすけて) 京太郎(無理無理無理!俺が死ぬ!) 巴(あ!逃げようとしないで下さいよ!) 良子(私は部外者だから)キリッ 巴(ここまで来たら巻き込みますからね!) 京太郎(霞さんに俺らだけで挑めとか無理ですよ!) 春(黒糖美味しいな)ボリボリ 京太郎(現実逃避するなぁ!) 霞「さっきから何をコソコソとしているのかしら? 言いたいことがあったらハッキリと言いなさい」ニッコリ (こ、怖い……) 京太郎(誰か!誰か助けに来てくれー!!) 春(無常にも助けは来ない) 京太郎(そんなナレーションはいらねぇよ!) 小蒔「どうしたんですか~霞ちゃん」 京太郎(きたああああああああ!) 春(さすが姫様) 巴(来て欲しい時に来てくれる!) 良子(これで勝つる!) 霞「あら、小蒔ちゃん。ちょっと、お仕置きをね……」ニッコリ 京太郎(え!?されること確定なんですか!) 春(笑えない……) 巴(朝帰りしただけなのに!?) 良子(神代さんなら説得してくれるから大丈夫)フルエゴエ 霞「連絡もなしに朝帰りはいけないと思うのよ、ね?」 小蒔「まあまあ。落ち着いて下さい」 小蒔「確かに、私達は連絡もなしにいなくなった三人を心配しました」 小蒔「ですが、三人も悪気があって連絡できなかったわけではありませんよね?」 京巴春「「「エベレストよりも高く反省しています!」」」 小蒔「ほら、皆さんこの通りにすごく反省している訳ですし」ニコニコ 霞「……はぁ。まるで、私が悪者みたいじゃない」 京太郎(小蒔さんから後光が……!) 春(何とか助かったね) 巴(本気を出してトリプルアクセル土下座をする所だったよ) 良子(これ、私完全にとばっちりだよね) 霞「いいですか、今後このようなことがあったらちゃんと連絡するように」メッ 霞「皆心配するんですからね。ここにいないはっちゃんも心配してたんだから」 京太郎「はい!」 春「この度は!」 巴「誠に!」 京春巴「「「申し訳ございませんでした!!」」」 霞「そ、そこまでされるとこっちが悪いわね……」 良子「まあともかく、事情は私が説明しとくから君達は部屋に戻っていなよ」 京太郎「わかりましたー」 【自室】 京太郎「という訳で帰ってきたぞ」 京太郎(小蒔さんから午前中は休んでいて下さいと言われたけど戒能さん家で寝てるんだよなぁ) 京太郎(何をするにも思い浮かばないし……) 京太郎(……同じく休みのはるるか巴さんに会うべきかな) 京太郎(そういえば、オフ会とかあったな……早い内にメールを打っておくか)ピコピコ 『おはようございます。そういえばオフ会の日程とか決めてなかったと思いますが決めませんか?』 京太郎(まあこんな感じで大丈夫だろう) ヒエア!ヒエア!アクセルワールド! 『覚えてくれてたの?ちょーうれしいよー。別に今日でも大丈夫だよー』 京太郎(今日、か……さすがに朝帰りの後の外出は霞さんが怖いし…… 仕事の休日は明日まであるし今日はゆっくりしよう) 『急ぐことでもないですし、今日じゃなくても大丈夫ですよ。 明日とかどうでしょうか?』 京太郎(うん、これでよし) ヒエア!ヒエア!アクセルワールド! 『大丈夫だよー。明日の何時に待ち合わせかなー』 京太郎(朝はさすがに辛いし……昼近くがいいかな) 『昼近くでどうでしょうか?待ち合わせ場所は……』 『近くの公園で。西郷公園の西郷隆盛像の前とかどうでしょうか?』 ヒエア!ヒエア!アクセルワールド! 『りょーかいだよー。じゃあお昼近くに待ってるよー』 京太郎(完璧だ……まあ、小蒔さん達にはちょっと出かけます程度で大丈夫だろう。 ちょっとしたオフ会なだけだし) ゾクッ 京太郎(大丈夫、だよな……?) 京太郎(うーん、何でだろう。大丈夫なはずなのに不安だ……) 【昼・大部屋】 小蒔父「別にいいんじゃないかな」 京巴春「「「「えっ」」」 小蒔父「いや、戒能君から聞いたよ。 朝帰りについて。突如悪霊が現れたことを察知した君達は夜に抜け出して退治したんだろ?」 京太郎(ほぼそのまんまじゃないですかー!) 春(もっと誤魔化すべき) 良子(こういうのは噓を言わずにちゃんと本当のことを言うべきだからね) 小蒔父「まあ、私も若い頃は朝帰りをしょっちゅうしていたからね。気にしてないよ」 小蒔母「」ギロッ 霞「」ニッコリ 初美「」ムスッ 小蒔「」ニコニコ 小蒔父「ああ、うん。一応は連絡してくれると嬉しいなーって」アセダラダラ 京太郎(弱っ!立場弱っ!) 巴(尻にひかれてますねー) 京太郎(あれ?こんな状況で明日ちょっと出てきますーって言ったら俺死ぬんじゃね?) 京太郎(でも、逆に考えるんだ。ちょっとしたメル友と一緒に出かけるのにやましいことなんてあるのだろうか) 京太郎(むしろ、それをやましいことだと考える相手サイドに問題があるのだろう) 京太郎(ならば、俺は悪くないのではないか) 京太郎(まあ、そもそも行きたいんだからしょうがないよね!)マジキチスマイル 小蒔父「ということだから、まあ程々に……あ、はい。連絡はきっちりとして下さい」 京太郎「あっ、すいません。俺、ちょっと明日出かけますんで」 小蒔父「ほう、天江君との逢引かね。素晴らしいことだとアダダダダダダ!」 小蒔母「な~にを言ってるのかしらね~」 巴(この状況で地雷を投入するとは……) 良子(え、これってもしかして私とのデートのこと?)ドキドキ 春(ぐぬぬぬ……良子さんにラブ臭が) 京太郎「ああ、違いますよ。ちょっとした友人と出かけようかなって」 良子(私じゃなかったのか……)ショボン 巴(地雷じゃないかー。つまんないなぁ) 春(友達……京の友達……。普通に考えると男の友達だから安心安全だね)ニッコリ 小蒔父「うん、友達と遊ぶのは若い内にできるだけやっておくべきだからね。 楽しんできたまえ。あ、後、天江君との逢引の時はぜひ……あだだだだだっ!」 京太郎「大丈夫なのか、この家……」 巴「多分、どうにかなるんじゃないかな?それよりもこっちに友達がいたんだねー」 京太郎「いえ、メル友ですよ。その人がたまたまこっちにいるみたいで会ってみようかなって」 初美「それって誰なのですか-!」 京太郎「うわっ!薄墨さん、すごく久しぶりですね……」 初美「そんなことはどうでもいいのですよー!」 京太郎「まあ、ともかく……別に普通のメル友ですし怪しくもなんとも無いですってば」 霞「……本当かしらね」 小蒔「私、気になります!」 春「本妻は慌てない、クールにいく」 良子「……私にはデートを誘ったのに」 巴「収集がつかないですねー。きょーちん、どうするんですか?」 京太郎「どうするも何も!やましいことなんてないですってば! 関係ないですって!もう!」 京太郎(とりあえず、色々と追求されたけど何とか逃げきれたぞ……) 京太郎(しかし、皆の目つきが変わってたのは気のせいだろうか) 京太郎(さてと、昼からはどうしよう?) 京太郎「ということで見送りに来ました」 良子「物好きだね。全くこっちの気も知らないで……」ブツブツ 京太郎「へ?」 良子「少年には関係ない!と、ともかく……デートについてはどうするんだ?」 京太郎「そうですねぇ……明日は友達と出かけますしね」 良子「確か、一日フリーは明日までだったはずだ。私もプロだから多忙だ、大変残念に思うがこの話は……」 京太郎「夜、夜とかどうですか?」 良子「えっ?」 京太郎「戒能さん、この街について詳しいですよね?」 良子「ん……まあね」 京太郎「美味しい夕食が食べれたり、綺麗な夜景が見える所とか色々と連れて行ってもらえませんか? 俺、こっちに来た時は小さくて名所とか覚えていないんですよ」 良子「夜のデート……ホテル……わわっ」 良子(ど、どうする!予想外だぞ、この展開は!まさか、一目惚れとか言われるんじゃないんだろうな! そして、そのまま流されて……あわわわわわ!) 良子(だ、だめだ、ここで断ったら男性経験がないって笑われる、大人の余裕を少年には見せておかなくては) 良子「ふふっ、いいのか?ハル達に変な噂を立てられるかもしれないぞ?」ニヤッ 良子(完璧な切り返し!これで少年は恥ずかしがって……!) 京太郎「?別にいいですよ?やましいことなんてないですしね。 戒能さんと出かけるのにハル達は関係ありませんよ」 京太郎「……戒能さんは俺と一緒じゃ嫌ですか?」ニコッ 良子「別にそういう訳じゃ」 京太郎「なら決定ですね。こういうのは早い方がいいですし明後日、俺が仕事終わった後とかどうでしょう? 明後日ならまだこの街にいますよね?」 良子「あ、ああ」 良子(また流されてる……!くぅ……っ!) 京太郎「それなら、仕事終わった後に連絡するんでケータイはチェックしておいてくださいね」 良子「わかった……」 京太郎「楽しみです、戒能さんと夜のデートなんて」 良子「からかうなっ!全く、恥ずかしいったらありはしない……」 京太郎「そうですか?俺は全然恥ずかしくないですけど。 戒能さんみたいな綺麗な女性と一緒に歩けるなんてすごく嬉しいじゃないですか」 良子「君はまたそういうことを……!まあいい、そろそろ行く」 京太郎「はい。明後日、楽しみに待っていますね」ニコッ 良子(その満面の笑みはずるいよ……)
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スレが多くなったので表示を10スレ別に分けています +スレ01から10 「岩手に引っ越すことになった」咲「」 http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343112345/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343192994/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その2!」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343400155/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その3」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343567114/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「…その4」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343748951/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その5!」ニコ 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343869605/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 久「その6…って私!?」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344071295/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 まこ「その7」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344266778/ 【咲SS】 京太郎「岩手に引っ越すことn 咲「おまたせ!その8だよ!」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1344446263/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 和「SOA9」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345034965/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 優希「その10だじぇ!」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345480358/ +スレ11から20 【咲】 京太郎「岩手に引っ越s 咲「その11。スレタイでは二人きり」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345814520/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越s 咲「その12。そろそろ出番かなぁ?」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346219045/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越s 咲「その13。早く京ちゃんに会いたい」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346523603/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 シロ「その14。だる…」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347033146/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 エイスリン「15 デス!」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347554849/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 胡桃「その16!」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348335621/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 塞「その17だよ」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349091869/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 豊音「その18っ!」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350133607/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことn 咲「その19。最近岩手にいない」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351268141/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことn やえ「20カは相手にならんよ」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351858977/ +スレ21以降 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことn 咲「その21。負けちゃったんだ」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352305620/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その22」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352993999/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その23だよ」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355317520/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その24……」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1359736061/ 【咲】 京太郎「岩手に引っ越すことになった」 咲「その25」 【安価】 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365516253/